世界ではワクチンのカクテル打ちが進む

シノバックとアストラゼネカをカクテルすれば効果3倍増?

カクテルといっても、これはお酒の話をしているのではありません。最近、タイでもシノバックとAZ(アストラゼネカ)のミックスインジェクションの研究結果が出てきて、大して使い物にならないはずであった中国ワクチンが、AZと組み合わせるとAZを2回接種したのと同じかそれ以上の免疫抗体を生み出すことがわかったという記事が、現地の各紙に載っていました。

上の表はタイ保健省の発表ですが、1回目にシノバック、2回目にAZを打てば、AZを2回打ったのと同じかそれ以上の抗体ができます。

また、タイでもゆくゆくはアメリカのように3回目のブースターショットを打つことになるだろうと思いますが、この場合は、シノバックを2回、そしてAZでブーストすれば、一挙に免疫抗体が増えるということです。

ただ、シノバックの抗体は40日ごとに半減するという、時間の経過とともに急速に減っていくという問題が指摘されているのですが、AZと組み合わせれば有効性を保つ期間も延びるのかについては書いていません。

世界で進むカクテルショット

Americans are ‘mixing and matching’ Covid vaccines over concerns about the delta variant
デルタ変異株への不安からワクチンをミックス接種し始めたアメリカ人たち

1. Some Americans say they are finding ways to get additional doses of the Covid vaccines, with some even going as far as receiving the extra shots from different companies.
アメリカではワクチンの追加接種を打とうとする人が増えているが、中には別な会社のものを打とうとする人も出てきている

2. German Chancellor Angela Merkel received Moderna’s shot in June after getting AstraZeneca’s in April. ドイツのメルケル首相は4月に1回目をAZで接種した後、6月に2回目をモデルナで接種した。

3. Italy is also allowing those under the age of 60 who received a first dose of AstraZeneca’s vaccine to get a different shot when they get their second dose.
イタリアでは60歳以下で1回目にAZを接種した人には、2回目は別なワクチンを打つことを認めている。

CNBC

もともとドイツで、AZは50歳以下では血栓ができるリスクがあることがわかった時点で、既にAZで1回目の接種を終わっていた若い人に対して、2回目はmRNAを打つように推薦してきたのですが、その後調べてみると、カクテル打ちした人の方が実は免疫効果が高いことがわかってきたということのようです。

こんな感じで、世界では今、種類の違うワクチンをミックスして打つのが一般的に行われています。特に、アメリカのように3回目のブースター接種を始めようかというところでは、AZを打つケースも増えてくるかもしれません。

ただし、WHOはまだ十分なデータがないからと反対していますが、そもそもブースター接種などするくらいなら発展途上国に回せというスタンスであり、どうも観点が違うようなので彼らの意見はあまり参考になりませんが。

AZとmRNAは相性がいい?

バイラルベクターのワクチンであるAZとmRNAのファイザーやモデルナをそれぞれ単独で2回接種したのと、カクテルさせた場合の免疫抗体の結果を比べたものが権威ある科学誌のNatureに載っていますが、ベクターとmRNAの相性は非常によく、特にSpikeCD8についてはmRNAを2回打ちしたのよりもむしろ高い結果が出ています。

欧米ではシノバックは認可されてないこともあり、比較研究がされていませんが、AZとシノバックに関するカクテル打ちについてタイで行われた研究結果と比べると、素人考えではありますが、効果の劣るシノバックを後で打ったAZがその有効性を引っ張り上げているように見えるのに対し、AZとファイザーでは双方の効果を高め合っているようにも見えます。

なお、冒頭の表でもわかる通り、シノバックとAZをカクテル接種する場合は、必ずシノバックが先でないと効果はないようです。AZを先に打ってしまうとシノバックでは有効性を上げる力はないということです。また、同じ中国ワクチンのシノファームで3回目のブースターショットしても、大して効果がないこともわかっています。

従って、1回目にAZを打った人でワクチンカクテルの相乗効果を得たければ、2回目、もしくは3回目のブースター時には中国ワクチンでなく、ファイザーかモデルナを打たなければなりません。

ただし、AZとmRNAのカクテルの場合は、どちらが先でも効果は同じだそうです。従って、日本でも1回目にファイザーを打ったのに、2回目がなかなか順番が回ってこない人は、さっさとAZを打って十分な免疫抗体をつけるというのはありかもしれません。

なお、同じベクター型ワクチンでもジョンソンアンドジョンソンのはカクテル打ちしてもあまり効果がないようです。


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