決定まであと数日、誰が日本の次期総理に?

河野太郎氏について

Wikipediaで彼の経歴を見ると、河野氏は現在58歳で、1981年からアメリカに行き、1985年にジョージタウン大学を卒業したとのこと。

NHKより

年齢は筆者の方が少し上だが、実は筆者も同じ頃、アメリカに留学していた。ちょうど日本のバブル経済が始まる前で、エズラ・ボーゲルのJapan as No.1などという本がベストセラーになったりして、日本経済がいよいよ世界でその存在感を高めてきた頃であり、二人とも同じような時代背景の中でアメリカで英語を覚えたわけである。

そこで、今回の総裁候補としての彼について、個人的に筆者が思っていることを少し書こうと思う。

日本では、河野氏は国会議員の中ではダントツに英語が上手だとの評価が高く、実際、あの言い回しや発音は筆者などよりずっとうまいと思うし、原稿なしであれだけ思ったままのことをスピーチできる政治家は、今までにほとんどいなかったのではないかと思う。

そして、G7等の国際会議において、通訳なしで各国首脳と議論ができるというのは、日本の首相として相当な強みであり、もし彼が総理になれば、確かに日本のプレゼンスはもっと上がるかもしれない。

しかし、彼の日本での記者会見やそのほかのスピーチをテレビ等で見ると、その態度が随分威圧的であり、時には上から目線で横柄にものをいうという印象を持ってしまい、いささか嫌悪感を感じている人は筆者だけでないと思う。

実は、これは彼の英語のスピーチでも同じだ。確かに彼が英語でしゃべる時はアメリカ東部でよく聞く発音で流暢に話しているが、よく聞いていると、内容によってはストレートすぎるし少し鬱陶しいと感じるのだ。

アーリーリタイアしてタイにやってくる前までは、筆者もロンドンで8年間働いていたし、東京の外資系投資銀行にも長年いたが、そこでは英語が話せることなど当たり前であり、何の自慢にもならなかった。むしろ、ネイティブのように流暢に話せるかなどどうでもよく、一定のコミュニケーションさえできれば、あとは会社のために何億円儲けられるかという実の方が重要であった。

そんな中で長年働いてきた筆者が思うのは、日本人ははっきりものをいわないのでわかりにくいとよく外国人からいわれるが、だからといって、彼のように流暢にしゃべり、しかも何でもストレートに自分を主張されると、外国人の間でも嫌う人が多いと思うし、必ずしも彼の英語力が有利とは思えないのである。

誠実さが感じられればジャパングリッシュで十分

首相官邸オフィシャルページより

これが、同じように原稿なしでスピーチをしていた安倍元首相のように、典型的なジャパングリッシュでありながら、的確に伝えるべきことを伝えていた英語の方が誠実さを感じるし、誰も嫌悪感を持たなかったと思うのである。

それに、実際、安倍首相の英語はわかりやすく、日本人としては結構上手である。これだけ話せれば、日本の首相としては、とりあえず十分なのではないかと筆者は思うのであるが、特に、英語を第2外国語とするアジア諸国や東欧の人達にとっては、ネイティブがまくしたてる英語の方がむしろ難しいこともあって、彼のようなクリアな外国人英語の方がよりわかりやすく、双方が理解しあえるというメリットがあると思う。

経済大国ほど英語でのコミュニケーションは重要

もっとも、やはり国際舞台の場では、タイのプラユット首相のように、とにかくどんな時でも通訳を通してタイ語でまくしたてるというのでは話にならないし、経済規模の小さい国であっても、台湾の蔡英文総統のように英語でもコミュニケーションが取れるリーダーはやはり心強い。

そういう意味では、タイの場合、まだインラック前首相の方が英語も堪能で少なくとも対外折衝はうまかったのではないかと思う。もっとも、英語が先ではなく、やはりリーダーとしての資質が優先されるべきではあるが…。

ところで、最近のプラユット首相のインタビューを見ると、クーデター当初の初々しさは消え、国内だけでなく海外のメディアに対しても随分高飛車というか、横柄な態度が目につくのである。

2014年のクーデターから既に8年目に入ったこの政権は、次第に軍事政権の本性を表してきたという感じで、実際、タイ国民はもううんざりしているというのが実態であり、バンコクを中心に日増しに首相の辞任を要求するデモが激しくなってきているのである。

そこで筆者が感じたのが、もし他人の意見を聞かないともいわれる強引な河野太郎氏が新総理になったら、早晩、今のプラユット首相のように国民から支持されない総理になるのではないかという危惧であり、そういう意味では、少なくとも、国民の声に重きを置いてくれそうな高市氏か岸田氏の方が新総理として相応しいのではないかと、筆者は個人的に思うのである。

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