タイ航空破産回避!しかしまだまだ前途多難

会社再生計画に対して債権者から過半数の承認が取れなければ破産宣告となる危機にあったタイ航空ですが、「延期されたタイ航空のDデイ、しかし来週の水曜日で待ったなし」で伝えた通り、昨日の朝9時半から始まった債権者集会において、大口債権者の承認を得て破産回避に成功しました。

とはいっても、会社再建には500億バーツ(1,800億円)もの新たな資金調達が必須であり、タイ政府が債務保証を拒んだ以上、タイ航空は自力でスポンサーを見つけてくる必要があり、コロナの影響がいつまで続くのかまだまだ見通しがつかない中、相当困難な課題だろうと思います。

なお、この再建計画第4章でタイ政府のサポートが含まれています。しかし、これは追加融資等の資金的なサポートではなく、政府がタイ航空に対し、破綻する以前と同様にナショナルフラッグキャリアとしての特権を与え、ビジネス上の便宜を図るというものです。

ちなみに、世界中でタイ航空のようなナショナルフラッグキャリアを含め多くのエアラインが破綻する中、昨年7月に同じく会社更生法の適用申請をしたタイのノックエアも、数日前に破産管財人に再建計画を提出したところです。

しかし、ノックエアについてはナショナルフラッグキャリアとしての政府による特別な便宜は図ってもらえないのだろうと思うので、この点ではタイ航空の再建計画は有利です。

もっとも、政府のサポートという名目でまた以前のように政治家や軍人が自分の利権のためにあれこれと口を出してタイ航空が食い物にされなければいいのですが…。

The points include specific groups of creditors being granted debt-to-capital conversion rights.

再建計画の変更点の一つとして、特定の債権者グループには、債権をタイ航空の株式に交換する権利が与えられた

バンコクポスト

ところで、今回の債権者集会で出てきた変更点として目についたのが上の項目ですが、これは一部の債権者には自分の持つ債権をタイ航空の新株に交換する権利が与えられるというものです。

前回も書いたように、現時点でタイ航空を清算しても債権者には債権額の12.9%しか戻ってこない状況であり、会社再建を始めてもし失敗した場合、その時は回収できる債権額はほぼゼロになっている可能性が高いと思うのです。

そこで私がもし債権者だったら、タイ航空の新株に交換すると思います。この場合、債権放棄になるので、今後は元本も利息ももらえなくなりますが、もし計画通りタイ航空が再建できれば、将来再上場して株価が上昇し、キャピタルゲインと配当を受け取るチャンスが出てくるわけです。

どうせここまできたら株主となって同じ船に乗り、泥舟として沈没するか、もしくは再びナショナルフラッグキャリアとして飛べるかに賭けてみる方が面白いと思ったりもするのですが…。

特に、2018年には世界4位の観光収入を誇っていた観光大国のタイだけに、コロナ禍さえ終わればタイ航空復活のチャンスは案外大きいと思うのですが…。

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