日本の株式市場とタイ不動産市場について思うこと(その2)

中国とコロナが最大のリスク要因

ところで、これら日本株とタイの不動産にとってこれからの最大の懸念材料は、中国の経済破綻とコロナ変異株ではないかと私は思っています。

まず、コロナの変異株については、最近また新しい感染力の強いミュー株などが見つかっています。まだ詳しいことはわかっていませんが、もしこれらがデルタ株以上に感染力が強く、しかもワクチンも効かないということであれば、世界経済にまた大きな波乱が起こる可能性があります。

さらに、中国経済は今、どんどん悪くなっています。かつて中国では、銀行、不動産、ITがもっとも給料が高く人気のある職業でしたが、不動産バブルがとうとうはじけた結果、不動産業界では今、多くの失業者や転職者が出ていて、もう中国には不動産ブームは2度とやってこないだろうとあるYoutubeの報道でやっていました。また、金融機関でも同じでデフォルトが多発しています。

かつてリーマンショックによる世界の経済不況を救ったのが、当時経済成長著しかった中国でした。しかし、今回は中国が世界経済にとってのリスク要因になっていると思います。

さらに、もし中共の一党独裁政権が崩壊、もしくは民主主義国家と戦争を起こすようなことが起きれば、株式市場にせよタイの不動産市場にせよ、一時的な暴落リスクもあると思うのです。

従って、今はあまり無理な投資などせず、キャッシュポジションを高めておく方がいいと、私は思っています。

資金繰りが逼迫するデベロッパー達

タイの不動産市場については、以前「タイのコンド市場、中国人投資家依存では復活しない」で書いたように、不動産バブルがはじける中にあって、中国人投資家にはもう期待できないと、私は思っています。

サンシリのコンド、中華圏の投資家人気健在

タイの住宅開発大手サンシリは、新型コロナウイルス感染症の流行下でもコンドミニアム(分譲マンション)の外国人向け販売が順調に伸びていると明らかにした。中国、香港、台湾の投資家の購入意欲が旺盛だという。

最も人気の物件は首都バンコクの「ザ・ライン・スクンビット101」で、引き渡し額は16億バーツ(約54億円)。以下、「オカ・ハウス」が12億バーツ、「XTエカマイ」が11億バーツと続く。「XTフアイクワン」は売約済み17億バーツのうち60%の引き渡しが完了した。

また今月4~5日に引き渡しを開始した東部チョンブリ県パタヤのコンドミニアム「エッジ・セントラル・パタヤ」(全603戸、販売総額32億バーツ)は全体の7割が予約販売済みで、外国人顧客が4割を占めている。

外国人顧客を国・地域別に見ると、中国が全体の50%を占め、香港が30%、台湾および欧米が20%を占める。サンシリが7月に発売した低価格コンド「ザ・ムーブ・ラム22」は、香港と台湾で開催したVIP向け予約会が盛況だったことも、早期完売を後押しした。

サンシリは近く発売する「ザ・ムーブ・バンナー」についても中国、香港、台湾で事前予約会を開催し、完売につなげる。

グルンテープトゥーラギット


それにもかかわらず、タイ不動産業界では、最近このようなサンシリ社長のプレス発表などもあり、中国人投資家の買い需要をことさら強調しています。しかし、これらはどれも3年も4年も前に売り出されたプロジェクトであり、知る人が見たら、今ごろ何いってんだこれ、ということになります。

従って、サンシリの株価維持とディベンチャーによる資金調達を成功させたいがためのポジショントークとしか、私には思えません。

実際、AREAの調査によれば、冒頭の表でもわかるように、今年上半期に外国人が買ったコンドミニアムは全部でたったの660ユニット、金額ベースでのシェアは市場全体の6.1%、平均単価は500万バーツとなっていますが、外国人のシェアが2016年前後には20%~25%であったのに比べると、激減しているのがわかります。

従って、サンシリがいうような、中国人投資家は今もタイのコンドミニアムを買い続けていて、これからも期待できるというようなイメージとは全く違います。

同様にアナンダも先月、ディベンチャーで資金調達をやろうとしていましたが、直前に「アナンダ/三井不動産の大失態か、中央裁判所がアシュトン・アソークの建築許可取消し!」で書いたアシュトンアソークの致命的な問題が出て株価が暴落した結果、期待通りにはいかなかったのだろうと思います。もっとも、アナンダにとってこれは自業自得だと思っていますが…。

IMFも指摘するタイの不動産セクター危機

最近のCBREのレポートによると、バンコクのダウンタウンでは、今年上半期に発売された新規プロジェクトは1つもなかったというほど、外国人投資家が対象のマーケットは死んでいます。

また、IMFは今、経済が苦境に陥っているタイ政府に資金供給の準備をしているのですが、彼らはタイでもっともダメージを受けているのは、観光、サービス、そして不動産セクターだと指摘しています。そういうことからも、不動産デベロッパー各社は相当資金繰りに窮しているように、私には思えるのです。

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