これからタイバーツは独歩高から独歩安へ真っ逆さま?

タイと米国、中央銀行金融政策委員会の経済回復に対する温度差

昨日のタイ中央銀行のMPC(金融政策委員会)での協議結果、今後の経済予想にはまだまだ悲観的で、現行の政策金利を0.5%と据え置くことを全会一致で決めました。これに対してタイのグルンシー銀行は、以下のコメントを出しています。

กรุงศรี เผย กนง. มีมติเอกฉันท์คงอัตราดอกเบี้ย 0.50% รอบที่ 9 ส่อไม่ปรับยาวถึงสิ้นปี’65

今回のMPC会議で、タイ中央銀行は政策金利を0.5%で据え置くことを満場一致で決議した。これに対し、グルンシー銀行は、つまりこれは2022年末までもう政策金利の引き上げはないということであるとの見方を示した。

プラチャーチャート・トゥーラギット

一方、先週のアメリカFOMCの会議では政策金利は現状維持とするものの、向こう2年以内に利上げが行われるという見方が過半数となり、これが先週金曜日の大幅な株価の下げの原因にもなりました。

また、これに伴い、これまでじわじわと進んできていたドル高バーツ安に一挙に弾みがついたのが上のドル・バーツ週足でもわかりますが、これがマーケットのコンセンサスなのだろうと思います。

タイバーツは1ドル=34バーツを目指す?

以前、このブログでも「いよいよタイバーツ独歩安が始まった?」や、2回にわたって書いた「やがてタイバーツのスイングバックが始まる?」など、私は現在のタイバーツは強すぎるのでそろそろドルに換えておいた方がいいというコメントをしてきました。

また、私自身も個人的にこれを実行に移して、2019年末までにすべて売却した投資用コンドミニアムの売却代金である約2,100万バーツを、順次米ドルに換えてきました。その結果、既にその6割ほどが金利5.25%のカンボジアでの米ドル定期預金や、為替ヘッジのない米ドルでのSP500への投資信託になっています。

そして、今回のタイ中央銀行の景気に対する見方は彼らのプレスリリース(https://www.bot.or.th/English/PressandSpeeches/Press/2021/Pages/n4264.aspx)を読む限り、結構悲観的であり、今年のGDPの成長率は1.8%、来年が3.9%と、前回の予想値である3.0%、4.7%から大幅に引き下げられました。

従って、今後数年間は、さらにドル高・バーツ安のトレンドは続くと判断して、今後はもう少しスピードを上げてタイバーツ資産から他の通貨資産に移し換えた方がいいと考えています。

コンドミニアム投資はまだ先が読めない

ところで、プーケットでのサンドボックス計画が来月から始まりますが、これまでにも書いてきたように、私はこれには悲観的で、タイ政府が期待するほどには外国人観光客が増えるとは思ってないので、観光産業はなかなか回復せず、バーツの下落はこれからもじわじわと続くと思っています。

これまでタイバーツの独歩高を牽引してきた観光収入が世界4位というタイ経済構造の強みが、コロナで一挙に不振に喘ぐ観光産業に転落したことから、今は逆にタイ経済の最大の弱点となってしまった結果、最近はASEAN諸国の通貨の中でもバーツが一人負けしています。

それに、欧米やイスラエルの例を見て、ワクチンによる経済回復に期待ができると考えて、「バンコクの不動産投資、年末あたりから物色のチャンスか?」を書いたのですが、最近の中国ワクチンを接種した国ではむしろ感染者が増加していることがわかり、考えを変えました。

実はこの状況はタイも同じで、今日もまた中国からシノバックワクチン、200万接種分がタイに届くということです。アストラゼネカの生産遅延により、これまでで合計1,050万接種分の中国ワクチンがプーケットなどの国内全域で打たれてきているわけですが、あまり効果が見込めないため、これでは感染者が急増して再びプーケットはロックダウンということにもなりかねません。

いずれにせよ、バンコクの不動産市場はまだまだ「休むも相場なり」で今年いっぱいは様子見としておいた方がいいと思います。

タイのREITが面白い

ただし、タイの不動産で今ボロボロなのは、コンドミニアムやサービスアパートの住宅用不動産、ホテル、オフィスといったコロナで直接的にダメージを受けた業種であり、一方で産業用不動産は大して影響を受けてないにもかかわらず、つれ安になっていることから利回り的に非常に魅力を感じます。

実際、このグラフでもわかるように、日本やアメリカのREITはコロナ前の水準に戻っているのに、タイは以前、3割も下がったままです。

このブログでも「バンコクの不動産投資、年末あたりから物色のチャンスか?」の中で以下のように書きましたが、製造業は今後バーツ安が続くとすれば、さらに輸出が伸びるのでいいと思います。

もともと、輸出産業はコロナの影響が小さいといわれていたので、ロックダウンがなくなり、従業員が工場で働けるようになれば生産が再開されます。実際、私の知人がシーラチャに工場がある日系企業の支社長をしているのですが、昨年末あたりから(人手不足で)工場労働者を集めるのに苦労しているといっていましたが、今のタイのGDPを牽引しているのは工業製品と農産物の輸出の伸びです。

従って、私自身はこのグラフが表すように工場や倉庫、インフラ関係のREITは今が買い時ではないかと思っていて、最近いろんなタイREITのポートフォリオを調べています。もともと投資銀行でこういう分析も仕事の一部だったのでお手の物です。もっとも、予想はよく外れますが…。(笑)

ただし、先に書いたように今後はタイバーツが弱くなると思っているので、敢えて日本円を使ってタイREITに投資するのはあまり意味がないように思います。従って、現在多額のタイバーツを持っている人であれば、こういう不動産REITは投資のチャンスのような気がします。

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