突然、脚光を浴び始めた日本が盟主のCPTPP

出遅れるなとタイも参加を検討開始

タイ政府は、日本が盟主になっているCPTPP(環太平洋パートナーシップ協定)は加盟国が11ヶ国と少なく、人口で5億人、GDPの世界に占めるシェアも13%ということで、アメリカが外れたのでは魅力がないとこれまで興味を示していませんでした。

確かに、中国だけでなく日本やタイが既に加盟予定となっているRCEP(東アジア地域包括的経済連携)の方が加盟国が15ヶ国、人口23億人、GDPの世界シェアも33.6%と規模が大きく、タイ政府としてはこの加盟だけで十分という考えだったのもわかります。

しかし、タイの経済紙、プラチャーチャートによれば、数日前に中国がCPTPPへの加盟申請をしたことで、一挙に人口が19億人、GDP世界シェアも30%に拡大することから、タイ政府も俄然興味を示し始め、今後のコロナ不況後の経済復興の切り札として、出遅れてはいけないと急遽CPTPPへの加盟を検討し始めたということです。

今後中国が加盟すれば、CPTPPはタイにとってもメリットが大きいという皮算用はわかります。しかし、もうすでに中国の加盟が決まったかのように早合点してしまっているようで、どうも今の中国を巡る国際情勢がわかってないようにも見えます。

英国と台湾も加盟申請、韓国も当然加盟できると勘違い

CPTPPのルールは、現在の加盟国11カ国のどれか1カ国でも承認しなければ、新規加盟は認められないという、なかなか厳しいものです。

従って、ブレグジットでEUから脱退した英国は、そのグローバル戦略の一環として、昨年CPTPPへの加盟申請を出していますが、現在も加盟各国と交渉中ということです。

また、つい昨日、台湾も中国に遅れてはならじと加盟申請を出しました。もし、先に中国に加盟されてしまうと、中国は絶対に台湾の新規加盟を認めないので、台湾にしてみれば今しかないわけです。

台湾政府のインタビューでは、CPTPPは日本が盟主であり、日台が親密な友好関係にあることから、日本が議長国である今なら中国の反対を押しのけて加盟できるのではないかと期待しているとのことです。

しかし、ここで台湾の加盟を認めるということは、加盟する11カ国が台湾を国家として認めることにもなり、お馴染みの中国の激しい戦狼外交が展開されると思います。

ところで、この戦狼外交のトップバッターである趙立堅はいつ見ても飽きない強面ですね。いつもこんな顔ばかりしていたら、疲れるだろうにと思う反面、もし、中国版ゴルゴ13の実写映画でも撮るなら、まず彼が主役に決まりだと思います。(笑)

いずれにせよ、CPTPPの盟主国日本として、果たしてこれを撥ね退けるだけの胆力を持ち、かつ加盟各国を説得し台湾加盟の承認を取り付けることができる新総理が誕生するかどうかということでも、今回の総理総裁選は実に興味深くなってきました。

ちなみに、外野席でありながら、自分たちも当然加盟できるとなぜか勘違いしている自称先進国の韓国も、中国が入るのであればと検討しているようです。もっとも、これについては日本が否認するのではないかと思いますが…。

ルールが非常に厳しいCPTPP

まず、中国についてですが、中国と犬猿の仲となってしまったオーストラリアが既に否認の意思を表明しているので、この時点で多分、中国は入れないと思います。また、メキシコも乗り気ではないと伝えられていますが、これはアメリカの意向を反映したもののようです。

一方、シンガポールとマレーシアは中国の加盟に賛成していますが、逆にこの両国は経済的に中国とつながりが深いことから、反対はできないのだろうと見られています。

そして、ここで問題になるのが台湾です。加盟11ヶ国の中では最も経済規模が大きく、しかも議長国でもある日本は台湾の加盟を歓迎しているものの、中国は絶対に台湾の加盟を認めないであろうし、シンガポールとマレーシアが中国に忖度して否認する可能性もあります。

従って、最悪、中国も台湾も加盟できないという結果に終わる可能性もあり、そうなると、タイもまた中国が加盟しないのであれば興味なしというスタンスに戻るかもしれません。

ただし、新聞の解説によると、CPTPPとRCEPがどちらも自由貿易協定ではあるものの、ルールや条件が少しずつ違うため、両方に加盟している国同士であれば、どちらか自分に都合のよい方のルールを適用して貿易を行うことができるというメリットもあるということです。

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