バンコク コンドミニアム物語

バンコクの不動産投資に役立つブログ

バンコクの不動産投資について、今起こっていること、これから起こること、そして投資のリスクや実践方法等、最新データや投資理論を基に書いていきます。
筆者は日本でいう一般媒介の仲介ビジネスはやりません。コミッション優先のエージェント目線でなく、筆者自身も自己資金を使って投資しながら、その試行錯誤の中で得た経験を基に投資家目線で情報発信していきます。

バンコク不動産市場の構造と特性

Life Asoke-Rama9の投売り(その2)

ライフアソーク3
これは、最近デベロッパーが出している同プロジェクトの広告です。部屋の広さがわかりませんが、一番小さい28㎡だとしても、デベロッパーのモデルルームの内装は、普通最低でも70万バーツ位はかけるので、この価格は割安感があるように思えます。

そうなると、個人売買のリセール市場ではもっとお得感がなければ取引は成立しないと考えられますが、そこで今の購入予約権のリセール状況を見てみます。

ライフアソーク1
これは私がプロジェクトごとの人気度やリセール需要の強さを調べる時に、参考としてよく使う売買取引のデータです。

一番右側のขายแล้ว赤字が売却済を意味するのですが、このライフは、現時点では転売市場でほとんど人気がなく、これまでに4ユニットしか売れていないのがわかります。

このデータベースは定期的に売主にまだ売るつもりがあるのか問い合わせを行い、返事がない売主の物件は自動的に消去されるシステムになっています。

また、取引が成立したので取り下げるとの回答が売主からあったものについては、ขายแล้วとしてそのまま残すようになっているので、Hipflatのように過去に販売に出された物件が何年経っても残っているという事がありません。

従って、現時点での売物件と過去の取引事例がある程度わかるようになっていることから、私はHipflatよりも頻繁に使っています。

Tree ラームカムヘーン2
実際の市場では、この何倍ものユニットがオーナーズポスティングや多くのブローカーを通したリセールで売り出されていますが、少なくとも、以前、「個人的に気になる在庫一掃プロジェクト」で添付した上のTreeのデータと比べれば、そのプロジェクトの人気や需給が一目瞭然でわかります。

すなわち、このライフのように投機的転売目的で最初にその実力以上に買われてしまったプロジェクトの場合、一旦市場が弱含みになると、そのリセール物件はエンドユーザーである自己居住目的の実需や賃貸運用目的の投資需要で吸収できなくなり、余剰物件の投売りや解約キャンセルが相次ぐことになるのです。

そういう意味では、少なくともこのプロジェクトに関しては、2年半前のプリセール時にブログで書いたように、「
11月11日が現地でのプリセールらしいですが、何も今買う必要はないし、じっくり様子を見てから竣工引き渡し直前の投売りを狙う方が賢い投資方法だと思います」という考えは正しかったと思います。

ตามหาห้อง one bedroom plus (35 ตร.ม.) อยู่อาศัยเอง
ตอนแรกมองว่าจะซื้อกับโครงการโดยตรง แต่ถ้าใครอยากปล่อยต่อลองทักมาคุยก่อนได้ครับ ถ้าไม่มีค่อยคุยกับโครงการอีกที
(ライフ アソーク・ラーマ9)自己居住目的で35平米の1ベッドルームを購入希望。当初はデベロッパーから直接買うつもりであったが、購入予約権のリセールが安ければそれを購入したい。

ちなみに、最近はこういった物件指定をした上でのバイヤーズポスティングの広告を時々見かけるようになっていますが、これも底値買いの有効な手段の一つです。そして、これを見た多くの売主からベストオファーが集まってきます。

私も、今のような買い手市場の時にエージェントとして買主代理を引き受ける場合、こうやってリセール市場でバイヤーズポスティングをします。実際、数年前に次々とアシュトン・アソークやサムローンのメトロポリスの投売り買いをした時もこの手法を使ったものです。

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Life Asoke-Rama9の投売り(その1)

ライフアソーク4
もう2年半前になりますが、私はブログで2,200ユニットを超すこの巨大なプロジェクトを
取り上げて、少なくとも我々日本人投資家はこんなのは買わない方がいいとコメントしています。

