今の新規コンドミニアム市場、「待つも相場なり」

この原稿を書いているのが1月中旬であるが、各調査機関やデベロッパーから2019年のコンドミニアム市場予測が続々と出てきている。

ここ数年続いてきた都心部高額プロジェクトへの開発シフトと外国人投資家依存がそろそろ限界に達しつつあり、その一方で、貧富の格差が広がるだけで、中間所得層の間では経済回復の実感が感じられない中、大きな市場であるアッパーミドルクラスやミドルクラスの購買意欲が低迷している。

ネクサスプロパティ・リサーチによると、現時点で市場にあるコンドミニアム累積総数は約61万ユニットで、その内、販売在庫が約63,000ユニットである。すなわち、昨年1年分の供給量とほぼ同じ数が売れ残っていることになり、供給過剰は全く解消されてない。

しかし、今年のコンドミニアム新規供給量は53,000ユニットと昨年の60,900ユニットに比ベて13%も縮小するという予想だ。

これに対し、需要がどう動くかで今の供給過剰問題が好転するかどうか決まるのであるが、このグラフにあるように最悪のケース(緑の破線)となった場合、販売在庫がさらに増加し市場が崩れることになる。

さらに、それよりも留意しなければならないのが、ここ数年、外国人投資家、特に中国人投資家の急増により、物件価格がタイ人の購買力を上回る速さで高騰した結果、カナダやオーストラリアで起こったのと同様、実需層がついていけなくなりつつある。

また、外国人購入者への市場依存度が高くなった分、今後その購入に制限がかけられたり、大量の解約が出た場合の外的要因によるマーケットリスクが高まっていることである。

トンローやプロンポンといった都心部で富裕層や外国人を対象にハイエンドプロジェクトを開発し、大手デベロッパーはこれまで何とか目標を達成してきた。しかし、昨年あたりから都心部高額物件であっても竣工引渡し時の投売りが多く出てくるようになったし、家賃保証を付けてでも何とか販売在庫の一掃をしようとする動きも目につくようになってきたことから、今のコンドミニアム市場はそろそろ限界にきているのではないかと筆者は危惧している。

一方で、ファイナンス面でも借入金利の上昇やLTVレシオ導入の新ルールで住宅購入資金の調達が今後さらに難しくなる。

また、アメリカと中国の貿易戦争や英国のEU脱退等、世界景気の波乱要因もある。そんな中、大手デベロッパーでも方針転換するところが増えてきた。

例えば、大手の一角、LPN(ルンピニ)は市場の停滞を見込んで、2019年はコンドミニアムから戸建てやタウンハウス等の低層住宅に開発の中心をシフトすると発表している。また、最近は中堅デベロッパーのセナも年間供給量を縮小すると発表したし、昨年、東京建物とJVでコンドミニアムを開発すると発表したレイモンランドも、不動産市場は今後スローダウンすると読んで、不動産開発からホテルビジネス等の新事業にシフトすると発表した。

こんな状況下、高騰した用地取得をしてこれから売り出されるプレビルドは本当に投資妙味があるのか疑問だ。

投資の格言でもある「待つも相場、休むも相場なり」というのが今の新規コンドミニアム市場に対する適切な対応策ではないか、少なくともあと半年から1年は予断を許せない状況が続くのではないか、そして、むしろ市場低迷で投売りで出てくるリセール物件にこそ投資妙味が出てくるのではないか、と筆者は考えている。

追加コメント:

1年後の2020年2月時点でも「待つも相場、休むも相場なり」の立場は変わってない。状況はむしろ悪化している。しかし、逆にいえば、大抵の物件は1年前よりも安く買えるし、底値買いのチャンスでもある。先が見えない現状では焦ることはないので、自分の予算や投資期間、自己居住か賃貸運用かなどの投資クライテリアによっても選ぶべき物件も変わってくるので、じっくり探していくべきである。

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