パタヤのあの幽霊プロジェクトが工事再開?

取り壊し命令が出たのに工事再開?

この建物はパタヤに行ったことがあるほとんどの人が見たと思います。ウォーキングストリートを一番奥まで歩いていくと、バリハイ埠頭にあるこの放棄されたビルが目の前に見えてきます。

たしか2010年だったと思うのですが、私も初めてパタヤに遊びに行ったら既にこのプロジェクトはあったと覚えています。しかし、この記事によれば工事中止になったのが2014年ということなので、当時はまだ建設工事が進んでいたのかもしれません。

53階建という規模と抜群のロケーションからパタヤを代表するプロジェクトになるはずでしたが、その後、違法建築だという地元住民の訴えで工事が中止になり、とうとう昨年の9月、取り壊し命令が出ていました。

しかし、デベロッパー側もそんな取り壊しの追加費用など払えないので更生法の適用申請をしてしまい、今も数十件に及ぶ訴訟がペンディングになったままなので取り壊しもできないという、にっちもさっちもいかない状況になってしまっているようです。

それが、今回突然、デベロッパーから眺望保全のために最上階の8階部分を切り取り、かつ交通渋滞を解消するために新しい道を建設することで工事再開したいとの要求が出されたのです。

本来はパタヤのランドマークになるはずのビル

ちなみに、これが当初の完成予想図ですが、何も知らない観光客が見たら素晴らしいパタヤのランドマークビルだと思うはずです。

しかし、ここまで工事が進んでいたのに何故突然工事中止になったのかを少し調べてみると、そもそもデベロッパーはちゃんと法律に基づきEIAの承認(事実上の建築許可)を取り着工していました。

それが、後になって地元民からの苦情が殺到し、その後の調査結果、実はパタヤ市もこれは違法建築だと当初から建設に反対していたのにかかわらず、国がそれを押し切って許可を出してしまい、最終的に国に非があるとわかったのです。

しかし、この時、デベロッパーの方も実は許可なく重大な設計変更をしていたことがわかり、国側もこんな設計変更を勝手にやった以上、どっちにしろこの建築許可は取消しだ、取り壊せと論理をすり替えて主張しています。

そして、これに関しては、今度はデベロッパーはゼネコンが勝手に設計変更したと主張し、一方ゼネコン側はデベロッパーの指図に基づいてやったと、ここでも責任のなすり合いが進行中で、とにかく全員参加でドタバタが続いているというのが現状のようです。

一番惨めなのは購入してダウンを払ってしまった投資家達

さて、このデベロッパーも2014年に工事差止めになった段階ですぐに販売を止めるべきだったのが、その後もコンドミニアム部分を販売し続け、結局2015年時点では38ユニットだけを残し、ほぼ完売となりました。

見ての通り、どの部屋も広めでバンコクのコンドのように30㎡前後の1ベッドルームなどなく、価格も相当なものだったのだろうと思います。

しかも、パタヤのプレビルドはバンコクのように、25%のダウンペイメントを払ったら竣工引渡しまで残金は払わなくてもいいという、比較的リスクが抑えられた販売方法とは違います。

パタヤでは通常、竣工が近づく頃にはダウンペイメントの支払も80%ぐらいになっていると聞いています。そうなるともうキャンセルして逃げるのも難しくなってしまいます。

従って、このケースの場合も、購入者はさんざんダウンペイメントを払ったところで、いよいよ取り壊し命令を出されたわけで、まったく冗談ではないということです。それで、今度は購入者側も国やデベロッパーを告訴していて、こっちでもドタバタが起こっています。

そこでデベロッパーが工事再開という解決策に出たのかもしれませんが、工事中止したのがもう7年も前ということは、この間、むき出しのコンクリートが長期にわたって風雨に、しかも潮風にさらされてきたわけです。

多分、コンクリートの至る所で爆裂が起こり、構造的にもかなり脆くなっているのではないかとも思うのですが、今さら工事再開など可能なのかという疑問もあります。

アシュトンアソークも似たようなケース

さて、この記事を読んで思ったのは「続報①:アシュトン・アソーク建築許可取り消し問題」以降で何回かにわたって書いてきた、アソークのアシュトンアソークの問題と似ているということです。

結局、これも国のミスで建築許可を出してしまい、それを後になって地元住人達から訴えられた結果、裁判所が違法と判断し許可の取り消しとなってしまいました。

従って、最悪、この建物も取り壊しになるリスクを抱えてしまっているので、少なくとも今の状況では売るに売れない状況で、資産価値も下がってしまっています。

タイの不動産の場合、日本のような品確法や手付金の保護預かり等、消費者保護の厳しい規則がないので、善意の第三者である最終消費者が泣かされることになり、運が悪いととんでもないことが起こるリスクが隠れているということでもあります。

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