誰でも不動産投資で儲けられるわけではない

最近、不動産コンサルタントであるネクサスプロパティマーケティングから、次のような調査報告が出てきた。

スクムビット39とトンローが最も高い投資リターン

スクムビット39とトンローエリアでは、新規コンドミニアムの平均売出価格が183,000バーツ/㎡から255,000バーツ/㎡へと、この5年間で40%上昇しバンコクで最も値上りした。バンコク都心部の新規コンドミニアム価格は今も上昇が続いているが、これは用地不足とタイ人富裕層や外国人投資家の需要増で需給がタイトになっていることが原因である。

その結果、新規プロジェクトはキャピタルゲインと家賃収入の両方で今も高い投資リターンが実現できるのである。

家賃水準

バンコク最高の月額家賃水準はトンローの1,000バーツ/㎡である。一方でダウンタウンとフリンジエリアのハイエンドコンドの家賃は大体520バーツ/㎡から800バーツ/㎡で、平均754バーツ/㎡である。この中ではエッカマイとパヤータイの家賃が高く、ラチャダーからラーマ9、トンブリ地区は、タイ人と日本人以外のアジア人エクスパット(主に中国人と韓国人)が主な賃借人ということもあって家賃は安い。

一方、スクムビット39とトンロー、そしてランスアン、サトーンのCBD高額家賃エリアに住む主な賃借人は日本人と欧米人である。

ROI(Return on Investment)

過去5年間のROI(投資リターン)を比較してみると、2013年にバンコクでコンドミニアムを購入し賃貸運用していた場合、平均で年率6.1%の賃貸利回りであった。中でもエッカマイの賃貸利回りは7.7%と最高で、続いてパホンヨーティンの7.2%、トンローの6.6%、そしてランスアンとパヤータイが同率の5.6%であった。

さらに、この5年間のキャピタルゲインについては、ラグジュアリーコンドミニアムの方が値上りが大きく、中でもトンローは家賃とキャピタルゲインを合わせた総合リターンであるROIが66%と最高であった。それに続いてエッカマイが61%、そしてバンコク全体の平均ROIは50%であった。

以上が概要であるが、5年の中長期投資リターンを語るときにお金の時間価値を考慮しないROIは不動産投資ではあまり使わない。

トンローは66%の利益というとすごく儲かったように思えるが、それが2年で実現できたのか、5年かかったのか、それとも10年かかったのかでリターンの価値が全然違うからである。

また、ここでは空室率も考慮してないようで、どうも投資を煽ろうとするネクサスのポジショントークを感じさせる。

そこで、ネクサスの調査結果に基づいて筆者がこれをキャッシュフローで展開し、IRR(内部収益率)を算出してみたのが下の表である。

それでもバンコク全体の平均は年率9.34%もあったことから人気物件だけを対象にしているようにも思える。また、トンローやエッカマイもそれぞれ11.81%と11.29%となった。

筆者が5月末に出版した著書でも、「バンコクの不動産のようなレバレジをかけないフルエクイティ(全額自己資金)投資であれば、IRRが10%を超えれば、その投資は成功である」と書いたが、平均でこんなに儲かるのなら、バンコクのコンドミニアム市場は誰でも儲かる花の山ということになる。

しかし、実際には仲介業者やデベロッパーのセールストークに乗せられて、市場ニーズのほとんどない問題物件を買ってしまい、入居者もつかずにダウンタイムが続いたあげく、こんなことならもう要らないとばかりに売却を試みても、今度は売るに売れずで苦労している人も多いのである。

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