タイランド太平記/バンコク コンドミニアム物語

タイでの生活とバンコクの不動産投資に関する情報発信

「タイランド太平記」
タイに興味がある、タイが好き、将来タイに住みたいという人のために、タイでの生活について、ジャンルを問わず思ったままのことを書いていきます。光があれば影があるように、タイにだって悪いところはたくさんあります。そして、やはり日本の方がいい、他の外国の方が住みやすそうだ、と思う人もいて当然であり、その参考になればと思います。

「バンコク コンドミニアム物語」
バンコクの不動産投資について、今起こっていること、これから起こること、そして投資のリスクや実践方法等、筆者自身も自己資金を使って投資しながら、その試行錯誤の中で得た経験を基に投資家目線で情報発信していきます。

バンコク コンドミニアム物語

不動産投資、少なくとも今は「休むも相場なり」が一番

市場回復時期
最近、政府住宅銀行のリサーチ部門であるREICからこの写真のようなプレス発表があったのですが、いつになったらタイの経済不況が底を打つのか見当もつかない状況なのに、不動産市場が回復を始めるのは来年末だとかいわれても、ほとんど説得力がありません。

外国人の入国規制が緩和されて大幅に伸びなければ、観光客だけでなく、タイのコンドミニアム市場で大きなシェアを持つ外国人投資家も戻ってきません。特に
今のような時期は、どんな投資家も慎重になっているので、物件やロケーションを自分の目で確認しないで海外不動産を買う投資家など、ほとんどいないだろうと思います。

REICもどういう根拠でこんな結論になったのか詳細がわかりませんが、私は
今のような状況では、コンドミアム市場が底を打つのは再来年以降になる可能性も十分あると考えています。

そんなこともあり、このブログでも最近はあまりコンドミニアムに関する記事を書かなくなり、むしろ、もっとマクロ的なタイの政治や経済について多く書くようになってきています。ファンダメンタルズともいえる投資環境がまずよくなってこないことには、不動産市場の回復はないと思っているからで、「休むも相場なり」で様子見とすべき状態がまだしばらく続くと思っています。

だからといって、絶対何もしない方がいいというわけではないのですが、そのためのクライテリアとして、これから竣工を迎えるロケーションのいい物件で、プリセール価格から2割以上安く買える掘り出し物件であるとか、もしどうしても逆張りで不動産投資がしてみたければ、「ハードアセットがダメなら株式市場で不動産投資」で書いたように、今は「出口」がほとんど読めなくなっている現物投資よりも、換金流動性の高い不動産会社の株を買う方がリスクが低いのではないかと思っています。

いずれにせよ、REICの予想のように、少なくとも来年末ごろまでコンドミニアム市場は回復しないという意味では賛成で、今はとにかく、消極的に様子見をするのが一番だと考えています。




ナイツブリッジ・プライム・オンヌットの底値買い(その3)

ナイツブリッジ オンヌット3
ところで、このプロジェクトはほとんどのユニットが22㎡
26㎡、31㎡であり、たとえ中堅企業の日本人駐在員であっても狭すぎて借りないサイズです。もしそういう日本人駐在員をターゲットにするのであれば、数は少ないですが、高層階に55㎡の2ベッドルームもあります。
ナイツブリッジ オンヌット7
ちなみに、この中でもし私が買うとすれば
スタジオタイプか31㎡の1ベッドルームですが、賃貸のことを考えると、1ベッドルームの間取りは使い勝手が悪そうで、むしろスタジオの方が3メートルは開口部があって使いやすく、家賃もボリュームゾーンの13,000バーツ程度で収まるので貸しやすいと思います。

一方、26㎡の1ベッドルームタイプは間取りにかなり無理があるので、敬遠しておいた方がよさそうです。大体、タイ人だけでなく外国人単身者も自分で料理などほとんどしないので、ただでさえ狭い開口部にわざわざキッチンを持ってくるのは非効率です。

また、55㎡の2ベッドルームは家賃が3万バーツ以上になるので入居者が駐在員に限定されてしまうことになります。もっとも、この高層階の55㎡が11万バーツ/㎡前後で出てきたら、希少価値があるし、
特に自己居住用なら問題ないので買いかもしれませんが…。

ところで、このプロジェクトは私も3年前のプリセール時に見に行きましたが、たしか
平均価格は14万バーツ/㎡台半ばだったと思います。従って、前回、参考として載せた投売り広告を見ても、ざっくりいって20階以上のユニットを11万バーツ/㎡前後で底値買いできれば、まあ損はしないだろうと思っています。

