在外邦人の命と安全をないがしろにする岸田首相

見捨てられた在外邦人

昨日、岸田首相が在外邦人に対しても入国を禁止しました。世界中がまだ得体のしれないオミクロンの恐怖におののく中、こんな時だからこそ、在外邦人の多くがひとまず親戚や友人たちがいて安心できる母国に帰ろうという考えていた矢先、お前たちは感染している危険性があるから帰ってくるなといわれたわけです。

しかも、既に航空券を購入している邦人だけは入国できるという、全く納得のいかない例外措置があるのです。私を含め、海外に住む邦人の多くにしてみれば、今後の調査結果オミクロンに対しては今のワクチンも効かないということになったら、早目に日本に戻ろうと毎日状況を注視していたところに、突然、日本政府に梯子を外されたようなものです。

特にタイには現地でリタイアメントビザを取って住む70代の年金生活者も多くいます。しかし、コロナに感染してしまえば、外国人には高額な治療費がかかり、そして何より、高齢者にとっては外国で病気になるほど心細く不安なことはありません。

従って、タイでもオミクロンの感染が広がり始めたら真っ先に日本に戻ろうと考えていた人たちも多く、こういう人たちにしてみれば帰るところがなくなり、ますます不安になるわけです。

ちなみに、昨年コロナの感染爆発が武漢で始まった時、安倍政権は政府としてチャーター便を出し、現地に取り残された邦人の救出にあたったのに対し、今回、岸田首相は在外邦人切り捨てに動いたわけであり、政府として真逆の対応ともいえます。

在外邦人が感染しているリスクがあるからというのはわかりますが、それなら2週間でも3週間でも完全な陰性確認ができるまで日本国内で厳格な隔離検疫を行えばいいのであり、邦人に対しても外国人と同様に入国禁止という判断は間違っているとしか思えません。

慎重姿勢の諸外国

WHOは各国がアフリカ諸国からの入国禁止を始めたのに対し、国境を閉鎖しても結局感染を防ぐことはできないし、むしろ国民の生活や精神面に悪影響を及ぼすだけであると否定的なコメントを出しました。

一方、アメリカ政府も直ちにアフリカ8カ国からの入国を禁止したものの、その時のコメントとして、オミクロン感染対策の準備をするためにこれらの国からの入国を規制したと説明しています。そして現在は、入国時の陰性テストを入国前24時間以内に短縮し、入国後も3~5日以内に再度行うことを検討中で、検査体制を厳しくして水際対策を強化しようとしていますが、国全体の鎖国の話など出てきたことがありません。

また、イギリスはこれまでの経験から社会や経済が受けるダメージがあまりに大きかったことから、オミクロンに対してもロックダウンや行動規制といった特別な規制をする予定はないとアナウンスしました。

一方、タイ政府もやっとワクチン接種率が国民の70%に到達し、満を持して11月1日から開国し、ワクチン接種済の外国人観光客を受入れ始めたばかりでした。タイはもともと観光収入で世界4位の観光大国であったのですが、コロナ禍による鎖国で外国人観光客がほとんどいなくなり、既に多くの中小ホテルや観光関連事業が廃業に追い込まれた結果、観光産業はもうこれ以上後がないという土壇場に追い込まれています。

それがやっと開国できたことで、わずかな薄明かりが見えてきたところにこのオミクロン株の出現です。タイ政府も国民に対し、まだ感染者は出ていないしパニックするな、鎖国もロックダウンもしないといっています。しかし、開国により既に1,007人もの観光客が南アフリカから入国しており、近いうちに感染者が出る可能性は高いと思います。

そうなった場合、タイは今、非常事態宣言下であり、プラユット首相が開国維持か鎖国かを決めることになるのですが、首相は今、口をつぐんだまま状況を注視しているわけです。

しかし、世界がこのように鎖国に対して慎重な対応をしているに対し、岸田首相はほぼ即断即決で鎖国を決めたとしか思えません。それが与える影響について他の閣僚や経済界と協議したとは思えず、しかも最悪なのは、同じ日本人まで締め出すことを決めたわけです。

国民の命と安全を守るのが政府の最大の責任の一つであるにもかかわらず、新たなパンデミックの危険により海外から避難してくる自国民をも拒否するというようなことは、世界のどの先進国も行わないと思います。そして、岸田首相だけが自国民の命と安全をないがしろにした総理大臣として世界の笑いものになるのかもしれません。

