タイバーツ叩き売りの流れが変わった!

アストラゼネカ調達でアップサイドが見えてきたタイ経済

私は先日来からこのブログで、タイ経済はダウンサイドばかりで何のアップサイドも見当たらないことから、今後もさらにドル高バーツ安が続き、ひょっとすると6年前の1ドル=36.5バーツをも超えてくるのではないかと書いてきました。

また、「年内続きそうなドル高タイバーツ安」で紹介した現地経済紙であるプラチャーチャート・トゥーラギットのコラム記事でも、今の状況ではこれからも資本流出が止まらず1ドル=34.5バーツに向かってバーツ安が進むというものでした。

しかし、昨日書いたように、ここにきてプラユット首相とアストラゼネカのCEOの直接交渉で121百万接種ものワクチン調達ができたことで、状況が大きく好転してきました。

その結果、ここ数日の為替推移を見ても、その交渉があった23日の月曜を境に為替の流れが変わったように見えます。つまり、ドル安バーツ高、円安バーツ高となり、それまでのタイバーツ独歩安に歯止めがかかったように見えるのです。

9月に無事契約が成立すればタイバーツ高基調に

これはWHOの統計ですが、タイはまだ人口の5.23%しかワクチン接種を終えてないということで、ベトナムと並びASEANで最低ランクにいます。

昨年はコロナ対応の優等生であったタイですが、結局ワクチン政策に失敗した結果、接種率が伸び悩み、それに伴って感染爆発が起こったことで、今年に入るとタイは世界でもワースト国家と呼ばれるようになってしまいました。

こんなことからも、経済回復の見通しがつかずタイバーツの叩き売りが進行してきたのですが、ここでやっとワクチン調達の道筋が見えたことで、あとは大急ぎでワクチン接種を行っていけば、いよいよタイ経済復興も可能というアップサイドが見えてきたわけです。

現在の計画では、9月中にタイ政府はアストラゼネカ社と正式契約の調印をするそうなので、これが無事終われば、いよいよタイバーツの独歩安に終止符が打たれ、その後はASEAN通貨の中で最低のパフォーマンスであったタイバーツがやっと復権してくると思います。

この流れは続かないかも

これでワクチン接種が進めば、当然ロックダウンは解かれ、各種規制も緩和されてタイの国内経済はやがて元の状態に戻ると思います。従って、今危惧されているような、今年もGDPがマイナス成長になるというような最悪の事態は避けられると思います。

しかし、ワクチン接種率が70%を超えてきてタイ全土の開国ができたとしても、今のように世界中でデルタ株が蔓延しつつある中では、大量の外国人観光客がやってくるはずがないと思います。

特に中国は今、経済がボロボロになりつつあり、金融機関などで多くのデフォルトが発生しているし、不動産融資の総量規制も始まっていて、中国最大手デベロッパーの一つ、恒大集団などは既に実質破綻しているとも噂されています。

こんな中で、キンペー君が外貨流出や海外での感染リスクを伴うタイへの海外旅行や不動産投資を容認するはずもなく、タイ経済にとって中国人観光客や投資家はまず期待できません。

そう考えると、タイバーツの独歩安にはここで一旦ブレーキがかかるかもしれませんが、だからといってアメリカ経済のようにタイ経済も力強い回復基調に戻るというのも難しいと思います。

従って、私は「タイバーツ資産を持つことは大きなリスク!」で書いたように、向こう3年ぐらいの中期で見ると、やはりタイバーツ資産を持つことは危ないと考えています。むしろ、米ドルはもう十分なので、今回のバーツ高の機会にリスク分散の意味で手持ちのタイバーツを金やベトナム株のETFなどに換えるいいチャンスだと考えています。

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