ただし、私もそうなのですが、スタジオタイプをわざわざ1ユニットだけ購入というのでは、投資金額が800万円とちょっと小さく、手間がかかる割に投資効率が悪いと考える人もいると思います。

その場合、55㎡の2ベッドルームにすることも考えられるのですが、オンヌットの賃貸マーケットの特性から見て、貸しやすい22㎡のスタジオを2つ買うか、31㎡と合わせて2つのタイプを買った方がいいと私は思います。


このプロジェクトに興味があれば、「底値買いは「ขายขาดทุน」のキーワードで探せ!」で書いたように、自力でこれから根気よく探して行けば、いよいよ決済期限が近づいた売主からの投売りで11万バーツ/㎡台がもっと出てくるだろうし、指値交渉してもいいのではないかと思っています。

また、他社のプロジェクトと同様、今の市場低迷により、このプロジェクトも既に多くの購入者からダウンペイメントを捨てたキャンセルが出ているはずなので、デベロッパーは現時点で少なくとも3割前後、つまり200ユニットぐらいは完成在庫を抱えているのではないかと思います。

従って、決済期限がきても引き渡しに応じなかった購入者からダウンを没収した後、速やかに特別値引セールを始めるはずです。もっとも、やはり購入者、特にFQの購入者の投売りを狙ってプリセール価格から2割以上の値引が取って買う方が、より割安に買えるとは思いますが...。

ところで、まだ4~5プロジェクトだけではありますが、これまで私が竣工した同社のプロジェクトを実査してきた印象からいえば、オリジンというデベロッパーは施工監理があまりよくありません。つまり、ダメ工事が多いのです。

従って、たとえスタジオであっても、引渡しを受けた後に施工上のトラブルで頭を痛めるよりも「品確法のないタイ、隠れた瑕疵はこんなに恐い(その2)」で紹介したような、プロを使って竣工引受検査をしっかりやっておくことを、強くお勧めします。


ナイツブリッジ・プライム・オンヌットの底値買い(その2)

ナイツブリッジ オンヌット6
さて、著書やこのブログでも書いているように、バンコクの日本人駐在員が減りつつある中、これからは脱日本人駐在員というのがバンコクでの不動産投資のキーワードだと私は思っています。

また、駐在員であっても、最近は家族帯同が減り、単身赴任が増える中、過剰供給により空室リスクが高くなっているCBDのラグジュアリー物件よりも、単身赴任者だけでなくデジタルノマドや外国人現地採用者、タイ人アッパーミドルクラスにも賃貸できるミッドタウンで、価格も500万バーツくらいまでの物件の方が「出口」リスクも小なく狙い目だと思っています。

そういう意味では、このプロジェクトはデジタルノマドや単身の欧米人英語教師、
日本人現地採用者等が多く住むオンヌットにあり、さらにオンヌットはタイ人アッパーミドルクラスに人気ナンバー1「2019年の人気ロケーション、ベスト5(その2)」であることからも、投資物件としてのポテンシャルは決して悪くないと思うのです。

しかも、先日「タイ人も実は英語はすごく苦手(その2)」で書いたように、これから欧米人の英語教師が大増員される計画もあり、家賃の予算が13,000から15,000バーツがボリュームゾーンの彼らにとって、プラカノンからオンヌットは最適な家賃水準のエリアでもあります。

一般的にこういう人たちは車で通勤したりしないので、BTSまで徒歩圏である必要があります。また、
みんな若いので病院はそれほど重要ではありませんが、買い物や食事等の生活利便性が最重要です。

その点、最初の写真にも写っているように、
このプロジェクトの隣には大型スーパーのBIG-Cがあり、周辺にはたくさんの店やレストランもあることから、オンヌット駅前のプロジェクトに優るとも劣らない生活利便性があります。

しかも、タイ人と違って欧米人は駅まで7~8分歩くことはあまり気にしないので、この距離は何とか許容範囲だと思います。

もちろん、「そうはいってもやはり日本人駐在員に貸したい」という人もいると思いますが、そういう人は「出口」リスクが高くなりますが、「損切りが始まったLaviqは要注目!」で書いたようなトンローやエッカマイでラグジュアリークラスの投売りを買う方がお勧めです。

次回に続く


ナイツブリッジ・プライム・オンヌットの底値買い(その1)

ナイツブリッジ オンヌット1
この写真は最近竣工して既に引渡しが始まっている、オリジンプロパティの「ナイツブリッジ・プライム・オンヌット」です。

オンヌット通りでは最高層の47階、ユニット数が600という大型プロジェクトであり、
ちょうど今、このブログを書いている私の書斎から撮った写真です。逆光ではっきり見えませんが、ファサードもなかなか格好いいデザインで、しかも地型がコンドミニアムの開発にはもってこいの長方形です。

