主役はラグジュアリーから中低価格帯へ

これまでにも何回か触れてきたが、いよいよ今月からタイ中央銀行によるLTV(融資額/資産価値)比率を使ったローン規制が始まった。

各調査機関やブローカーはこの規制が住宅不動産市場、特にコンドミニアム市場に与える影響は小さくないと、当初から警戒していたが、GHB(政府住宅銀行)不動産情報センターによる最新予測では、この規制により2019年のコンドミニアム新規供給量は昨年比で約1割縮小するとのことである。

一方、デベロッパー側もタイ経済の低迷や金利上昇リスクなども考慮したうえで、今後のコンドミニアム市場の成長減速を見越して、昨年末ごろから大きく次の2つの点で事業計画を変更するところが相次いでいる。

1.コンドミニアム市場の減速を睨んで新規開発を減らすと同時に、大型プロジェクトよりも資金負担の少ないローライズ(高さ23メートル制限)のプロジェクトにシフト。また、人気が下降局面にある20万バーツ/㎡を超えるようなハイエンド市場から、1981年から1996年の間に生まれたいわゆるミレニアル世代と呼ばれる第一次購入層の住宅需要を狙って、100万から500万バーツの中低価格帯プロジェクトに開発の中心をシフト。(注:ただし、DDプロパティの調査では、ミレニアル世代で500万バーツ以上の予算がある層はわずか5%)

2.投機的な購入が少なく、中央銀行の融資規制の影響を受けない実需層が中心で、かつデベロッパーにとっても資金繰り負担が小さいネーウラープと呼ばれる低層住宅(戸建てやタウンハウス等)の開発にシフト。

すなわち、これから多くのデベロッパーが将来の新線沿線や高速道路の入口付近等の郊外で安い用地を取得し、主に100万から500万バーツの価格帯で戸建てやタウンハウスを売り出してくることになる。

一方、それに対抗するように同価格帯のコンドミニアムも多く開発されるのだが、これについてはDDプロパティが次のような調査結果を出している。

“ミレニアル世代が買おうとしているコンドミニアムのロケーションは、全体の36%がバンコク郊外、続いて26%が次世代の新CBD(中心部ビジネス街)となるラチャダーピセーク、ラートプラーウ、ラーマ9、そして15%がミッドタウンフリンジの住宅地、プラカノン、オンヌット、ウドムスクである”

また、彼らのコンドミニアム需要について、プラスプロパティからも次の調査結果が出ている。

“ミレニアル世代は、都心部で交通の便がいいロケーションを重視していて、かつ購入可能な価格帯の物件に人気が集まっている。さらに、彼らはブランドがあり信頼できる大手デベロッパーの開発物件を好む傾向がある。具体的なロケーションとしてはエッカマイ、フアイクワン、パヤータイの3つのエリアであるが、これらはいずれもバンコクの(CBDからは少し離れた)ダウンタウン・ミドルエリアに位置し、今、彼らが最も注目している住宅地である”

従って、新規開発のコンドミニアムであれ、築浅中古などのリセール物件であれ、500万バーツ(1,800万円)以下の予算で投資をするのであれば、今、タイ人ミレニアル世代が熱い視線を注ぐこれらのロケーションは要注目だ。ところで、これらの注目ロケーションを見て一つわかることがある。いずれもBTSスクムビットラインかMRTブルーライン沿線であり、シーロムやアソーク、チットロム等のCBDに乗換なしで直接乗り入れることがキーワードなのである。

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