その理由については当時のブログ「
Life Asoke Rama 9について思うこと」を読んでみて下さい。

ライフアソーク5
さて、著書でも書いたように、2017年当時のコンドミニアム市場は、ちょうど中国人の大量買いが続いていた頃で、このように同プロジェクトのプリセール前オンラインセールもあっという間に売り切れたのですが、多分、その購入者の多くは中国人投資家だったのではないかと思います。

そして、それを見たタイ人たちが投機目的の転売で儲けようと、同年11月11日の現地プリセール当日に長蛇の列をつくりました。当時、新聞等でも写真入りで話題になったくらいです。

従って、この時にうまく買えた人たちは、これでちょっとした小遣い稼ぎができたとぬか喜びをしたに違いありません。しかし、実は
これはデベロッパーであるAPと三菱地所の見事なマーケティング戦略だったのかもしれません。

この翌年の2018年後半から次第に市場が失速し始め、実際にうまく売り逃げた人はそうはいなかったのではないかと思います。その結果、竣工引渡しの期限が近づくにつれて、市場ではこの転売で売り損ねた連中による投売りが始まりつつあるのです。

従って、デベロッパー側も、これから始まる竣工引渡しを受けない大量の解約キャンセルに、今は戦々恐々としているのではないかと思いますが。

ライフアソーク2
ちなみに、これはちょうど今、投売りで出てきている物件のごく一部です。現時点では200,000バーツ程度の損切りですが、もう少し経つとこれがもっと大きくなっていくはずです。

タイ人のダウンペイメントは一般的には10%から15%なので、2割も値下げすることはありませんが、
FQ(外国人枠)で買っている中国人などの外国人は、ダウンペイメントが25%から高いときは30%なので、プリセール価格から2割値下げしてくる可能性は大です。

次回に続く


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バンコクでは東京よりも重要な駅からの距離(その3)

Noble PloenchitNoble Ploenchit2また、この記事の「新築マンションも同様で、その売れ筋は「都心一等立地」や「駅直結」「駅前・駅近」「大規模」「タワー」といったキーワードに代表されるマンション販売は比較的堅調だが、「駅遠」「郊外」といったマンションは売れにくく、マンション用地の仕入れも「徒歩7分」を超えると慎重姿勢を見せているというところについても、バンコクは同じです。

私も以前から、都心部なら駅から遠くても500メートル以内、フリンジやミッドタウンは200メートル以内、しかもキャピタルゲインを狙いたければローライズよりも大通りに面した大型ハイライズ、と書いてきていますが、バンコクの市場も同じだと考えているからです。

ちなみに、今回の著書でも書きましたが、あの高級住宅地のトンローでさえ、これまで人気のあったトンロー通りソイ8やソイ10といった中心部付近のコンド市場が、少なくとも向こう数年は行き詰まると予想され、一方でグレーラインのターミナル駅になることもあって、今後はもっとトンロー駅に近い偶数側のスクムビット36や38が注目されると考えています。

今回上梓した「不動産コラム集」の表紙でも、3年前に、「これからはトンロー偶数側のスクムビット36や38が化ける」という趣旨で書いたコラム記事で、私が自分で現地に行って撮ってきた、当時のスクムビット36の駅前風景と開発が進みつつある現在の写真を載せて対比させていますが、わずか3年でここまで変貌してきているのがわかると同時に、この流れは今後もさらに続きます。

いずれにせよ、今の東京では1分歩く
距離が延びれば、つまり80メートル遠くなれば、平米で18,000円(5,000バーツ/㎡)も中古マンション価格に差が出るようになったという事実は、バンコクの数年先、特に都心部やミッドタウンの住宅需要を占う上でも大いに参考になると思うのです。