ナイツブリッジ オンヌット2
それもあって、大通りからグリーンエリアを通って少しセットバックした建物にアクセスするというランドスケーピングもなかなか魅力的です。
ナイツブリッジ オンヌット5
ただ、せっかく表面積が大きく取れる理想的な建物形状にできても、22㎡、26㎡、31㎡の3つの小さいユニットを無理やり詰め込んだことで、残念ながら1ベッドルームは開口部の狭いちょっと窮屈な間取りになってしまっています。

ナイツブリッジ オンヌット4
また、「ナイツブリッジ」はデベロッパーであるオリジンの最高級ブランドなのですが、間取りだけでなく内部で使用しているワッサドゥ(建材)は安っぽいし、開口部の窓もハイサッシになっておらず、50センチも壁が下がっているために、せっかくの天井高3メートルの魅力が薄れてしまっています。

さらに、ユニット数に対するエレベーター1機の負担比率も150ユニットと多く、朝の通勤時間帯などでは結構待たされるかもしれません。ラグジュアリーといわれるにはやはり100ユニット程度であるべきで、しかも機械式駐車場なので、車の出し入れも時間がかかりそうです。

従って、建物のスペックとしては、アッパークラスというところだと思いますが、APならライフ、アナンダならアイディオ級のミドルレンジという感じです。

もっとも、BTSオンヌット駅から600メートル以上離れていることから、このロケーションでラグジュアリー級のスペックにしたら場違いでもあり、販売価格もかなり高くなるので、これは仕方がないことだとも思います。

ではなぜ、このプロジェクトに私が注目しているのかというと、やはりそのロケーションと空室リスクの低さです。

次回に続く


外国人投資家誘致策、とにかく政府は何か始めるべき!

不動産購入促進
先日閣議決定した「特別観光ビザ」により、やっと来月から外国人にも入国が認められましたが、長期滞在の観光客限定であり、しかも費用のかかる14日間の検疫義務があることから、大した効果は見込めません。

そんな中、経済状況管理センター(CESA:Center for Economic Situation Administration)は苦境にある不動産業界を救うため、2年前まで市場全体で大きなシェアを占めていた外国人投資家を呼び戻す打開策を検討し始めたところです。

それに対して、大手デベロッパーアナンダのCEOは、中国人投資家をターゲットにしてまずプーケットやサムイのリゾート地で外国人の入国を受け入れてみることを提案しています。

ただし、これは政府が一方的にやるのではなく、感染が広がるリスクを現地の住民が承諾することが前提であり、もしそれで以前の外国人観光客の2割でも呼び戻せたら、観光産業だけでなく不動産業界もその恩恵を享受できるとのこと。

一方、不動産コンサルタントのコリアーズ・インターナショナルは、不動産の法定リース(借地借家権)期間を現行の最長30年から50年に延長することを提案しています。

バンコクや海浜リゾートのフリーホールド(土地所有権付き)コンドミニアムは、外国人比率が上限49%までというFQ(外国人割当)があるため、外国人がもっと安心してリースホールド(借地)物件を買えるようにと、リース期間を50年に延ばすことをアドバイスしているわけです。

とにかく、世界的な経済低迷が続く中、周辺の国々でも外国からの不動産投資を呼び込むために、いろんな策を打ち出してきています。コリアーズによると、ベトナムはリース期間を70年に延長したし、マレーシアも外国人の不動産購入下限価格を引き下げたりしてきていることから、タイも何らかの対抗策が必要だということです。

また、CESAは1万人を超える外国人メンバーがいるタイランド・エリートカードにも協力してもらい、それを取り扱う代理店には不動産ブローカーも多いことから、不動産も購入してもらうようにマーケティングしていくとのことです。

成否は分かりませんが、いろんな対策案が出ています。しかし、今のところ、具体的な外国人投資家誘致策が何も施行されていないというのが実情であり、外国人投資家を呼び込めなければ、不動産市場の回復も望めません。

結局のところ、以下のアナンダのコメントに集約されるように、とにかく政府はすぐに何か始めて欲しい、というのが業界全体の本音だと思います。

"The key point is the government should start doing something. If the scheme proves successful, other regions can follow this path", said Chanond Ruangkritya, president and chief executive of SET-listed Ananda Development.

