「出口」でエージェントを使うなら灯台下暗し

築浅物件を購入し5年程度の賃貸運用によるイールドプレイを終えた頃、特定事業税もかからなくなり、築10年に届く前にそろそろ資産の入れ替え、もしくは投資資金の回収を行う最後の「出口」のタイミングを迎えることになる。

では、どうやってエグジットするのが効率がいいのか。最初に投資物件を購入するときは言葉の問題、物件選択方法、タイの取引形態や商習慣がわからないので日系業者を通して購入する人は多いが、売却するときにもそれでうまくいくのかというとそうでもない。

というのも、これは当り前のことでもあるのだが、日系業者はあまりタイ人の個人顧客を持っていない。日本人の購入希望者を集客できるのが日系業者の強みであり、反対に日本人が売却する場合は、日系業者にとって売物件が1つに限定されるため、それをさらに日本人顧客に買ってもらえるという確率は極めて低くなる。

従って、売却に関しては専任で日系業者だけに依存するのでは不十分ということになり、やはりタイの業者の力も借りる方が効率がいいことがわかる。

では、タイの業者ならどういうところに依頼すればいいのか。あちこちの大手エージェントに連絡して売却を依頼するのもいいが、筆者はその物件を熟知していて見込客にすぐに案内できるという意味で、ロビーでデスクを構えている館内エージェントや、管理会社(ジュリスティック)が売買の補助サービスを行っている場合は絶対に外せないと考えている。

実際、筆者が自己所有の物件を売却したときも、ロビーでデスクを置いている不動産エージェント経由でタイ人投資家に売却することができたし、筆者のクライアントでプロンポンで1,000万バーツ以上もする2ベッドルームを持つ日本人オーナーの場合も、そこの管理会社が買主を見つけてきた。

そんなわけなので、まずはバンコクと日本では次のような環境の違いがあることを理解しておくべきだ。

  • バンコクでは日本のように周辺地域の不動産をまとめて扱う便利な駅前不動産屋、そして道路に面した1階の店舗、いわゆる路面店舗がない
  • 店舗を持たないので、不動産エージェントの物件広告や集客はネットが中心となる
  • 路面店舗の代わりに、バンコクレジデンスのような不動産エージェントは、大型コンドミニアムのロビーにデスクを置かせてもらって館内エージェントとして営業する
  • ネット広告には実際に物件が存在してない囮広告が多数なので、タイ人は自分が興味があるエリアのコンドミニアムに出向き、ロビーのエージェントデスクや管理会社にその場で物件を見せてもらう飛込み客が多い

これらを補足説明しておくと、まず3項の館内エージェントについては、これはバンコクのコンドミニアムにはホテルのような広いロビーがあるメリットを生かしたシステムである。

また、筆者の知る限り、不動産エージェントは管理組合と交渉しロビーの一角にエージェントデスクを出させてもらう代わりに、成約した場合はそのコミッションから一定の割合を管理組合に拠出することになっていて、そのコンドミニアムのオーナー全体にとってもプラスになる。

バンコクのハイライズコンドミニアムの場合、大型物件が多く、貸したい、売りたいというオーナー達からの需要が常にある。そこにロビーでデスクを構えるエージェントがいれば、オーナーも簡単に鍵を預けられるのでこのシステムは好都合なわけだ。

また、エージェント側にしてみても家賃を払って路面店を持つより、物件のすぐ下にあるロビーで館内エージェントデスクを持つ方が理にかなっている。

次に4項については、日本の場合は宅建免許を持つ仲介業者に頼った方が安全だという考え方であり、それはそれで正しいのだが、タイでは自分を守ってくれる宅建業法などないので、投資家は自分で率先して行動する。

また、タイ人も築10年にもなる中古物件の場合、その資産価値は管理状態に左右されることを知っている。  従って、自分の目で管理状態をチェックするだけでなく、管理事務所で修繕履歴や今後の予防修繕計画、大規模修繕の一時金支払いが発生するのか、民泊禁止を厳重に行っているか等を確認して管理の厳格さや質の良さを判断しようとするのである。

コメント

タイトルとURLをコピーしました