そういう意味では、最近目に止まったこのノーブルプルンチットの広告などは、
底値買いを狙う投資家にとっては興味深いと思います。

CBDのプルンチット駅正面という最高の立地にあるラグジュアリーコンドの完成在庫が、どの部屋でも20万バーツ/㎡均一で買えるという、まるでダイソーの100円均一みたいなデベロッパー必死の在庫一掃処分セールです。といっても、このプロジェクトは間口が狭いなど、スペック的にそれほど大したことはないので、本当に買いたければもっと値切れると思っていて、私ならこの値段では買いませんが…。

実は、つい先日も某日系賃貸仲介業者の飲み友達と、今年あたりに底値買いの絶好のチャンスがきそうだから、面白い投資物件を見つけたら2人で一緒に投資して、特定事業税がゼロになるまでの5年間賃貸運用してからエグジットしようという話で盛り上がりました。

常時不動産市場の動きをウオッチしている私と、賃貸のプロが入居者付けで協力してやる投資であれば、
仲介業者に両手商売をされることもないし、「入口、運用、出口」のプロセスで失敗する投資リスクも軽減できるはずです。

そして何より、こんな底値買いのチャンスは10年に1度しかないのだから、これを逃す手はないと我々も考えているわけです。


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バンコクでは東京よりも重要な駅からの距離(その2)

通勤ラッシュ今、バンコクではオレンジ、ピンク、イエローラインといった新線、新駅に注目が集まり、多くのデベロッパーがこぞってそういう新線沿いの、まだ地価がリーズナブルな郊外で用地取得を進めています。

ミドルクラス以下の自己居住需要であればそういうプロジェクトでもいいのですが、我々外国人にとっては投資が目的である以上、空室リスクやキャピタルゲインの可能性を第一に考える必要があります。自分で住まない以上、なかなか貸せない、値上りもしないという物件を買うわけにはいかないのです。

そして、少なくとも私がこれまで見てきた限りにおいて、パープルラインのように郊外を走るだけでCBDに行くには乗り換えなくてはならないという路線は、バンコクではまだあまり人気がありません。

そう考えると、あと数年で開通するオレンジやイエローラインも、タイカルチャーセンターやラートプラーウが当面の終点であり、バンコクの3大CBDであるシーロム・サートーン、セントラルルンピニー、ロワースクムビットに行くには乗り換えが必要になります。

さらに、日本の電車のように10両以上の車両がつながるのではなく、バンコクのそれは今のところ4両編成で、ラッシュ時には満員で下手をすると何度も電車をやり過ごすことになってしまうのです。

これが
パープルラインやエアポートリンクにあまり人気が集まらず、いわゆる路線格差を引き起こしている理由の1つなのですが、先の「2019年の人気ロケーション、ベスト5」の駅を見て分かるように、どれもCBDにダイレクトにアクセスできる駅ばかりです。

しかもこういった新線の郊外新駅周辺では、用地取得も比較的容易であり、これからいくらでも新規供給が出てくるので、中古物件の価格もなかなか上がらないのです。

従って、私は最近の著書やこのブログで、スクムビット線のフリンジやミッドタウンのタムレ・サカヤパープ、つまり、将来変貌発展する可能性の高いロケーションで、しかも駅から200メートル以内、徒歩2~3分の中古物件への投資を勧めています。

また、あまり先を読み過ぎてサブアーバンと呼ばれる郊外にまで行ってしまうと、いくら駅に近くても投資としてはリスクが高くなるので、基本駅にはお勧めしません。

次回に続く

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バンコクでは東京よりも重要な駅からの距離(その1)

世田谷区昨日、「人気エリア、世田谷で空き家が増える訳」と題するプレジデントの以下の記事を読みました。

駅から1分離れただけでマンション価格が平米あたり1万8,000円も下がるのは何故か。
 
ヒントは「利便性」だ。通勤をはじめとする利便性について、妻が専業主婦で通勤は旦那1人なら多少の駅距離は許容できるが、2人とも働くとなると通勤はもちろん、買い物をはじめとする利便性が非常に重要になってくる。
 
東京都心7区(中央・千代田・港・新宿・渋谷・品川・目黒)の各駅から1分離れたときの中古マンション成約単価の下落率は、6年前は平米あたり8,000円程度だったが、2018年(5月末時点)では1万8,000円に拡大しており、この傾向には歯止めがかかりそうにない。
 
