ドル高タイバーツ安はまだ続く?

テーパリングで米ドルの独歩高

テーパリングに備えて以下グラフのようにアメリカの長期金利上昇傾向が出てきたのに伴い、ドルバーツとドル円の両方でドル高が始まっています。特にタイバーツは今朝ほど、一時、節目となる1ドル=34バーツをつけたので、タイ政府が適正値と呼んでいるレベルにこれで到達したわけです。

しかも、FRBが来年半ばにはテーパリングを終えて、早速利上げを始めるようなことを示唆していることから、為替市場ではこれからも米ドルはさらに強くなるように思うのですが、一方でタイ経済の回復に伴ってバーツがどう動くか興味のあるところです。

前回、「テーパリング決定で拍車がかかるドル高バーツ安」で書いたように、1ドル=36バーツぐらいになったらそろそろドルを売ってバーツに戻そうと考えています。

しかし、このところ、タイではワクチン接種も急速に進み、年内には国民の接種率が70%に達する見通しがついたことから、これから観光客受入が始まり、つい数年前までドルや円、ASEAN通貨といった世界の通貨に対して独歩高を演じていた強力な通貨、タイバーツが果たしてこれからどう動くかです。

つまり、これからタイ景気が回復を始めれば、タイ政府も利上げに入る可能性があるし、もしこのまま経済が低迷したままだと、米タイ間の金利差はますます広がり、バーツはさらに売られることになります。

タイ中央銀行:第3四半期でタイ経済不況は既にボトムアウト

現在、タイ中央銀行は景気は第4四半期から回復するという見通しで、以下のような予測を発表しています。

The Bank of Thailand believes the economy bottomed out in the third quarter and should gradually pick up from the fourth quarter thanks to progress in the vaccination rollout and earlier than expected relaxation of the government’s containment measures.
The central bank maintained GDP growth projections for 2021 and 2022 at the existing levels of 0.7% and 3.9%, respectively.

タイ中央銀行は、タイ経済が第3四半期でボトムアウトしたので、第4四半期以降緩やかに回復が始まると予測している。これはワクチン接種率の上昇と当初予想より早い政府の規制緩和に起因する。
従って、GDP成長予測を2021年が0.7%で、2022年が3.9%と現行のまま据え置いた。

Bangkok Post

アジア開発銀行と世界銀行の予測

ADB has downgraded both 2021 and 2022 Thai GDP growth projections to 0.8% and 3.9% respectively. Previously (about six months ago), ADB projected the economy would grow moderately at 3% in 2021 and achieve a robust growth of 4.5% in 2022.

ADB(アジア開発銀行)はタイのGDP成長率予測を6カ月前の予測であった2021年の3%、2022年の4.5%から、それぞれ0.8%、3.9%へと引き下げた。

Bangkok Post

The World Bank lowered its forecast for the Thai economy this year for the second time, from 2.2% in July to 1%, and expects the Thai economy to take three years to recover. The tourism industry, the main driver, is likely to recover in the second half of 2022 after 70 percent of vaccination coverage.

世界銀行はタイ経済の成長率を7月の予測値2.2%から1%に再度引き下げた。そして、タイ経済の回復には3年かかると予測している。また、景気回復の最大の牽引役である観光産業の回復は、70%接種率を達成した後、2022年の後半になると見込んでいる。

BBC Thai News

少なくとも年内は、タイ経済の成長はマイナス成長とまではいかなくても、せいぜい1%前後と低迷するというのが大方の予測なわけで、さらにドル高バーツ安は続きそうです。しかし、来年、4%成長に戻るのであれば、そういつまでもタイバーツ安は続かないと思った方がよさそうです。

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