さて、タイでもそうなのですが、開発途上国に多い傾向として福利厚生が手厚いのと人員整理等がない安定職として、警察官を始め公務員人気が非常に高いという側面があります。
また、住宅取得の面でも、同じ中所得層であっても民間企業で働く人の場合、5割前後が銀行から住宅ローンの借り入れができない中、公務員だけはほとんどが借り入れできるという格差があります。
従って、今のコンドミニアム市場で銀行から借り入れができて住宅や投資物件が買えるタイ人は、主に公務員等の一部中所得層とアッパーミドルクラス以上の民間企業で働く人、もともとの富裕層、そしてそもそも借り入れなどしない外国人と思っていいと思います。
それもあって、この調査結果にもあるように住宅購買力が低迷するランシットなどの郊外では、民間で働く中低所得層が多く、郊外の廉価な住宅市場での不動産投資には私は消極的なのですが、少なくとも、購買力格差が開きつつある中、今しばらくは郊外物件は敬遠した方がいいのではないかと思っています。
そうはいっても、CBDやトンロー辺りで5,000万円近くもするコンドミニアムを買える人もそう多くはいないと思うので、予算が1,500万円~2,000万円の一般投資家が注目するべきは、数の上で圧倒的に多いこのアッパーミドルクラスがこれから買うエリアだろうと思うのです。
そう考えると、今後の投資対象はやはりダウンタウン、フリンジからミッドタウン、しかもその中でもごく限られたエリアだろうと思うのですが…。
さて、来月10日と11日に全国住宅産業協会主催により、東京、大阪で開かれる私の講演会では、このフリンジ、ミッドタウン市場の将来性と問題点についても解説する予定です。
また、最近、市場が急回復しつつあるバンコクの奥座敷、パタヤ市場の動向についても、現地の大手デベロッパーと有力エージェントに参加してもらい、私が通訳となって合同セミナーを行います。