都心でも都市郊外でも、そして地方でも、あらゆるところでこうした駅距離による資産格差のフラクタル構造がみられる。時間の経過につれ、駅から離れたときの不動産価格下落カーブは今後さらに急角度となっていっても全く不思議ではないだろう。
 
新築マンションも同様で、その売れ筋は「都心一等立地」や「駅直結」「駅前・駅近」「大規模」「タワー」といったキーワードに代表されるマンション販売は比較的堅調だが、「駅遠」「郊外」といったマンションは売れにくく、マンション用地の仕入れも「徒歩7分」を超えると慎重姿勢を見せている。

コラム記事は以上ですが、これはバンコクのコンドミニアムについても当てはまります。ニューヨークやロンドンの場合、Park & Rideといって駅まで車を運転して行き、そこから電車でCBDに通勤する人も多いのですが、どこも渋滞するバンコクの場合、東京と同じく徒歩で駅まで行って電車に乗れることに大きな価値があります。

それに、バンコクでは専業主婦というのはあまり見かけず、ミドルクラス以上の家庭の大半が夫婦共働きなので、この記事にある現代の東京で暮らす人達と事情は全く同じです。

先日、「2019年の人気ロケーション、ベスト5(その7)」でDDプロパティの調査結果を紹介したように、バンコクでコンドミニアムを探すミドルクラスやアッパーミドルクラスの場合、駅に近いことがもっとも重要で、しかも、せいぜい400から500メートル(1分80メートルとして徒歩5~6分)以内という条件が付くこと、そして次に、職場に近い駅であることの2つが、住宅を選ぶ最優先事項となっているのがわかります。

特に、先進国と違ってまだ中進国のタイですから、現時点ではマストランジットシステムといわれる地下鉄を含む電車の路線はエアポートリンクやパープルラインを入れても5路線しかなく、そこに800万人ものバンコク都民が暮らしているわけですから、駅前とか駅近の住宅には東京以上の希少価値があります。

ただし、「都心でも都市郊外でも、そして地方でも、あらゆるところでこうした駅距離による資産格差のフラクタル構造がみられる」というところだけは、バンコクの場合、ちょっと違います。

次回に続く

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大手デベロッパーのブランド価値、個人的評価(その3)

ブランド価値さて、この表が私がこれまで得てきた経験や知識、情報に基づく各デベロッパーのブランド価値に対するざっくりとした評価です。

ただし、先にも書いたように、これは私が限られた範囲のプロジェクト、主にスクムビットを中心とするプロジェクトを見てきた上での主観に基づいています。

従って、これに納得できない人も多いだろうし、間違っているところもあると思います。しかし、これまで数多くタイの不動産を見てきたつもりだし、このブログで紹介してきたニュースや調査レポートに基づく市場の評価も把握した上での評価であり、これからタイで不動産投資をする人にとって、ある程度の参考にはなるのではないかと思います。

これにいくつか注釈をつけるとすれば、以下です。

1.同じデベロッパーであっても
プロジェクトごとでかなりバラツキがあり、全部一緒くたにして評価はできないので、敢えて大まかに3段階評価とし、◎が優秀、〇が平均的、△があまりよくない、で分類し、さすがに✖はつけませんでした。プロジェクトによっては、こんなのは絶対に避けた方がよいというものもありますが、それはコンサルティングの中で語る話であり、そこまでは踏み込んでいません。

2.郊外がメインになるエントリークラスやメインクラスについては、メトロポリスのようなプロジェクトを除き、基本的に日本人は買わない方がいいと思っているのでリストに入れていません。しかし、LPNやスパライは本来、このセグメントに強みを持つデベロッパーであり、優秀なデベロッパーだと私は思っています。

