続報③:アシュトン・アソーク建築許可取り消し問題(その2)

訴えたのは土地を強制収容された元地主たち

そもそも、地下鉄MRTが走り出す前にはこの土地は3筆に分かれていて、個人がオーナーでした。この土地には最初、幅員6.4メートルの出入口がアソーク通りにあったことから、高さ23メートル、床面積9,999㎡までの建物、いわゆるローライズと呼ばれる8階建てのコンドミニアムが建築可能でした。

しかし、その後、土地収容という形でこのように大通りに出る通路部分がMRTに取られてしまった結果、この土地にはスクムビット19に出る幅員3メートルの通路しかなくなり、わずか2,000㎡の建物しか建てられない二束三文の価値しかない空き地になってしまったのです。

土地収用とは、公共の利益となる事業の用に供するため土地を必要とする場合において、その土地を収用(所有権などを強制的に取得すること)、または使用することをいう。

MRTが幅員13メートルの通路使用権を与える

その後、この土地を安く購入したデベロッパーであるアナンダ・三井不動産に対し、MRTがアシュトンアソークのために幅員13メートルの通路部分(上の図の水色の部分)の使用権を与えたことがわかり、2016年、元地主以下周辺住民16人が、MRTや建築許可を出したバンコク都を違法行為であると集団訴訟を起こしたのです。

ただ、ここでちょっと私にもわからない点があります。これは私のタイ語の語学力不足のせいかもしれませんが、เจ้าของที่ดินเดิมจึงฟ้องร้องทางรฟม. ขอทางจำเป็น ทางรฟม. ให้ทางจำเป็น กว้าง 6.4 เมตร ผ่านที่ดินที่ รฟม. เวนคืนไป ออกสู่ถนนอโศกと書いてあり、原告側は(アシュトンアソークから直接アソーク通りに延びる13メートルの通路部分ではなく)強制収容した幅員6.4メートルの土地を通路として使用する許可を出すべきであったと訴えた、と読めるのですが、そうであれば、私にはその理由がよくわかりません。

原告側は、国有地であるMRT自身の土地に対し通路としての使用権を与えるのは違法で、収容した部分に対してのみ使用権を出すべきと主張しているのかもしれませんが…。

いずれにせよ、この場合、幅員6.4メートルの通路しかなくなるので、先に述べたようにこの土地には高さ23メートル以下で床面積も9,999㎡までのローライズコンドしか建たなくなり、51階建て、床面積50,000㎡以上ものアシュトンアソークは違法建築物ということになります。

中央行政裁判所が下した判決理由

ここで、さらに中央裁判所は以下のようなまた違った観点からアシュトンアソークは違法建築という結論に至り、結局この収容した幅員6.4メートルの通路の使用権も認めらませんでした。

ศาลปกครองกลางวินิจฉัยว่า การอนุญาตให้โครงการ แอชตัน อโศก ใช้ประโยชน์ที่ดินการรถไฟฟ้าขนส่งมวลชนแห่งประเทศไทย (รฟม.) ไม่ใช่การใช้ที่ดินตามวัตถุประสงค์การเวนคืนและไม่ใช่การใช้เพื่อกิจการรถไฟฟ้า การออกใบอนุญาตให้ใช้ประโยชน์ที่ดินของ รฟม. จึงไม่ชอบด้วยกฎหมาย และไม่อาจถือได้ว่าที่ดินของ รฟม. เป็นส่วนหนึ่งของพื้นที่ดินที่ใช้เป็นที่ตั้งโครงการ แอชตัน อโศก

中央裁判所は次の判決を下した。地下鉄MRTがその所有する土地の使用をアシュトンアソークに対して認可したが、これは強制収用されたこの土地の当初目的にそっておらず、また、大量輸送機関としてのMRTの事業そのものにも何ら関係のない目的のために使用許可が出されている。従って、これは違法行為であり、MRTの土地の1部をアシュトンアソークの敷地として扱うことは認められない。

中央裁判所

平たくいえば、公共の利益になる地下鉄事業のためということでMRTは地主から強制的に土地を収用しておきながら、アシュトンアソークでデベロッパーが超高層コンドミニアムを建てるために便宜を図ったということで、元の地主や地元住民が怒って訴えたというわけです。

なお、中央裁判所がこの幅員13メートルのアソーク通りへの通路使用権を否認したことにより、アシュトンアソークにはスクムビット19側に抜ける幅員3メートルの通路しかないことになり、当初の建築許可は取り消しとなります。その結果、51階建てでなくせいぜい3階建ての床面積も2,000㎡までの建物しか建てられないことになったわけです。

この判決は理屈が通っているのでは?

詳しいことはわかりませんが、私が想像するに、地主たちはアナンダに幅員3メートルの出入口しかなくなった残りの土地を安く買い叩かれたのだろうと思います。その後、アナンダとMRTでこんな合意がなされ、突然51階建ての建物を建てることになったことを知り、納得がいかず訴えたのかもしれません。

また、プロである関連する役所やMRTの担当者もこれが違法行為になると本当に知らなかったのかという疑問もあります。従って、一時、証券市場で噂になっていた、デベロッパーとの間で癒着があったのではないかという疑惑も残ります。

ところで、MRTが個人地主から強制的に土地を収用しておきながら、本来の土地収用の目的と関係ないことのために使用権を与えることは違法である、という中央裁判所の判決は、素人目にもごもっともという気がします。

私は弁護士ではないので何ともいえませんが、これからデベロッパーが最高裁に対し、中央裁判所の出した判決を無効と訴えても、3年から5年後に出てくる最終判決でこの判決が覆る可能性は、案外低いような気がします。

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