静かなる死神、PM2.5の季節はまだ続く

バンコクの朝は寒くないので冬でも朝6時ごろ、まだ外は暗いうちに私は起き出します。そしてまず最初に、キッチンに行ってその北東向きの窓をちょっと開けてみるのが最近の日課です。

もし強い季節風が窓から吹き込んでくると、「タイには季節風という強い味方がある」で書いたように今朝はPM2.5が飛んでないとすぐわかるし、逆に風が全然入ってこないと、PM2.5の数値も危険レベルに高くなっていることがほとんどです。

これまでの経験上、PM2.5が150を大きく超えてくると、この写真のようなヘイジーな景色になっていることが多いのですが、昨日のバンコクポストに、空気汚染が健康にいかに悪影響を与えるかという記事が載っていました。

ところで、日本もそうですが国際的なPM2.5の安全基準は25以下です。しかし、なぜかタイは50以下と大甘になっているのですが、実際25以下などという数値はこの時期見たことがないので政府が勝手に変更しているのかもしれません。従って、国際基準から見ればPM数値が150以上ともなると、かなり危険なのがわかります。

さて、WHOによれば毎年世界で700万人もの人が空気汚染が原因で亡くなっているということで、これは死者全体の8分の1に相当するそうです。

しかも、東南アジアだけで260万人もの人が空気汚染で亡くなっているとのことで、これは世界全体の37%にもなりますが、見方を変えれば、東南アジアは地球上でもっとも空気が汚い地域だということになります。

また、最新研究では空気汚染が癌や脳卒中、心臓病などの心血管疾患との間に強い関連性があることがわかっていて、特にタイのような重度の空気汚染の中では、呼吸器感染症や閉塞性肺疾患の発症を引き起こすとのことです。

つい先週、ガセサート大学はPM2.5 Silent God of Death(静かなる死神PM2.5)という題で、その原因と対処法についてセミナーを行ったということですが、なるほどと思ったのでこのブログの題にしました。

また、チュラロンゴン大学もPM2.5の研究では知られていて、以前はタイの季節といえば、夏、雨季、冬の3つだったのが、最近はPM2.5のシーズンというのができて、人々はこの季節になるとN95のマスクをしたり、室内で空気清浄機を使うようになったということです。しかし、これでは空気汚染自体の改善にはなりません。

空気汚染3
空気汚染2

“In 2017and 2018, I conducted research on PM2.5 sources in Phuket and Bangkok and found 44% came from exhaust emission and 24% biomass burning. Therefore, we should give priority to the exhaust emission control and wildfires to tackle the air pollution problem. Some research also found that women and children are more sensitive to carbon dioxide than men and elderly”

2017年と2018年にプーケットとバンコクでPM2.5の内容を分析した結果、乗り物の排気ガスが44%、野焼き農業によって発生したガスが24%を占めるということがわかった。従って、空気汚染を改善するには、排気ガスと野焼き農業を減らすことが重要である。また、女性は男性より、そして子供は大人よりも二酸化炭素に対して抵抗力がないこともわかっている


さて、上は学者によるコメントですが、車の排気ガスとトウモロコシやサトウキビを収穫後、残りかすを焼却する野焼き農業でPM2.5の68%を占めるということであり、その対策としては車をEVに変える、お茶やコーヒーに作物を変えるということだそうです。

車をEVに変えるのは直接経済活動にも影響するのですぐには無理でしょうが、農業を変えるのは補助金等で比較的速やかにできると思うので、まずはこれをなくすだけでタイの空気汚染は飛躍的に改善するのかもしれません。

いずれにせよ、我々タイに住む日本人は、空気汚染がひどい東南アジアの中でも特に深刻な国であるタイに住んでいるということになり、この死神に捕まるのが嫌なら、当面は国外脱出しか他に方法はなさそうです。

タイトルとURLをコピーしました