3.具体例としては、APの
最高グレードであるアドレスシリーズはここ7~8年以内に竣工したもの、例えばスクムビット28や61のプロジェクトは、ファサードの経年劣化が少なくデザインもよくできているので、なかなかクオリティの高いものだと思いますが、それより前の築年数の経ったものはこれがアドレスかと思うほど平均的なクオリティのものが多くあります。
 一方、APは最近、アドレスの新規開発はほとんどやらなくなったようで、
むしろランク下のリズムやライフ、アスパイアを中心に開発しています。ハイクラスやアッパークラスに入るリズム、ライフはそれなりにクオリティがいいと思いますが、タイ人のユーザー評価を見ていると、その下のアスパイアは施工上のクレームが多いようです。その結果、このようにセグメントによって、私の評価も違ってきます。

以上ですが、日本に居てあまりデベロッパーのことを知らないという人は、これから不動産投資をする上での参考にしてもらえばと思います。

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不動産による資産運用、優良資産の事ならプロパティエージェント 

大手デベロッパーのブランド価値、個人的評価(その1)

Mode Address著書でも書いたことですが、バンコクで中古を含めてコンドミニアムを購入する際に重要なポイントは、以下の順だと私は思っています。

1.ロケーション
2.建築施工のクオリティ
3.デベロッパーのブランド
4.CRM(顧客サービス、顧客満足度の向上)
5.プロパティマネジメント(建物管理)

日本とは順番が違うところがバンコクのコンドミニアム市場の特性の1つであり、これを理解しておかないと失敗してしまうリスクがあります。

周辺環境を含めたロケーション、そしてデザインや施工のハード面の良さが最も重要なのは日本も同じですが、次に重視されるのは築年数の経った物件が多い日本の場合、建物管理です。つまり、古い中古ほど、地所や三井不といったデベロッパーのブランド価値よりもしっかり管理メンテナンスされていることの方が重要です。

しかし、タイではちょっと事情が違います。もちろん、
管理は重要ではあるものの、オーナーが年次総会にほとんど出席せず、自分では何もしない日本の場合と違って、タイ人オーナーには自分の大切な資産である建物の管理運営状況を監視している人が多く、管理体制に問題がある場合、管理会社は数年ごとに交代させられることになります。その結果、管理体制の改善も行われていきます。

それに、アセットマネジャーとして各種不動産のプロパティマネジメントを管理してきた経験上、大体築10年を超えたあたりから修繕でのメンテナンスの差が目立ち始めるのですが、ほとんどの物件が築10年以内であるバンコクでは、少なくとも今のところ、修繕は日本ほど重要ではありません。

また、これまで賃貸運用によるイールドプレイ目的で投資するのであれば、築5年以内ぐらいの築浅物件が一番買い得だと書いてきていますが、こういう物件ならあまり修繕履歴に神経質になる必要もありません。

実際、いくらタイのコンドミニアムは経年劣化が速いといっても、アッパークラス以上のプロジェクトであれば、それなりの建材を使っているので築5年かそこらの物件ではプリヴェンティブ・メンテナンスと呼ばれる予防修繕の必要はほとんどありません。ビルディングエンジニアを使った本格的な計画修繕の検討や導入が必要になってくるのは築7、8年目ぐらいからだろうと思います。

従って、タイでは竣工後すぐに不動産価格に影響が出るデベロッパーのブランド価値やCRMが重視される、というより重視すべきだと私は思っているのですが、気をつけなければいけないタイのコンドミニアムの特性です。

ではなぜ、タイではブランドがそれほど重要なのかというと、中小デベロッパーの開発したプロジェクトを見るとわかりますが、詐欺同然のような瑕疵だらけの施工をしておいて、引渡しを済ませたらあとは何もしないという無責任なデベロッパーが少なくないからです。

品確法がある日本ならそんなことはありえませんが、中小にはCRMによる顧客満足度向上努力などする余裕がないデベロッパーが多く、当然、ブランド価値などありません。

また、タイの民法上の建物に対する保証期間は5年なのですが、施工で重要な瑕疵が見つかっても大手でさえ保証期間内であることなど無視して直さないケースがあるのです。
(参考記事:「よくある話?、それとも運が悪かっただけ?」)

特にローライズコンドは中小デベロッパーの主戦場であり、タイ人富裕層などは玉石混交の危ない市場であると知っているので、信頼できる施工とアフターフォローに実績がある大手デベロッパー、たとえば以前、「欧米人をたくさん見かける駅は値上りする(その5)」で紹介したこの写真のようなブランドプロジェクトを高く評価するのです。そして、そのブランド価値は将来売却するときにも評価されます。