(アナンダCEO談:外国人投資家誘致のポイントは、とにかく政府がすぐに何かを始めることだ。そして、そのスキームが正しければ、それを見たほかのエリアも後に続く



ハードアセットがダメなら株式市場で不動産投資(その3)

株式投資3
ところで、ここでちょっと私と株との関係について、プライベートな話を少し書かせてもらうと、実は海外不動産の仕事をやり始める前は、私は日本の金融業界で株のファンド運用をしていました。

そこではファンダメンタルズの分析、PER、EPS、BPSといった数字や企業の事業計画書と毎日向かい合っていたのですが、
当時はまだバブルの初期で、新人類相場と呼ばれていました。つまり、私と同年代である30代初めの新人類と呼ばれたファンドマネージャーたちが、とにかく買いまくって日本の株式市場をどんどん上昇させていたころです。

しかし私個人は、当時日系デベロッパーがニューヨークのロックフェラービル等、欧米の一等地でトロフィービルと呼ばれる希少価値のあるビルに投資し始めたのを見て、毎日目まぐるしく相場が動く株式市場よりも、海外に住んで現地でじっくり仕事ができる海外不動産の仕事の方に興味を持っていたのでした。

それもあって、ブラックマンデーと呼ばれた市場の暴落を機に日系デベロッパーに転職し、それ以来、希望通りロンドンに8年間駐在してオフィスビルの開発をしたりと、ずっと不動産の世界にいるわけです。

株式投資4
さて、これはあくまで参考情報ですが、最近、カシコンリサーチセンターが公開した、下半期に明らかに業績回復が見込める銘柄と、コロナのワクチンができると収益の急回復が見込める銘柄、という2つのグループがあります。

前者は今年上半期に比べて下半期にはほぼ確実に増収増益が見込める銘柄で、ロックダウン以降、国内需要関連の業種が次第に業績が回復つつあることから注目しているようです。業種としてはエネルギー、商業、建設、不動産、そして公益事業関連となっています。


そして、第2グループである、コロナのワクチンができれば業績が急回復する銘柄としては、
旅行、運輸、メディア(映画等)、金融、商品等です。

例えば、この中でカシコンが第1グループで推薦している大手不動産会社として、スパライがあります。前回書いたように利回りは3%弱とやや低いものの、彼らはホテルやオフィスビルの開発もやる総合デベロッパーであり、今年の下半期は住宅よりも商業不動産での市場回復が見込まれていて、彼らの業績も回復すると読んでいるわけです。

株式投資7

これ以外には、商業不動産に関連して建設資材のSRICHAなどが推奨されていますが、これらからわかることは、以下のようなことです。

1. 住宅、特にコンドミニアムの開発がメインであるマンデべの業績回復は、しばらく難しいだろうということ

2. 投資期間が1~2年程度であれば、クレジットリスクを取ってマンデべの高配当株を狙うよりも、むしろ、商業不動産開発を多く行っている総合デベロッパーの方が下半期に早速業績回復が見込めることから、配当だけでなくキャピタルゲインも期待でき、最終的に配当と売却益を合わせた総合投資利回り(内部収益率)も高くなりそうであること

とまあ、こんなことを私は考えたわけですが、QHはちょっと利回りが低すぎるかもしれませんが、スパライとLHに興味を持ってみています。

ただし、株式市場というのは不動産市場よりもトレンドが変わるのが速いので、投資判断は必ず自己責任でお願いします。

お金と投資の学校を体験できるオンラインセミナー【投資の達人講座】

にほんブログ村 海外生活ブログ タイ情報へ
にほんブログ村

ハードアセットがダメなら株式市場で不動産投資(その2)

株式投資6
これが、大手不動産デベロッパーの9月時点での株価に対する配当利回りの比較ですが、黄色の枠で囲ってあるのが、どちらかというとリスクのある投資対象であり、オレンジの枠が来年の不動産市場がさらに悪化しても、まず破綻はないだろうと思われる安全度の高いデベロッパーです。

特に、総合デベロッパーであるランドアンドハウスとクオリティハウスは、このブログでも何回か推薦しているブランドですが、プロジェクトのクオリティに対する信頼感もあるし、顧客に対するアフターフォローも他社よりいいというのが、これまでLHのザ・ルームと今の自宅のQハウスに投資してきた私自身の経験からの実感でもあります。

株式投資9

それに、アナンダやAP、オリジンのように大量のコンドミニアム供給を行って、マーケットシェア争いを展開してきたデベロッパーとは一線を画しているので、財務内容でも安心感が持てます。

このことは日本を例に取ればわかりやすいのですが、これはいわゆるマンデべと呼ばれるマンション専業デベロッパーと、地所、三井不、東急、野村、住不に代表される大手総合デベロッパーとの力と余裕の違いです。

マンデべの場合、かつてマンション供給日本一を誇っていたサーパスやライオンズマンション、長谷工などに見られるように、簡単に倒産したりどこに行ったのかわからなくなってしまうほど業務縮小してしまうところが多いのですが、それだけビジネスが偏りすぎていて財務体質が弱いということでもあります。

