日本人リタイアリーはバーツ叩き売りとペイオフ減額に備えろ

タイバーツは1ドル=33バーツの天井を突破

昨年末あたりからこのブログでも、タイバーツはこれまでのチャートで見ても1ドル=30バーツあたりで毎回反転してきたこともあり、そろそろバーツ高は終わりで米ドルにシフトすべきではないかと書いてきました。

実際、私自身も昨年10月末あたりからほぼ2週間ごとに少しずつ米ドルに交換してはカンボジアのカナディア銀行に送金していたのですが、結局、この底値は今年の2月まで続き、その後やはり1ドル=30バーツを境にドル反転へと流れが変わりました。

ただ、私はその後もドルを買い続け、結局レートが31.5になった時点でやめたのですが、中にはドルでなく日本円に戻していった人もいたかもしれませんが、それでも同様に円高バーツ安の流れに乗れたと思います。

タイバーツの独歩安はまだ止まらない

さて、今度は過去10年の月次の動きを表したのがこのグラフですが、これまで1ドル=33バーツという天井でタイバーツの反転が始まったことが多いのがわかります。

そういう意味では、今週になってとうとうこの1番目の天井である33バーツを打ったことから、果たしてまたバーツ高に向かうのか、それとも天井を貫いて次の天井である36バーツを目指して叩き売りが続くのかと考えるタイミングにきています。

ここでまたバーツ高に戻るとすればこれまで買ってきたドルを売ってタイバーツを買い戻せばいいのですが、先日「タイバーツとタイ不動産はまだまだ売られる」で書いたように、今のパンデミックの状況や反政府運動、今朝の新聞にも載っているように今年上半期の失業率は過去5年で最悪、タイ中央銀行は今年のGDP成長予測をさらに引き下げなど、悪い話ばかりでタイバーツが反転するとは思えません。

一方、アメリカの景気には光が見えてきていることから、今回のドル高バーツ安の流れはこんなものでは止まらないと、私は思っています。

来週からペイオフがわずか100万バーツに

ところで、リタイアメントビザでタイに滞在している人のほとんどが、その要件である80万バーツの預金をタイの銀行でセービングかタイムデポジットの口座に入れていると思います。そして、タイで2つも3つも口座を開いている人は案外少ないので、その他の生活費や予備資金なども同じ銀行に預けている人が多いのではないかと思います。

その場合、軽く100万バーツを超えている人も多いと思いますが、来週からペイオフが今までの500万バーツから一挙に100万バーツに減額されることになりました。このグルンテープトゥーラギットの記事によれば、タイ人預金者の98%、約8,200万人(タイにはこんなに人口はいないはずですが…)が100万バーツ以下の預金残高なので問題ないようなことを書いていますが、我々外国人は円高の頃にまとめて数年分持ってきている人も多いのでそういうわけにはいきません。

私の場合はカシコン銀行にビザ用の80万バーツを入れたままにして、それ以外の不動産投資資金や米ドル資金、そして生活費など出し入れが必要なものについては、全額CITIバンクのアソーク支店に入れているので、まさかCITIバンクが破綻することはないだろうと思っていたのですが…。

それが、CITIバンクはどうやらタイから撤退するらしく、今後どこか他の銀行でも新たに口座開設をする必要が出てきています。

一方で、「不動産、建設、ホテル・レストラン業界はさらに地獄が続く」や「とうとうコンドミニアム市場は過去20年で最悪に!」でも書いたように、今、タイの各銀行はNPL(不良債権)の発生を恐れて与信基準を相当厳しくしていますが、裏を返せばデフォルトを起こしかけている貸付先、特にホテルや不動産デベロッパーのようなところを抱えている銀行も少なくないのではないかという危惧もあります。

かつての日本のように銀行破綻などということは多分ないとは思います。ただ、私の知人にも何人かいますが、リタイアリーで生活費や投資資金として300万から500万バーツくらいの資金をタイに持ち込んでいる人も多いと思うので、ロックダウンで銀行の支店の多くが閉まっている中面倒ですが、できれば比較的安全と思われるバンコク銀行やSCB、グルンシーあたりに新しく口座を開設して、100万バーツずつ資金を分散させた方がいいかもしれません。

コメント

  1. ハシナリー より:

    とても興味深い記事です。ペイオフ100万バーツは少なすぎますね。
    タイに預金全額保護の決済用普通預金口座はないようです。
    私は日本の法人口座を念の為、決済用普通預金口座に変更しました。
    Citigoldは非常に興味がありますので、経過がわかればご教示お願いします。
    クレジットカードの撤退だけだといいのですが…
    私も藤澤さんと同じように36バーツに向かうと考えています。
    タイの仮想通貨口座でUSドルと連動するUSDCで保持したりもしますが、
    分散につぐ分散で乗り切りたいと思います。

    • バンコクに来ているリタイアリーには、高価な乗用車を買い、ゴルフ三昧でかつタイでも多額の現預金を持っている人も結構います。不動産投資のコンサルをやっている関係上、コンドミニアムを買うような人はお金持ちの人が多く、そういう人にとってはペイオフ100万バーツは少ないです。
      私が開いたのは随分昔のことなのでよく覚えていませんが、CITIゴールドは確か10万ドル以上の現預金を入れたら開けたと思います。いずれにせよ、タイはあまり儲からないようで、撤退ということらしいですが、具体的な日程はまだ決まってないそうです。

  2. 2はいわゆる当座預金のことですか。タイに当座預金がるのかどうか残念ながら私もそれは知りません。
    また、3についても日本なら保証されているのは知っていますが、タイではまだ証券会社に口座を持っておらず、米ドル建ての投資信託はすべてタイのCITIバンク経由で投資しているのであまりそれも考えたことはありません。

    • 西尾 より:

      当座預金ではありません(当然ですが、当座預金は全額保護されます)。
      決済性普通預金は「無利息型普通預金」といい、どの銀行でも利用者が増加中です。
      通常の(有利息型)普通預金との違いは、付利の問題だけで、他の機能は何ら変わりません。
      現在ご理由の普通預金口座を簡単に「無利息型普通預金」に変更が可能です。
      https://www.mizuhobank.co.jp/retail/products/deposit/futsu_murisoku/index.html

  3. 西尾 より:

    1997年7月のタイバーツ暴落時の大不況時にも、タイの大手銀行はビクともしなかった(倒産したのは小さな銀行だけ)ので、あまり心配はしていませんが・・・
    日本ではペイオフ(補償上限は1000万円)をクリアする対策として、次の3つがあります。
    ❶複数の銀行に1000万円ずつ預ける・・・この方法のネックは、1億円を預ける場合、10行に預けることになり、非常に面倒になる。
    ❷銀行の普通預金を「決済性」普通預金に変更する・・・この方法のネックは、利息が付かないことだが、日本のゼロ金利は今後も長く続きそうなので、ネックにはならない?
    ❸証券会社の「預け金」(証券会社の普通預金みたいなもの、昔はMRF口座と言っていた)に預ける・・・何億円でも無制限に補償される。
    藤澤様にお聞きしたいのは、タイの銀行には❷の決済用普通預金はあるのか?
    ❸の証券会社の補償はあるのか?
    お手数をおかけします。

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