一方、超高層のハイライズは資金的負担が大きいので中小デベでは参入できませんが、大手間でもやはりブランド価値に大きな違いがあるのです。そこで次回は、大手デベロッパーごとのブランド価値について書いてみます。


次回に続く

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ファイナンシャルアカデミー 不動産投資の学校
家計を改善するためには、不動産投資の知識があると断然有利です。 多くの人は収入の1/3を住居費に使い、それが経済を支えています。 不動産投資を学んだ人は、家計を改善して家族の生活を支えています。 効率よく不動産投資の知識を身につけたい方、 まずは、不動産投資の学校の体験学習会へご参加ください!

キャップ・コンプレッションが起こるエリアを買え

CBDエリア

拙著の「バンコク不動産投資」でも都心部と郊外のコンドミニアム市場の二極化について書いていますが、今のコンドミニアム市場ではそれがさらに拡大しています。

 

都心部開発の拡大がいわゆるCBD(中心部ビジネス街)の定義を広げつつあり、最近のCBREの図では、このように以前からCBDと呼ばれていたシーロム・サートン、セントラルルンピニ、アーリースクムビットをコアCBDと呼び、ベージュ色の部分のサヤーム、ラーチャテウィ、ラーマ4やペチャブリ通りのあたりをその他のCBDと分けています。

 

いずれにせよ、CBDに厳密な規定はないので調査機関によってその範囲が違ったりしますが、少なくとも現在、ラグジュアリークラス以上のコンドミニアムが開発されるのはこの広義のCBDの中ということになります。今後もこのエリアでは地価上昇が他より速く

 

ここで、CBREのレポートでバンコクの地価上昇について興味深いことが書いてあったのでそのポイントだけ紹介します。

 

地価の上昇が激しいロケーションでは、築年数の経過した老朽中古物件であってもその土地の価値が建物価値を上回り、その中古物件の購入に魅力が出てくることがある。典型的な例としては、その土地の持つ容積率等を最大限使っていなかったり、周辺の土地と合わせることでよりさらに大きな開発が可能となる場合である。また、老朽化したビルのデザインが今の時代の入居者ニーズにマッチしていなかったり、リノベーションができない場合もある。

 

また一方では、CBDの地価上昇が続く中、CBDのフリンジ(周辺)エリアにターゲットを移し始めたデベロッパーや投資家も出てきている。ただし、これで成功するプロジェクトは重要なキークライテリア(投資基準)を満たしていなければならない。それはマストランジットの駅に近いこと、充実した共用部設備や最低限のインフラの整備があること等である。例えばラーマ9のグランド9やシンハーコンプレックスのようなミックスユース(複合開発)がそれである。

 

今後、このような複合開発が都内中心部の駅に近いロケーションでも増えてくる。そして、その地域への波及効果は大きく商業ビルや住宅の需要も増大する。その結果、地価はさらに上昇することになる。


 
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In some locations, land values have risen sufficiently to justify buying properties that were developed many years ago, where the land value exceeds the value of the building. Typically, these plots were either not developed to their maximum property investment potential or have been acquired as part of a site assembly to create a larger site that could support a much bigger development. In other cases, the design of the old building no longer matches the current requirement of occupiers and it is either not possible or financially viable to renovate the property. In the case of the Bank of Ayudhaya Building on the corner of Wireless Road and Ploenchit Road, the Bank has almost completed the total redevelopment of their site. In other cases, owners are prepared to put their land for sale outright for local and international developers interested in Thailand real estate.

 

As land prices in the CBD continue to grow, developers and investors have started to focus their attention to locations on the fringes of the CBD. Successful projects in these fringe locations must be served by most of the key criteria which include mass transit stations, amenities, and critical infrastructure. Large scale mixed use developments such as Grand IX at the corner of Rama IX Road and Ratchadaphisek Road and the recently launched first phase of the new Singha Complex Development on the corner of Petchburi Road and Asoke Montri Road are two examples.