それもあって、こういうLHやQH、スパライのような総合デベロッパーはあまり株価が下落しておらず、利回りはそれほど魅力的ではないのですが、ここで頭に入れておかなければならないのは、タイの場合、日本と違って株式の売却益、すなわちキャピタルゲインに対する課税がないことです。

従って、半年先になるか、それとも1年先になるかはわかりませんが、とにかく会社が生き残ってさえいれば、やがて不動産市場が回復してきた時に実現できるキャピタルゲインは、決して小さくないのではないかと、私は考えています。

むしろ、コンドミニアムというハードアセットに直接投資して価値が2割上昇する可能性よりも、商業不動産開発も行う総合デベロッパーの株価の方が先に2割上昇する可能性の方が高いと思うし、現物資産を売却する場合、特定事業税や印紙税、移転税等の税金を取られてしまうことを考えると、今のような時期は「出口」が読めない不動産市場よりも、流動性の高い株式市場で不動産投資をする方が投資妙味があると思うのです。

株式投資5
しかも最近、CBREは以下のようなコメントを出しました。

ซีบีอาร์อี ชี้ตลาดคอนโดมิเนียม กทม.อยู่ในภาวะฟื้นตัว หลังคลายล็อกดาวน์ มีแนวโน้มเปิดโครงการใหม่ต่อเนื่อง อย่างไรก็ตาม แนะจับตาหน่วยก่อสร้างแล้วเสร็จ ปี 2563 สร้างความผันผวนรอบใหม่

CBRE談:ロックダウン緩和以降、新規プロジェクトの売出しが増加傾向にあり、バンコクのコンドミニアム市場は回復途上にあるようだ。今後の完成在庫数の増減に注目し、新しい動きを注視していく必要がある)


ここでCBREがいう“市場が回復途上”というのにはなかなか同意できませんが、こんなことをいうところも出てきているので、遅くとも来年後半あたりからは、少しずつ状況も好転するのではないかと思っています。

また、株の先読みといって、現物市場に先んじて株価が先に上り始めることも多いので、そういう意味では今頃がちょうどいい仕込み時のような気もします。

ところで、最近、カシコン銀行リサーチも不動産株を推奨するようになってきているので、次回はそれを紹介してみます。

次回に続く

未経験者にもわかりやすい!【投資の達人講座】

にほんブログ村 海外生活ブログ タイ情報へ
にほんブログ村

ハードアセットがダメなら株式市場で不動産投資(その1)

株式投資1
相当深刻な不動産不況ということもあって、最近は不動産関連株が全体的に値下りしています。実際、このブログでも何回か書いてきましたが、大手デベロッパーでも完成在庫がなかなか掃けない中、ディベンチャーで直接市場で調達していた資金の償還期日が続々と到来しつつあり、資金繰りが苦しいところもかなり出てきています。

販売在庫

もう半年近く前になりますが、「今や買ってはいけないバンコクのコンドミニアム(その3)」の中で、グルンテープトゥーラギットの表をもとに「この中で、ブランドがあり、かつ資金繰りがかなりタイトに見えるという観点からスクリーニングすると、100億バーツ以上の大きな販売在庫を抱えていて、負債資本倍率の高いところとして、プロパティパーフェクト、ノーブル、アーリヤ、そしてメージャーが目につきます」と書きましたが、やはりデベロッパー各社の株価は下落し、今回、上のターンセータギットの記事が指摘しているように、今年上半期決算に対する配当は相当高い利回りになっています。

例えば、ノーブルの配当はなんと年率で7.97%にもなるということであり、ここまで利回りが高くなってくると、下手にハードアセット(現物不動産)に投資して、入居者募集や手抜き工事によるトラブル、そして今は最も難しい「出口」リスクを取るよりも、いつでも手放せる換金性の高い株式による不動産投資を選ぶべきではないかとも思うのです。

本来、ハードアセットへの投資メリットは、自分名義で所有でき、株式のように投資先が倒産した場合に価値がゼロになるリスクがありません。また、貸すにせよ、売却するにせよ、すべて自分の判断で行えること、そして家賃やキャピタルゲインも全部自分のものになるところにあります。つまり、投資家がオーナーとして不動産投資そのものをやれるところにあり、また、日本で申告する場合は節税メリットもあります。

しかし、今の完全な買い手市場の中、将来の
「出口」がさっぱり読めない状況では、特に日本人のような外国人投資家にとってハードアセットは不利であり、先のブログでも”今は買ってはいけない”と書いたように、よほどの底値買い物件にでも出会わない限り、しばらくは様子見とすべき時期だとも思います。

