これは先月、経済紙グルンテープトゥラギット(กรุงเทพฯธุรกิจ)に出ていた記事ですが、以前、「よみがえるか、陸の孤島」で6回にわたって私が書いた内容とほぼ同じようなことが書いているので、敢えて取り上げました。
まずは、この記事の概要を書いてみます(注:原文は下に添付しています)。
表題:コンドミニアムの供給過剰により家賃相場が値下がりした結果、10,000バーツ/月以下の賃貸物件に人気
不動産賃貸サービスのプロパチルが賃貸市場動向に関する討論会を開いたところ、参加した企業から以下のようなコメントがあった。
1.CBDであるプルンチットエリアでは新規プロジェクトが次々と竣工したことで、新しい賃貸物件が市場に大量に供給され、現在借り手市場となりつつある。その結果、特に月額家賃が10,000~30,000バーツの物件が(家賃下落の)影響を受け始めている。
2.CBD周辺のダウンタウンや郊外の一部では家賃が半額まで落ちたところも出てきていて、さらに入居者もライフスタイルへのこだわりが強くなりつつあることから、その住宅需要にも変化が出てきている。その結果、今、入居希望者はマストランジットシステム沿線の便利なエリアにあるコンドミニアム、特にオンヌット、プンナウィティ、ウドムスク、ベーリング、サムローンがますます人気を集めつつある。
3.一方、CBDにあるコンドミニアムで月額家賃が20,000~25,000バーツの物件は次第に入居者募集に時間がかかるようになった。つまり、空室リスクが高くなりつつあり、家賃の下落も始まっている。その理由は、供給過剰による競争激化で賃貸市場が借り手市場になりつつあるからである。
4.しかし、月額家賃が6,000~9,000バーツの物件に対する需要は大きく、特に大学の多いランシット(注:タマサート大学がある)やガセサート大学の近くにあるサパーンマイ周辺の人気が高い。また、ペチャブリー、ラーマ9、スティサーンのようなMRT沿線エリアも中国人の入居者需要が大きい。
以上ですが、これからはスクムビットラインのミッドタウンが人気が出てくるのでCBDよりも狙い目であるとか、イールドプレイをするのなら日本人駐在員に固執せずこれからはタイ人需要をもターゲットにすべきであること、そして地下鉄MRT沿線のラチャダーピセーク通り沿いのラーマ9やフアイクワン、スティサーンなどは中国人や韓国人が入居者になるのでやめておいた方がいいということなど、私がこのブログで書いてきた理由がわかると思います。
ただし、家賃が半額まで下落しているというのはあまり聞いたことがないので、ここで書いている通りごく一部のことではないかと思います。たとえば、かなり築年数の経った、しかも駅から500メートル以上離れたような投資対象としても全く面白みのないような物件です。
ところで、これからコンドミニアムを買って賃貸運用をすることを考えているのであれば、ラーチャダムリやプルンチットに代表されるセントラルルンピニ、そしてアソークからエッカマイにかけてのインナースクムビットと呼ばれる欧米人と日本人が多く住む、いわゆる高級住宅街にはそろそろ見切りをつけて、ミッドタウンに目を向けた方がいいということです。
当然、この意見に反対する人も多いだろうし、同じ不動産関連記事を読んでいても、安くなったCBDが今こそ買いだという意見も目にするので、そう思う人はプロンポンとかトンローの新築物件を買えばいいですが、私はあまり興味がありません。
もちろん、アソークからトンローにかけての高級物件市場がもう終わりというわけではありませんが、これから日本人エクスパットが減っていく中、現在工事中の新規ラグジュアリープロジェクトが次々と竣工し賃貸市場に出てくてくるという2つの大きなアゲインストの中では、投資回収に時間がかかり過ぎると思うのです。
従って、これまでにも書いてきたように、特にプラカノーンからウドムスクにかけてのエリアが今、一番投資妙味があると私は思っていますが、そこの駅前で築浅のブランドプロジェクトを狙っていくべきだと思っています。
ただし、残念ながら、家賃水準が10,000バーツ程度では投資として規模が小さ過ぎるし、スクムビットライン沿いはあまりそれには固執しなくてもいいと思います。ランシットなどの学生需要であれば10,000バーツ以下の物件に人気があるのはわかりますが、15,000バーツ前後でも欧米人や日本人の現地採用やデジタルノマドの需要があるし、タイ人アッパーミドルクラスでも次第にこのぐらいの家賃が払えるようになってきています。
また、それでもこの程度の家賃収入では投資規模として小さすぎるのですが、順次複数ユニットを買い増ししていけば、投資規模を大きくすることができるし、その分、リスク分散もできるというメリットもあります。
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