年金生活者にとってタイはもう楽園ではありません(その2)

ところで、この状況は別に日本人リタイアリーに限ったことではありません。タイバーツの独歩高ということは米ドルだけでなくユーロなどの他通貨に対しても高くなっているので、欧米人年金生活者にとってもタイは次第に住みにくくなっています。

リタイア後のリゾート2

だいぶん前になりますが「リゾート」と題して4回にわたり、ファラン達が好んでリタイア後に住みたがる東南アジアの国と場所を紹介しました。それによると、タイ、マレーシア、フィリピンがベスト3なのですが、一方で「タイでハッピーリタイアメントはもう夢か?(その2)」で人気リゾート地の1つであるパタヤに住む欧米人年金生活者の多くが、もっと物価の安いベトナムやカンボジアに移っていきつつあるということも紹介しました。

結局、日本人に限らず欧米人のリタイアリーもそうなのですが、年金収入に頼っている人にとってはバンコクであろうと海浜リゾートであろうと、タイはもう住みにくいということなのです。

ちなみに、「実はタイの隔離検疫とコロナ健康保険はたったの10万円?」で紹介したイギリス人のジャック氏とつい数日前にまたランチをしたのですが、たまたま不動産投資の話になり、彼は数十年前にロンドンで不動産投資を始め、今は店舗ユニット、シェアハウス、フラット(自宅)の3つの不動産を持っていて、どれも時価で100万ポンド以上(合計400万ポンドとして6億円)に値上りし、今は店舗とシェアハウスから毎月入る家賃収入だけで5,000ポンド(75万円)以上あるそうです。

そこで彼に、今はCash is Kingの時期だからどれか1つ売って現金にしたらといったところ、「現金にして何を買うんだ?別に何も買いたいものがない」と逆に問い返されてしまいました。確かに、彼ももう70代だし、独身の彼にとっては毎月75万円もの家賃収入があれば、買いたいものが特にない以上、まとまった現金も不要です。

結局、毎年冬になると避寒地としてタイにやってきてはのんびりとバンコクで過ごす、彼のような資産家のリタイアリーにとっては、為替がどうの、物価がどうのというのも大して重要な話ではありません。

従って、ここまで資産がなくてもいいとは思いますが、これからは月額40~50万円ぐらいの定期収入か、もしくは十分な資産がある人でないと、タイ、特にバンコクで優雅に過ごすというのは難しいと思うのです。

ところで余談ですが、成金は別として、面白いことにお金持ちはあまり無駄遣いをしません。だから一見すると、バンコクでも普通の年金生活者と生活態度が変わらず、よく見ていないとこの違いはなかなか見えてきません。

これは、ロングステイクラブでの飲み会も同じです。みんな割り勘で一緒に飲んでいるものの、年金生活者だけでなく、実は会社の経営者であったり、資産家だったりする人もいます。

ただ、この人たちも成金でなく自力で稼いできたので、実際には広いコンドに住んで高級車を運転し、毎日ゴルフ三昧の優雅な生活をしているのかもしれませんが、それを自分から見せびらかしたり誇示したりする能天気な人もあまりいません。前述のジャック氏と同じです。

次回に続く

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