そこで最近、私が目を向けるようになってきたのが、株式市場での高配当デベロッパーへの投資です。以下は、ターンセータギットが高配当デベロッパーの例として今回挙げている4つの大手デベロッパーですが、今はオンヌットなどのミッドタウンフリンジでも、新築の駅前コンドミニアムは表面利回りでせいぜい5%ぐらいでしか回らないことを考えると、換金流動性の高い高配当株式の方が投資妙味があるように思うのです。

もっとも、株式の場合、投資先が倒産したら元も子もなくなってしまうので、ノーブルのような資金繰りがかなり苦しそうなところは、ちょっと慎重に検討した方がいいとも思うのですが...。
高配当デベロッパー

次回に続く



にほんブログ村 海外生活ブログ タイ情報へ
にほんブログ村

希少価値のある中古物件への見直し買い(その2)

建設コストと地価2
そして、最後にAREAは以下の非常に興味深いコメントで、この調査結果を締めくくっています。

ปรากฏการณ์นี้เป็นเครื่องบ่งชี้ว่าการก่อสร้างที่อยู่อาศัยขนานใหญ่เช่นที่เกิดขึ้นตลอด 3 ทศวรรษที่ผ่านมา อาจจะผ่านไปไม่ผ่านกลับมาอีก เพราะต้นทุนค่าที่ดินแพงขึ้นมาก

これを私なりに意訳するとこうなります。

「過去30年間にわたり、バンコクでは大量の住宅供給が行われてきた。しかし、ここまで地価だけが一方的に値上りしてしまうと、開発コスト全体に占める用地取得費用の比率が高くなりすぎて、過去で起こってきたような住宅の大量供給はもうできないのではないか」

つまり、こういうことだと思うのです。最近はCBDの駅前一等地に開発される高級コンドミニアムの用地取得費用は
開発コスト全体の4割を占める、ともいわれるようになっているのですが、この比率が将来、5割、6割とさらに上がってくると、コンドミニアムを買うというよりも、むしろ、そのロケーションに対する土地の持ち分を買っているようなものになってきます。

例えば、ロンドンのメイフェアやケンジントン、ニューヨークのセントラルパークが一望できるアッパーイーストの高級住宅地がそうですが、既に市場では築年数などほとんど問題にならず、そのロケーション価値に対して中古物件が高額で取引されていますが、これと同じようなことが、バンコクでもやがて起こるということではないかと思います。

最近はロケーションを優先して中古コンドミニアムを購入するタイ人も次第に増えてきつつはあるものの、バンコクではこれまで30年間、ほぼ毎年、大量の新築物件の供給が行われてきた結果、コンドミニアムに関してはタイ人の新築志向が強く、中古よりも新築を買う人が圧倒的に多数派でした。

従って、他の国に比べて、今も中古の割安感が大きいのですが、「今年も値上りが続くバンコクの地価」でも書いたように、都心部の地価が上り続ける中、建設コストに対する用地コストの比率がますます大きくなってくると、当然、ロケーションのいい中古物件にもっと見直しが入るはずです。少なくとも、地価の値上りが続く一等地にある中古物件が、今後、2割も3割も値下りするということは考えにくいのです。

もちろん、今はコロナによる不動産市場の低迷で、新築であっても投売り物件をかなり安く買えるようになっています。従って、予算に余裕があれば、別に中古に固執する必要はなく、新築を狙っても問題はないと思いますが、その場合は、以前にも書いたようにざっくりいって、3年ぐらい前のプリセール価格から、さらに2割安く買うのが底値買いの基準になると、個人的には考えています。

いずれにせよ、AREAが指摘するように、地価が高騰したために過去30年間のような大量の住宅供給は今後はもうできない、のであれば、今は希少価値のある都心部やミッドタウンの駅前高層物件で、しかもブランドのあるデベロッパーが開発した眺望のいい物件を安値で買える、最後のチャンスなのかもしれません。

にほんブログ村 海外生活ブログ タイ情報へ
にほんブログ村
  

希少価値のある中古物件への見直し買い(その1)

建設コストと地価
これは、不動産鑑定及び市場リサーチの大手であるAREAが最近出した調査結果ですが、まず、これに関する彼らのコメントを要約すると以下です。

1.
20年前と現在を比べた場合、バンコク首都圏の地価は2.5倍となった。一方、建設コストは1.7倍であった。この理由は土地は限られた資源であることから一貫して値上りしてきたが、一方で、建設コストは不景気の時は建設工事自体が減ってしまうため、値上りが抑制された。

