バンコク コンドミニアム物語

バンコクの不動産投資に役立つブログ

バンコク・コンドミニアム市場で今起こっていること、これから起こること、そして投資のリスクや実践方法について、最新データや投資理論を基に書いていきます。
筆者は不動産コンサルタントであり、日本でいう一般媒介の仲介ビジネスはやりません。
従って、コミッション優先のエージェント目線でなく、筆者自身も自己資金を使って投資しながら、その試行錯誤の中で得た経験を基に投資家目線で情報発信していきます。

フィッティングアウト工事の現場から

フィッティングアウト工事の現場から(その4)

Ashton 1 bedroom 3Ashton 1 bedroom 4次に重要なポイントは、デザイナーが勝手に合意内容と違う変更をしたりスペックダウンさせないメカニズムを入れることです。

著書の基礎編でも写真を付けて例を挙げましたが、大手のデベロッパーでさえ、新築プレビルドで勝手な変更やスペックダウンをするぐらいですから、内装業者に至ってはこんなことはしょっちゅう起こります。

そこで私の場合、着手金よりも出来高払いのステージペイメントの比重を多くし、現地での立会検査を通してオーナー代理人である私が手抜きや勝手な変更を見つけた場合、工事代金の支払いを止めることができる、しかも私が満足するまで直さなければ支払いは止まったままにするという条項を入れています。

実際、この時点でデザイナーは大抵の場合、全ての資材を発注済でビルトイン家具の製作にも入っています。従って、今さら工事を途中で放り投げてしまうわけにはいかなくなっているので、私が要求する通りに直すしかなくなるわけです。

これについては、「中古物件を改装して転売(改装編6)」でも、実際に起こったトラブルを書いているので参考になると思います。

最初、デザイナーはこの契約書には随分抵抗していたのですが、最終的には折れて、今は私との仕事はいつもこの契約内容でやってくれるようになっています。

また、人気のあるデザイナーほど他にもっと金額の大きな仕事が入っていることが多く、小さい工事は後回しにされて完成が遅れることが起こるので、こちらの仕事を後回しにされないためにも、遅延ペナルティの条項を入れて睨みを効かせておく必要があります。

これをカバーしているのが、工事請負契約のペナルティ条項ですが、不可抗力に近いようなものについてまであまり厳しいことをいうと無理があるので、この辺はオーナー代理人である私の判断である程度柔軟に対応するようにしています。


最終的な目的が、入居者募集で高い家賃がとれることと、空室リスクをできるだけ軽減することなので、魅力的な内装が予算内でできればそれでいいわけですから。

以上、工事請負契約のポイントについてはこんなところです。もっとも、なんだかんだと契約でいくら縛っても最初に着手金を持ち逃げされたらもうどうにもできないので、結局は信用できるデザイナーとのつながりが非常に大切になりますが…。

さて、前回と今回に掲載した写真はそれぞれアシュトンアソークの1ベッドルーム(
35平米)の現在入居者募集中の物件です。

前回の写真はオーナーがその辺の家具屋で買ってきたと思われるベッドやソファを置いただけの殺風景な内装ですが、これで家賃35,000バーツで入居者募集中です。

一方、今回の写真は一流のデザイナーを使って同じサイズの1ベッドルームを、私でさえちょっとやり過ぎではないかと思うほどのグレードにフィットアウトしたもので、多分50万バーツ以上の費用がかかっていると思います。それでいて、わずか37,000バーツという割安感のある家賃で入居者募集を始めたところです。

どちらがすぐにテナントが付き、どちらがいつまで経っても入居者募集に苦労するかは一目瞭然だと思います。そして多分、この安っぽく見える物件の方は半年経っても入居者が見つからず、結局は家賃を大幅に下げるしかなくなるのだろうと思います。

特に日本に住む投資家の場合、こんなことに悩んだりするのなら、最初にそれなりの費用をかけて日本人駐在員でも借りてくれるような魅力的なユニットにしておいた方が、結局はその投資が成功する可能性が高くなるのです。

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フィッティングアウト工事の現場から(その3)

Ashton 1 bedroom 2Ashton 1 bedroom 1まず、この契約で最も重要なのが第1条のScope of Worksで、これは契約書に通常添付されるCGを使ったプランとで一組になります。

通常はここで数十アイテムにわたり詳細に工事内容を記載していくのですが、物件実査でデザイナーと協議した内容に基づいて記載されているか、施主の代理人として私がチェックしていきます。

なお、工事見積り取得時に各項目ごとに金額を分けたものを要求する人もいますが、結局デザインそのものに価値があるのでアイテムごとの積算はあまり意味がなく、私の場合は通常、スペックは詳細に書いてほしいが金額は最後の総額だけでいい、としています。

ところで、私が念入りにこれをやる理由は、「中古物件を改装して転売(改装編5)」で書いたように、デザイナーが施主の承認なく合意した仕様を変更したりスペックダウンすることを防ぐためです。

タイ人はデザインセンスはいいのですが、とにかく勝手なことをするところがあります。悪意はないのかもしれませんが、組織で動くことが苦手で施主の存在など忘れて自分の考えだけで動くケースが多々あるのです。

実は昨夜も、某日系デベロッパーの社長と飲んでいたのですが、何も知らないうちに1,000万円もするモデルルームのフィッティングアウトをタイ人従業員がデザイナーに勝手に発注していた、とぼやいていましたが、ここではこんなことがあちこちで起こるのです。