コメント

  1. 先日、調子が悪かったので超音波と血液検査をして医師の診断を受けたところ、特に問題はないといわれたのですが、それにかかった費用が全部で6,500バーツでした。2万円ちょっとというところですが、これが高いのかどうかはわかりません。
    日本なら3割負担なので7,000円ぐらいですか。ちょっと高い気もしますが、大差はありません。
    ただし、入院したらとんでもない金額になると聞いています。盲腸でサミティベートに4、5日入院したら150万円の請求がきたという人がいました。

  2. むかしタイに住んでいました より:

    四半世紀前ですが、会社の定期健診をバンコク・ゼネラルホスピタルで受けました。当日、王家の車が横付けされ、ロビーにはシークレットサービスが何人も居ました。王族の誰かが来ていたのでしょう。当方は半日健診でしたが、看護婦がずっと付きっ切りで案内してくれて支払いは邦貨換算で5000円程度でした。
    その数年後、デトロイト出張時に聞いたところでは、出向組が同程度の健診を受けるのに同36万円と聞き、仰天したおぼえがあります。

    2000年代、バンコクの医療ツアーが盛況と聞きましたが、現在も医療産業は盛況でしょうか?
    退職者が一定期間住むには、日本レベルの医療がどの程度の費用で受けられるのかが大きな問題です。タイのそのレベルの私立病院は、もうアメリカ並みの費用ですか?
    日本の国保医療費(全額自己負担とみて)と比べて、ざっくり何倍程度と感じられますか?

  3. タイは自由診療なので、医療費もピンキリです。バムンラートやサミティベートはトップクラスなので医療費はかなり高いですが、英語もタイ語も不得意な日本人にとっては日本語の通訳がいるので安心してかかれます。
    一方、トンローのカミリオン病院のように、それなりにクオリティも高く、医者は英語もしゃべれてかつ費用もリーズナブルな病院はあります。ただ、MRI等の機械設備が不十分のようで、サミティベートのようにその場で直ちに検査結果が出せるような即応性はありません。

  4. むかしタイに住んでいました より:

    日本の入国禁止は、たしかに配慮を欠いていますね。
    特にオミクロン種が「ワクチン接種者には無症状ないし軽微な症状」というのであれば、行き過ぎと思います。
    野党がかつてロックダウンを盛んに主張していましたから、先手を取ったのでしょう。世論も評価する向きが多い様ですが、今日(12/2)夕、もう日本人帰国者に関しては入国を認める様に修正されました。

    ところでその昔、「廉価で、ほどほど高度な医療」をバンコクの私立病院が提供していましたが、現在は廉くなくなったのですね?

  5. スポーツ選手でもあるまいし、野生の直感というか、要は何も考えずに独断先行で判断する単純な人ですね。評判が悪い中、何とか自分の存在感を出したいのだろうとは思いますが…。
    彼とは同い年で大学も一緒、ただ彼は2浪しているので、学年上は2年後輩ですが、昔構内ですれ違っていたかもしれません。同窓生としてあまり自慢できる人ではないですね。

  6. 西尾 より:

    朝令暮改といいますか?日本人の帰国禁止措置から20時間もたたずに、方針が撤回になりました。
    拙速を絵に描いたような話です。
    WHOからも、外国人の入国禁止はやってはいけない(強制隔離で十分だろう)と注意されているのに、日本人迄禁止するとは、岸田君は狂ってしまったんでしょうか?
    昨夜から、日本政府には憲法違反じゃないかと言う指摘が相次ぎ、岸田君もバカさ加減に目が覚めたんでしょう?
    先手はいいが拙速は良くない見本になりました。
    学歴を言うのはいけませんが、開成高校卒で、東大入試に3回も失敗し(岸田一族は全員東大卒らしい)早大に潜り込んだレベルのオツムでは国家運営は難しいのかも?
    https://news.yahoo.co.jp/articles/a346e206ea44dedfd46f6c07f817544e6993792f
    ★日本人の移動制限は憲法違反
    https://news.yahoo.co.jp/articles/6dbec4a52f72d3d4adbe6eaa54ce58f6b7da5dfc

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