2.しかし、1996年からの26年間を見た場合、建設コストは2.1倍、地価は2倍と、建設コストの方が値上りしている。この理由は、1997年のアジア通貨危機により、数年間だけであるが、地価が初めて下落したからである。今後も、こういった一時的な地価下落の場面は出てくると思われるが、少なくともコロナ不況の現時点では地価下落の兆候は出ておらず、上昇が続いている。
2020年地価上昇3
3.特に2014年以降は、建設コストが上がらない中、地価だけが上昇している。これは、世界的な景気低迷により、セメントや鉄の建設費材の需要が減少したため、建設資材が値上りしなかったからである。しかも、この間、タイ経済はそれ以上に低迷していたため、労働力を含めた全体の建設コストが値上りしなかったからである。

4.地価が値上りを続けたもう一つの理由として、バンコク各地で建設されつつあるマストランジットシステム(スカイトレインやMRT)がある。こういう新線沿線の地価が値上りしたことで、バンコク首都圏全体の地価が値上りした。

AREAのコメント概要は以上ですが、このグラフを一瞥しただけで、バンコクの土地神話はまだまだ崩壊してないことがわかります。

次回に続く

にほんブログ村 海外生活ブログ タイ情報へ
にほんブログ村
  

外国人バイヤーとデベロッパーの我慢比べ(その3)

引渡し条件の緩和1
従って、果たしてそこまでやってくるデベロッパーは、案外マイナーなのかもしれません。むしろ、上のタイ不動産協会のコメントにもあるように、こんな時期は下手に契約のキャンセルはしない方がよいというのが、今の業界の考えなのではないかとも思うのです。

メージャーデベロップメントがいうように、外国人バイヤーがタイに入国できない以上、今後はタイ人をターゲットに販売率を上げていく、逆にいえば、外国人の契約をキャンセル扱いにせず、根気強く引渡しを待ちながら、一方でタイ人に販売を広げて契約達成率を8割、9割へと上げていくというの考えの方が、デベロッパー業界のコンセンサスではないかとも思うのです。

ただし、これにも限度があり、最近、タイ政府は世界でのコロナ蔓延が収まらなければ、来年1年間、外国人入国禁止が続くこともありうるといい始めており、さすがにそこまでは待てないというのが、デベロッパーの懐事情だろうとも思います。

従って、今は、まさに外国人買主とデベロッパーとの我慢比べが続いているように思うのですが、デベロッパーから何月何日まで支払って残金決済をするようにというメッセージは届くかもしれませんが、これは引渡しに応じさせるためのブラフである可能性もあるわけです。

問題は最後通牒ともいえる、「支払いがなければ契約違反とみなして契約解除し、ダウンペイメントを没収する」とはっきりいってくるかどうかですが、どこの時点でデベロッパーが契約を破棄してダウンペイメント没収に踏み切るのかは、私にもわかりません。

そこで、私のクライアントには、デベロッパーから来たメールに対し、私が自ら返事のメールをドラフトして、それをそのままデベロッパーに返すようにしてもらっているのですが、これを続けることで、「竣工引渡しがきても焦らず引き延ばせ」でも書いたように、
できるだけ時間稼ぎをしようとしているところです。

にほんブログ村 投資ブログ 不動産投資へ
にほんブログ村

外国人バイヤーとデベロッパーの我慢比べ(その2)

Property Recovery
さて、こういうコメントから私が読み取るのは、2、3年前に急速にマーケットシェアを増やしてきた中国人バイヤーを中心とする外国人投資家ですが、彼らのほとんどがプレビルドで購入しています。

しかし、コロナの影響で外国人が入国できなくなった今、運悪くちょうど彼らの購入した物件が続々と竣工引渡しを迎えつつある中、どこのデベロッパーも外国人への引渡しがうまく行っておらず、当面は待つしかない、という状況なのだろうと思うのです。

ちなみに、上の表は世界の専門家200人に対して行った、各国の不動産市場が完全にコロナの影響から立ち直り、以前のレベルまで回復する時期についての調査結果です。
中国人の人気
驚くことに、コロナの震源地ともいえる中国市場は年内に回復し、今後世界の不動産市場を席巻するようになるという意見が多く、中でも1番人気のタイのコンドミニアムはその恩恵を受けることになります。

一方、タイの市場回復は2022年までかかり、日本はさらに遅れて2023年まで待たなければならないという予想です。従って
、「2020年下半期、どうなるバンコク不動産市場(その2)」で書いたように、今後、タイ政府の外国人入国禁止が解除され、中国人バイヤーがタイの不動産市場に戻ってきて新規購入だけでなく、既契約の引渡しに応じてくれることにデベロッパーが期待しているのも間違いありません。