従って、私は契約書のScope of WorksとCGプランの中で、必要なグレードやスペック、色、材質等をできるだけ詳しくわかるように書くようにしています。

次回に続く

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フィッティングアウト工事の現場から(その2)

Fitting-out Agreement 2ここで掲載した雛形は日本に住むクライアントを想定してドラフトしたものですが、この中で私はOwner's Agentとしてサインし、施主の代理人として施工監理を含め実質的主導権を持つ形式にしています。

 

これが自分の投資物件であれば、私がOwnerとしてサインするというように、毎回、この雛形を物件ごとにデザイナーとの合意内容に基づきアレンジしながら何度も使い回しています。

 

ただし、私自身が全てドラフトした契約書であり、どの条項が何を目的として書いたのかわかっているのでよみがえるか、陸の孤島(その5)」で書いたような、他人の使い回しでぐちゃぐちゃになり、意味が取れなくなってしまうということはあり得ません。

 

それに、ロンドンでデベロッパーとして長年開発をやっていたので、当時からこういう簡単な英文契約書は大抵自分で作っていたし、いつでも必要に応じて変更修正もできるからです。

これ以外には、オーナーと私が交わす日本語の「施工監理の覚書」があるのですが、そこで私が施主代理として責任を持ってこのフィッティングアウト工事全体を完成させるという契約の建て付けにしています。

ところで、こういう
フィッティングアウトやその施工監理は、当初、私がリテインドエージェントとして投資物件購入のお手伝いをしたクライアントに対するアフターフォローとしてやっていたのですが、最近は「中古物件を改装して転売(改装編)」を読んだ方々からも依頼が入るようになりました。

その結果、こんな需要があったのかということがわかったのですが、考えてみれば、特に日本在住の方の場合、購入した物件を賃貸に出すためにフィットアウトしたいが、誰に頼んだらいいのかわからないという人も多いと思うのです。

それもあって、最近は
そういう方の需要も引き受けるようになってきているので、ますますこのデザイナーたちとのつながりは強くなっています。


従って、このブログを読んでいる方で、新築、中古を問わず購入した物件のフィッティングアウトやリファビッシュメントを考えておられるのであれば、私の方でお手伝いも可能です。


さて、では実際の現場での工事に照らし合わせながら、次回は施工監理のキーポイントを書いていくことにします。


次回に続く

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フィッティングアウト工事の現場から(その1)

Fitting-out Agreement 1フリーのデザイナーを使うには大体30万バーツ以上の内装工事である必要がありますが、仕事の依頼を受けたデザイナーが最初にやるのが、物件実査です。

これには私も必ず立ち合い、
大体の予算を念頭にいろいろとデザイナーのアイデアを聞きながら、コンセプトを作っていきます。

例えば、ウォールマウントミラーだけでも通常ミラー、グレイ、ダークと
大きく分けて3種類あり、それを部屋の向きや採光量を参考にしながら、明るいトーンにするか、重厚なトーンにするか決めていきます。また、眺望の素晴らしい部屋はそれを生かすプランにします。

さらに、壁はミラーにするかラミネートボードにするか、ビルトイン・クローゼットやシェルフの形状や表面材質選び、TVボードや物入のカウンタートップはマーブルストーンを使おうとか、デザイナーが次々とアイデアを出してきます。

もっとも、私はデザイナーではないし、
基本的に生活感がある女性の方がセンスがあると思っているので、プランについてはほぼお任せにして、むしろ、完成までのスケジュールや工期、出来高払いの支払い方法、施工監理のための現場立ち合い検査の回数等、実務的なところを詰めていきます。

そして、デザイナーからCGを使ったプランが出てきたところで、Scope of Worksと照らし合わせて金額がリーズナブルであることを確認してから、工事請負契約に入ります。

ちなみに、私がざっくりとイメージしているのは、新築の場合、40㎡程度の1ベッドルームのフィッティングアウトでラグジュアリークラス仕様であれば、10,000バーツ/㎡(約140万円)、アッパーやハイクラス仕様なら7,000バーツ/㎡(約100万円)というところです。ただし、当然、これは使用する建材やデザインに基づく施工の難易度、部屋のサイズによって変わってきます。

そして、実は工事請負契約からが私の出番なのですが、大体のデザイナーが用意する契約書は、着手金が契約金額全体の7割とか、オーナーは施主なのにデザイン変更に口を出せない、施工にディフェクトがあってもステージペイメントを止められない(そもそも施工監理などやったことがないのでどこをチェックしたらいいのかわからない)、オーバーランした場合のペナルティ条項がない等、オーナーに非常に不利になっています。

従って、そういうのをいちいち修正するのは面倒くさいので、
私の場合は一切彼女たちの契約書は使わず、最初からここに添付した私が自分で作った雛形に基づいて作成した請負契約を使わせることから始まります。

次回に続く

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コンサルティング内容
バンコクでコンドミニアムを売買する際の助言やコンサルティングをします。最も多いのが、投資家が購入を検討している物件に対するセカンドオピニオンの依頼ですが、これについても投資家目線でレポートします。
お問い合わせ先:bkk.condostory@gmail.com
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プロフィール

藤澤慎二 ฟุจิซาวะ ชินจิ

外資系投資銀行の国際不動産投資ファンドで、各種投資不動産のバリュー・クリエーション型アセットマネジメントを行ってきた。
米国留学時に会計学を専攻し、米国公認会計士。
著書に「バンコク不動産投資」、「続・バンコク不動産投資 実践編」

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