資金ショート寸前の中小企業、車担保ローンに殺到

資金流動性がなくなったSMEにとって最後の手段

今年に入ってタイのSME(中小企業)や個人経営者がコロナによる収入減で資金繰りが厳しくなった結果、車を担保に銀行からお金を借りるのが急増しているという記事がオンライン経済紙のプラチャーチャートに出ています。

日本では、車はただの耐久消費材であり5年もすると残存価値がほぼゼロになってしまいますが、タイでは車の価値、特に日本車の価値はなかなか落ちません。

しかも、現在の経済不況で新車がさっぱり売れなくなり、新車購入時のローン需要が激減する中、銀行としても中古車を担保にローンを貸し出すしかなくなってきているわけです。

ただ、その場合でも保険にしっかり入っておけば、盗難に遭おうが事故で廃車になろうがほとんどリスクはないので、銀行としても中古車でもしっかりビジネスになるようです。

その結果、今、お金に困った中小企業や個人経営者が車を担保に借金をするのが急増していて、タイの各銀行もこの車担保ローンにビジネスシフトしつつあるということです。

ただし、下のグラフからもわかるように、フランスやシンガポールの家計債務の大半が長期の住宅ローンであるのに対し、タイやマレーシアは短期の不安定なローンが大半ということで、経済自体の脆弱性をも示しています。

ちなみに、その業界トップを行くのが三菱UFJの子会社である黄色のグルンシー銀行だそうです。日本のメガバンク3行は、国内ではどこも支店を減らしたり従業員削減等で生き残りに必死です。しかし、その中で唯一海外展開に活路を開こうとしているのが三菱UFJ銀行なのですが、こういう記事を読むと、少なくともタイでは三菱UFJの戦略は成功しているのかもしれません。

とうとうGDPの93%になりそうな家計債務

さて、タイの家計債務は今も増え続けていて、現在、GDP比で90.5%となってしまっていますが、これは世界で17番目に高いということです。

もっとも、これについては下を見ればきりがなく、9位の韓国などは既に103.8%ともっと酷く、こんな状況下にあっても、外貨流出を止めるために最近利上げまでせざるをえなかったことから、韓国の内情はタイよりもっと大変なのかもしれませんが…。

日本に対する劣等感の強い韓国人たちは、最近、経済力で日本を超えたとおかしなことをいっていますが、そのうちかつてのアジア通貨危機のような韓国不動産バブル崩壊に伴うウォン大暴落が始まるかもしれません。

ただし、タイでも今も続くロックダウン等で経済はさらに悪化しつつあり、来年にはとうとう家計債務比率が93%にも達すると予想されています。

こんな状況下、タイの中小企業にとって最後の手段ともいえるのが、รถแลกกู้เงินสด、直訳すると車と交換で現金を借りる、というものですが、タイの中小企業経営者にとってはこれがいよいよ最後の命綱ということなのだろうと思います。

ただ、中古車担保ではそんなに何年間も借りることができないので、政府が外国人旅行者への開国、そして経済活動正常化を急がなければ、近いうちに中小企業の多くが資金ショートし、その結果、倒産や廃業が続けば経済再生も手遅れになってしまいます。問題はプラユット政権がこれをどう乗り越えるかですが…。

コメント

タイトルとURLをコピーしました