 

Over time we expect to see more developments like this, probably in established locations close to mass transit stations. These types of developments also have a significant impact on the local area, improving the attractiveness, creating demand for more commercial and residential space and in turn creating demand of Bangkok property for sale for new developments. These factors are a catalyst driving demand for land and thereby increasing land price in the area.



不動産市場透明度から見たタイのカントリーリスク

不動産市場透明度機関投資家が海外不動産投資を考える場合、一番最初はカントリーリスクについて検討します。

これには戦争の可能性や潜在的経済成長率とかもありますが、不動産市場自体の透明性も大きなリスク要因です。

その点では、アメリカやイギリスの不動産市場の透明性は世界でも最高クラスであり、怪しげな詐欺にひっかかったり、市場価値が見当もつかないという問題はあまりないので、少なくともマーケットの透明性についてのカントリーリスクはほとんどありません。

私は仕事の中で主にアメリカ、イギリス、オーストラリアの各種商業不動産に関して、開発や投資事業をしてきましたが、そういった国々ではいわゆるチャータード・サーベイヤーといわれるプロのコンサルティングやリサーチを行う会社があり、市場のトレンドや 誰がどんなプロジェクトを買っているかという動きが手に取るように分かりました。

ロンドンに居た頃は主にオフィスビルの開発をやっていたのですが、当時、私はサビルスというサーベイヤーをコンサルティング会社として使っていました。彼らのリサーチは業界でも信頼度が高く、彼らが不動産市場に悲観的な見方をするレポートを出すと、大体翌日は不動産関連株の株価が下げるというような現象も出ていたほどで、それだけリサーチが確立していたということです。

ところで、私がこのブログを書き始めたのが2014年でしたが、その当時から少なくともバンコクの不動産市場に関して言えば、欧米諸国ほどには情報が開示されてはいないものの、CBRE、コリアーズ、ナイトフランク、プラスプロパティ等の調査機関があったので、ある程度体系的にマーケットの動きをウォッチできる状況にはなっていました。

上の表は1月の前回セミナーで使用したものですが、約10年以上前のタイ不動産市場は今のベトナムレベルの透明性しかなく、こうなると機関投資家でもデューディリで相当な調査をしなければならなかったので、素人の投資家にはなかなか手が出せない危ない市場だったことが分かります。

バンコクで日本人投資家を相手にしたトゥインピークス事件というコンドミニアム詐欺事件が起こったのもこのころでした。

従って、当時に比べれば、今はかなりマーケットの透明性が上がってきているので、私が今やっているような各種データやレポートを読み込んで、日本人投資家に直近のマーケットの動きをレポートすることができるわけです。もし10年前に来ていたらとても今のようなブログは書けなかっただろうと思います。

それにしても、この表で分かるのは、ベトナムやミャンマーはまだまだ怖くて買えないということです。また、この表にはないものの、同じ旧共産圏であったラオスやカンボジアも同じだろうと思います。

従って、デューディリで何百万円もかけられる機関投資家なら別ですが、AEC加盟国といってもこういう市場の透明度が低い国には個人投資家はまだ近寄らない方がいいと思います。

それでもこういった国での不動産投資こそが面白いと思うのならやればいいですが、プロの機関投資家でさえ逡巡するマーケットに、まともなデューディリジェンスもできない投資家が出ていくというのは、ただの無謀なギャンブルにしか私には思えませんが・・・。

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バンコク不動産市場の2面性(その3)

販売率推移このグラフを見ると、マーケットに活気があった2013年の第3四半期には新規プロジェクトの購入予約権は7割以上の販売達成率であったのが、インラック政権に対する反政府運動が始まった結果、どんどん売れ行きが悪くなって3割近くまで落ちたのが分かります。

 

そしてこの時期、購入予約権リセール市場は弱気一色となり、既存の多くの投資家が解約キャンセルしたり、投げ売り価格で処分に動いたのを、私は目のあたりにしました。

そして、この後、軍のクーデターが起こり、前回のグラフで分かるように、
消費者購入意欲が回復すると同時に、購入予約権リセール市場も急回復を始めたのですが、このように思惑で市場が乱高下するのです。

