ハッピー・リタイアメントをタイで過ごす方法

キーワードは“パッシブインカム”

日本では金融資産が1億円を超えれば“プチリッチ”といわれ、小金持ちの仲間入りをするが、世界水準で通用するお金持ちになるには5億円以上必要、と金融雑誌で読んだことがある。

アメリカでも金融資産100万ドル、いわゆる“ミリオネアー”は何百万人もいるので、頭に“マルチ”がつかないと別に金持ちでもない時代になった。それほど世界中でお金が余っているから日本のマイナス金利を始め、預金利率が歴史的な水準にまで低下したのである。

まだタイの預金利率が高かった頃、セカンドライフを過ごしに来た日本人達は利息収入だけでバンコクライフを満喫できたそうだ。それが今、タイの1年定期預金の利率はわずか1%そこそこ。 

その結果、タイでも資金の不動産シフトが起こっている。その中には、昔のように利息収入で暮らせないのならこれからは不動産収入で、と考えている人も多いはずだ。そして、この場合の共通項が“パッシブインカム(受動的収入)”である。

リタイアした後に、値動きの速い株やFX、商品先物等で毎日お金儲けのことばかり考えていたら悠々自適のセカンドライフなど無理だ。ハッピー・リタイアメントのためには元本毀損のリスクが小さく、しかもほとんど何もしなくても毎月の生活費を捻出してくれるパッシブな投資対象が不可欠なのである。

その点、バンコク都心部の不動産は、アジア通貨危機以降20年間も値上がりが続いている上に投資利回りも比較的高く、入居者さえつけば継続的に家賃収入というキャッシュフローを生み出す理想的なパッシブインカム源なのである。

ただし、これには落とし穴もあって話はそれほど単純でもない。そこで、筆者がバンコクで不動産投資をして、質素ながらもハッピーなリタイアメント生活を送りたければどうするだろうか、と考えてみた。

中古を買って最後まで売らない

バンコクでは、個人で不動産投資をしているタイ人で賃貸収入をちゃんと申告納税している人などほとんどいない。毎年確定申告が必要な日本と違い、賃貸収入については税務署も大目に見ているところがある。

ただし、不動産を売却した時には、土地局での移転登記の際にしっかり税金を取られる。それも日本のように売却価格から売却費用や減価償却後の取得原価を引いた譲渡所得に対する課税ではなく、売却価格や政府評価額に対して一律で課税される。つまり、譲渡所得がなくても最悪ภาษีธุรกิจเฉพาะ(特別事業税)、ภาษีเงินได้หักณที่จ่าย(源泉徴収税)、ค่าธรรมเนียมโอน(移転手数料)、อากรแสตมป์(印紙税)がかかり、場合によっては日本の税金より高くなるのだ。

ならば、転売して儲けることなど最初から考えず、新築プレビルドより割安感の大きい、つまりその分利回りも大きい中古物件を買い、税金のかからない家賃収入で悠々と最後まで暮らした方が得だということになる。

日本人比率の大きい人気物件に投資する

次に、空室リスクの問題を解決しなければならない。トンローやプロンポンといった高級住宅地であっても、新規プロジェクトが毎年のように供給されていることもあり、賃貸仲介業者は数が限られている日本人テナントの方を大事にする傾向にある。もっとも、これも需要と供給の原理で仕方がないことでもあるのだが…。

これに家主が対抗するには、多くの仲介業者が扱う人気物件を保有するしかない。築浅から古いものまで人気物件は多いが、例えばトンローならクレスト、クアトロ、HQ、モーフ、エークア…。プロンポンならXXXIX、アドレス、バンコク、Hコンド…。

そして、インテリアデザイナーを入れてさらに魅力的に改装し、仲介業者に頼らず保有物件の魅力で入居者を呼び込むことを考えるべきなのである。

追加コメント:

その後、タイバーツ高が続き、2020年に入った今、そもそもバンコクでハッピー・リタイアメントライフを過ごすための生活費が高くなり過ぎた。

しかも、コンドミニアム価格が上昇した結果、今さら為替リスクを取ってまでまとまった金額の不動産投資をする外国人投資家も減った。

従って、少なくとも今の平均的な日本人にとって、バンコクは質素な生活で暮らすべき場所になりつつある。

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