コロナ禍、タイ全土が涙したある姉妹の物語とその後…

医療崩壊で自宅療養する母親の死

7月26日の朝、わずか9歳と11歳、日本でいえば小学3年生と5年生の幼い姉妹が起きてみると、コロナに感染し苦しんでいた自分たちの母親が動かなくなっているのに気が付きました。

すぐに近所の人に助けを求めたものの、母親は既に亡くなっているといわれました。やがて救急車が呼ばれ、彼女たちはなすすべもなく、母親が黒い死体袋に詰められ、運ばれていくのを泣きながら見送るしかありませんでした。

偶然そのシーンを捕らえた動画が以下のサイトに残っているので、まず見てください。
https://x-bomberth.com/20210727kojiin/

これを見たタイ人達だけでなく、我々外国人の多くもこの悲しい物語に涙したのですが、今回はその後のことを含め、この話について書いてみます。

X-Bomber(クロスボンバー)の記事から

この出来事については、私の飲み友達でもあるT氏が編集者をしているX-Bomber(クロスボンバー)に詳しく書いてあるので、まずその記事の概略を引用させてもらいます。

「私が死んだら孤児院に住みなさい」そう言い残して天国へ旅立った母。残された9歳と11歳の少女にタイ全土が涙(注:元の記事では7歳と9歳となっていますが、その後のニュースでは9歳と11歳ということであり、修正しています)

7月26日の朝、サムットプラカーンに住む二人の少女姉妹は目が覚めると、母親が隣で死んでいるのを発見しました。彼女たちの母親は数日間重体で、警察は彼女が新型コロナウイルスで死亡したとみています。
午前10時30分頃、警察と医者が救助隊を伴い、現場に向かいました。しかし、44歳のアパポーンさんは部屋の床に横たわっていて、既に死後約5時間が経過していました。その後、遺体は検死のためにラーマサムットプラカーン病院に運ばれました。(上の動画はその時のものです)
部屋には9歳と11歳の2人の姉妹が残されました。彼女たちは、マッサージ師だった母親のアパポーンさんと一緒に住んでいましたが、母親が血を吐き始め、呼吸にも問題が生じ始めたということで、前日には近所の人たちの助けを借りて医者に連れて行ったそうです。
そして、医者から薬をもらい、彼女は自分の部屋に戻って眠りにつきました。少女たちは一晩中母親と一緒に寝ていたといいます。そして翌朝、姉妹が目を覚ますと、母親がマットレスのそばの床に伏せて横たわっていました。母親は動いておらず、彼女たちが近所の人に助けを求めたところ、母親はもう亡くなっているといわれたそうです。
母親は死ぬ3日ほど前から重篤な症状になっていて、亡くなる前に「私が死んだら孤児院に行きなさい」と娘たちに話したそうです。これが幼い娘たちへしてあげられる、母親からの最後のアドバイスでした。

X-Bomber

これにはさらに悪い話が続きます。彼女たちも母親と同じ部屋で暮らしていたことから、その後の検査結果、コロナに感染していることがわかり、バンプリーの病院に入院したのです。

ちなみに、ちょうどこの翌日、私は彼女たちが住んでいたバンプリーの近くをドライブしていました。「個人的にお勧めの半日ドライブコース」と題して書いたのどかな景色の中を走っていたのですが、実際にはこの辺りは貧乏な人たちが多く住む、決して生活が楽ではない地域です。

この写真のような日も射さない長屋に家族で住み、病気になっても入院などできず、せいぜい薬を買い求めるぐらいしかできない人も多いのです。

姉妹は完治し退院、そして新しい家族へ

しかし、今日の記事によると、無事この姉妹はコロナから完治し、昨日退院したそうです。そして、その足でサムットプラカーンの児童避難施設に移りました。これはその時の写真ですが、2人とも元気そうで本当によかったです。

ところで、現在、3つの家族から養子縁組したいとの申し出があるということで、彼女たちは孤児院に行くことには多分ならないだろうと思います。あとはこの姉妹が別々になることがなければいいと思うのですが。

まだ幼い2人の娘たちを残して逝くしかなかった母親はさぞ無念だったと思いますが、これから新しい家族の下で元気に暮していけることになれば、少しは安堵できるかもしれません。

そして、最後にこの記事を載せたオンラインニュースのココナッツ・バンコクの記者は以下のように締めくくっています。しかし、今の医療崩壊の状況を見ると、こんな事件はまだまだ出てくるのかもしれません。

Their story provoked a mix of empathy, sadness and rage. Some raised questions on social media about the government’s mishandling of the pandemic, which has led to growing numbers of people dying at home or lying in the streets due to overtaxed medical facilities.

この姉妹の話は人々に共感と悲しみ、そして怒りの入り混じった感情を引き起こした。その結果、SNSの中で現政府のパンデミック対応の失敗が、多くの自宅療養で亡くなる感染者や路上で死亡する人をうみだしているのではないかと声を上げる人も出てきている。

Coconuts Bangkok

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