日本人駐在員帰国ラッシュの中、モデルナどころかアストラゼネカも入手が困難に!

状況が悪くなるばかりのタイ

ロックダウンにもかかわらず、昨日、とうとう1日の新規感染者数が1万人を超えてしまいました。感染者が5,000人を超えてきたあたりから、日本行きの航空便が随分混んでいるとは聞いていたのですが、その頃から日本企業駐在員の帰国ラッシュが始まったわけです。

不動産業界の例でいえば、大手のS建設は日本人全員、約40人が日本に避難したということです。今帰国すれば、全員3日間の隔離検疫ですが、それでもタイで感染した場合、医療崩壊が起こっているので命の危険もあることから、この会社の判断はごもっともなことだと思います。

上のグラフは、今回のデルタ株は特に東南アジアが危ないというブルームバーグの以下の記事に載っていたもので、随分刺激的ですが、これが実態なのだろうと思います。

Delta Engulfs Southeast Asia With Fastest-Growing Deaths
Southeast Asia is emerging as a battlefield for one of the world’s worst Covid-19 outbreaks, due to the fast-spreading delta variant and the slow rollout of vaccines.

死者急増で東南アジア全体を飲み込むデルタ株
感染力の強いデルタ株とワクチン接種の遅れにより、東南アジアは今、感染爆発による世界で最悪の戦場と化しつつある。

ブルームバーグ

モデルナ購入はたったの500万接種分

Not all people who have booked, and paid for, the Moderna Covid-19 vaccine from private hospitals will get all their shots since an allotment system will apply, according to the chairman of the Private Hospitals Association.

モデルナワクチンは民間病院の間で分配されるため、お金を払って予約したからといって、全員がモデルナを接種するのは無理。

バンコクポスト

そんな状況下、また悪いニュースが飛び込んできました。昨日のニュースによれば、政府がモデルナ社に今回発注したのは実は500万接種分だけということがわかり、しかも、そのうちタイ赤十字病院やシリラート病院等に110万接種分が優先配分されることになっているそうです。

従って、実際にバムルンラートやサミティベート等の一般民間病院に回ってくるのは、わずか390万接種分ということになります。

一方、既に277の民間病院から920万接種分の配給依頼がきているということで、これでは需給が全然マッチしないことになります。

ちなみに、サミティベートは20日の火曜日、午後1時から日本人向けにオンライン申し込みの受付を始めるというSMSが私のところにもきていますが、この受付は先にお金を払った人から予約成立ということです。

しかし、問題は予約成立したからといって、モデルナの配給量によっては接種できない人も出る場合があるということです。現時点で供給量の倍以上の需要があることから厳しそうなのはわかりますが、しかも、次回のモデルナ追加購入は、来年第2四半期になるということで、今回接種できなければタイでは年内にmRNAを打てる可能性はほとんどないのかもしれません。しかし、こうなると2回目の接種ができないので、タイ政府一押しのシノバックで済ませるのですかね?

がっかりですが、この記事には以下のような興味深いことも書いてあります。

To distribute the remaining supply evenly, all 277 hospitals would first get 10,000 shots each. At this stage, Dr Chalerm said 194 hospitals would get 100% of their bookings since they needed less than 10,000 each.

残りの390万接種分の配分については、まず申込のあった277病院にそれぞれ1万接種分を均等に割り当てる。従って、277病院の内、194の病院は予約希望が1万接種以下なので、これらの病院では100%希望者に接種できる。

The remaining 2.4 million doses will then be allotted proportionally to the hospitals according to their demand, which at this stage totalled 7.7 million doses. It is then up to each hospital to decide who would get them and how many, he said.

今の計算では240万接種分が残るが、これらは残った各病院からの予約数である770万接種分に応じて比例配分することになる。その後については、どの希望者に優先接種するかは各病院が決めることになる。

バンコクポスト

すなわち、サミティベートなどは「一瞬にしてパンクしたサミティベートのモデルナ予約」で書いたように、大病院なので既に大量の予約が入っているはずです。従って、日本人も運よく今週火曜の予約が取れたとしても、実際に接種できるかどうかについてはまだまだわかりません。

一方、先日私が「いよいよmRNA争奪戦が始まった!」で紹介したほろ酔いさんのピヤウェート病院などは、ここで働くほろ酔いさんが静かに予約を集めているので、案外1万接種に達してないかもしれず、そういう意味では穴場かもしれません。しかも予めラインで予約した順で予約確定ということなので、サミティベートのように大量のアクセスでシステムがパンクということもありません。

7月9日にこのブログでピヤウェート病院を紹介した時に早速申し込んだ人もいたようで、無事予約が取れたとの連絡をもらいましたが、今思えばラッキーだったのかもしれません。

タイ政府の説明と違っていたアストラゼネカとの契約内容

タイ政府はこれまで、年内にアストラゼネカを6,100万接種分購入、つまり毎月1,000万接種分を受取ることになっているが、生産の遅れで500万接種分しか納品されないと、さもアストラゼネカに非があるかのように説明してきました。

しかし、内部情報のリークにより、実はアストラゼネカはもともとそんな約束はしてなかったということがわかったというのです。

The letter explains to the ministry that the most Thailand would get from the European drugmaker’s local contract manufacturer would 5-6 million doses a month, which is consistent with their earlier discussions.

リークされたアストラゼネカ側からアヌティン保健大臣あてに22日前に出された手紙によれば、アストラゼネカのライセンス生産工場であるサイアムバイオサイエンスからタイに供給できるワクチンの量は、最大でも月間500~600万接種分であると当初から説明しているし、これはもともとの協議内容通りでもあるとのこと。

バンコクポスト

こうなると、毎月1,000万接種分のアストラゼネカを国民に打つという政府の説明が事実と違うことになり、その結果、年内に1億接種を打ってタイ国民のワクチン接種率70%を達成するという、政府のプランそのものがもともと無理ではないかという疑惑が上がっているわけです。

こうなってくると、プラユット首相やアヌティン保健相がこれまでずっとこのことを隠していたことになり、今の政府は一体何なんだという気もしますが、ポストトウデイによると、いよいよ汚職防止委員会が調査に乗り出すようです。そして、その契約内容が明らかになれば、果たして汚職があったのか、舞台裏が見えてくるかもしれません。

いずれにせよ、EUやインドがやったように、タイ政府がアストラゼネカの輸出禁止命令を出さない限り、この分ではアストラゼネカも今後は毎月500万接種分しか入ってこないことになり、あとはシノバックとシノファームが続々と入ってくることになると思います。

ちなみに、アストラゼネカを希望していたチュラボーン病院からも昨日SNSが入り、シノファームが打てることになったので19日の月曜、朝9時に病院までくるようにとの連絡があったのですが、さすがにシノファームは嫌なので断りましたが、今後は中国製ワクチンばかりになるような気がします。

そういう意味では、1か月ほど一時帰国するつもりで、最近日本大使館から連絡のあった、日本の空港でファイザーを打つという案を真剣に考えた方がいいかもしれません。ちなみに、これも19日の午前10時から受付が始まります。

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