 

従って、バンコクの不動産市場には、ハードアセットである現物資産が対象の完成物件売買市場と、マーケットの思惑で価格が株式相場並に乱高下するペーパーアセットの購入予約権市場、すなわち竣工前不動産の先物市場の2つの側面を持つという特性があります。

 

しかも、この2つの市場は相互に影響しあうため、本来、比較的安定した動きをする現物資産の中古物件市場でさえも、この購入予約権市場の動きの影響を強く受けることになり、その結果、バンコクにおいては、コンドミニアム市場全体の動きや上下変動が速くなるのです。

 

従って、バンコクで不動産投資をする際には、優良物件選びだけでなく、マーケットの動きを十分把握し、適切なタイミングと購入方法を選択することも大事だと思っています。

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バンコク不動産市場の2面性(その2)

消費者購入意欲一方、ワラント債投資とほぼ同じことが不動産投資でできるのがプレビルド投資です。

 

拙著の本、第6章でも書いていますが、「プレビルドとはデベロッパーの開発リスクを引き受けた完成物件の先物買い」です。

 

つまり、プリセールで購入予約権を買い、その後、ダウンペイメントを払い続けながら、価格が上昇するのを待つ。そして、もし期待通りに建築中のプロジェクトの価格が上がっていけば、その予約権にはプレミアムが付くわけですから、投資家は竣工前に予約権を売却して利食いをする。

しかも、予約権のリセールは登記簿上の名義変更を伴わない個人間売買なので、タイではこの利益を申告する人はほとんどいないようです。

 

また一方で、タイミングが悪く思ったように値上がりしなくても、竣工時に残金を払って完成物件をプリセール価格で買い取ることができるので、比較的リスクも抑えられています。

 

ただし、この購入予約権の市場は先物市場なので、先のワラント権市場のように変動が激しくなります。そして、価格が上がらなければ転売は難しくなり、その場合、完成物件を買い取って中長期投資に切り替えるという余裕がないと、最悪の場合、竣工直前にキャンセルしてそれまで払ったダウンペイメントを全部放棄することになります。

つまり、幾分投機的ともいえるゲンガムライ(転売による利食い)のことばかり考えず、
中長期のイールドプレイにも耐えられる資金力と優良物件選びが最も大切ということでもあります。

次回に続く 


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バンコク不動産市場の2面性(その1)

bkk condo

バンコクの不動産マーケットの動きをモニターし、それをタイムリーに日本人投資家にレポートするこのブログを始めてから、かれこれ2年が経ちました。

 

私が思うに、バンコクの不動産マーケットは東京のそれに比べて、市場の動きや変化が株式市場並に速いという一面があります。

だからこそ、こういうマーケットの動きをオンタイムに伝えることが、このブログのレゾンデートル(他にはない存在意義)なのだろうとも思っているのですが・・・。

 

私は、東京ではドイツ銀行の投資銀行部門であるドイツ証券にいたのですが、そこでは株式、債券、為替のディーリング等、幅広い証券ビジネスをやっています。私もそこで投資したオフィスビルやショッピングセンターの不動産を証券化し、国際不動産投資ファンドの中に組み入れ、運用の中で資産価値を上げていくという、アセットマネジャーをやっていました。

 

従って、証券業界にも近い位置にいたのですが、その観点から見ると、バンコクの不動産市場は証券市場に似た側面があります。特にプレビルドのバイジョーング、つまり、コンドミニアム購入予約権の売買市場は、まさに証券市場で売買されているワラント債(新株予約権付社債)のワラント権(新株予約権)に酷似していると思っています。

 

例えば、投資家は予め決められた価格で株式を購入する権利を目当てにワラント債に投資します。そして、この社債の満期日までに市場で株価が上昇し行使価格より高くなれば、この新株予約権を売却して利益をあげられるわけです。

 

次回に続く

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  投資に関する質問等
お問い合わせ先:bkk.condostory@gmail.com

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藤澤愼二 ฟุจิซาวะ ชินจิ

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