ただし、そうはいっても、デベロッパーによっては、今後、契約を一旦キャンセルしてダウンペイメントを差し押さえるところも出てくるとは思います。しかし、キャンセルされた完成在庫をすぐにタイ人に売れるのであれば問題ないのですが、今の状況ではそれは相当難しいというのが業界のコンセンサスです。

その場合、決算上、これまでのように契約済で引渡し待ちのバックログ、つまり、安全資産としては計上できなくなり、竣工後も売れてないキャンセル住戸は一種の不良在庫としてバランスシートに載ることになります。そうなると、当然、株価の値下りや資金調達にも影響が出てくる可能性があります。

次回に続く

にほんブログ村 投資ブログ 不動産投資へ
にほんブログ村

外国人バイヤーとデベロッパーの我慢比べ(その1)

LPN Wisdom
LPNのリサーチ会社、LPN Wisdomによると、デベロッパー上場企業、全36社の今年上半期の純利益は前年同期比で55%減と急減したとのことです。

それでも表向きは増収だとか見栄を張っているデベロッパーも一部ありますが、実態は売上は増えても完成在庫一掃のための価格戦争で大幅値引きしたのと、竣工しても引渡しに応じられない外国人投資家が増えた結果、予定通りの利益計上ができず、肝心の純利益が激減しているわけです。

私も日系デベロッパーで海外の不動産開発をやっていたからわかりますが、開発ローンは比較的リスクが高いことから、間接金融である銀行から資金を引っ張ると、かなりのスプレッドを要求されます。

それもあって、上場企業はディベンチャーと呼ばれる直接金融市場での資金調達をするのですが、今の状況では新しく直接金融で資金調達をするのは難しく、一方で、過去にディベンチャーで調達した資金の償還期限が次々と迫ってきていることから、多くのデベロッパーが資金繰りに不安を持っているわけです。

そんな状況を念頭に置いて以下の記事を読むと、デベロッパーの苦戦の状況が透けて見えてきます。

  
นางสาวอลิวัสสา กล่าวว่า ในทำเล สาทร ลุมพินี สุขุมวิท พระราม 4 ยังมีโครงการคอนโดลักชัวรีพร้อมโอนเหลือยู่ประมาณ 12,000 ยูนิต และบางโครงการอยู่ระหว่างการก่อสร้าง ซึ่งที่ผ่านมายอดขายยังพอไปได้แต่ไม่หวือหวา ที่สำคัญพฤติกรรมการซื้อของผู้บริโภคต้องการ สินค้าที่สร้างเสร็จแล้วเพราะกลุ่มคนซื้อส่วนใหญ่เป็นกลุ่มคนซื้อที่อยู่เองจึงอยากเห็นสินค้าก่อนที่ตัดสินใจซื้อ
CBREによれば、サートーン、ルンピニ、スクムビット、ラーマ4のCBDでは、まだ12,000ユニットものラグジュアリークラスのコンドミニアムが完成在庫となって売れ残っている。さらに、現在建築工事中のプロジェクトの販売在庫もある。実は既にかなり以前からこれらのプロジェクトの売行きはよくなかったのだが、市場は最近まであまりこれを危惧していなかった。しかし、ここにきて、自己居住目的で買う消費者が需要の中心になってきた結果、彼らは完成した物件を見てから判断しようとするので、プレビルドはますます売れなくなっている。

นายสุริยา พูลวรลักษณ์ กรรมการผู้จัดการ บริษัท เมเจอร์ ดีเวลลอปเม้นท์ จำกัด (มหาชน) กล่าวว่า ปัจจุบันโครงการมิวนีค สุขุมวิท 23 มียอดขายแล้ว 70% ซึ่งยอดขาย 25% เป็นยอดขายจากลูกค้าต่างชาติ โดยลูกค้าส่วนใหญ่เป็นชาวฮ่องกง
ทั้งนี้ จากสถานการณ์การระบาดของไวรัสโควิด-19 ลูกค้าต่างชาติที่ไม่สามารถเข้ามาโอนกรรมสิทธิ์ได้ในช่วงนี้ เพราะต้องรอให้รัฐบาลผ่อนคลายการเดินทางเข้ามาในราชอาณาจักรของชาวต่างชาติก่อน
メージャーデベロップメントによれば、スクムビット23のムニークを購入した外国人のほとんどが香港人バイヤーであるが、コロナ感染の影響でこれら外国人投資家が完成物件の引渡しを受けるためにタイに入国することができなくなっている。そのため、タイ政府が外国人観光客に入国を許すまで待つしかない状況である。

นช่วงครึ่งปีหลังบริษัทมีแผนจัดแคมเปญทางการตลาดกับโครงการดังกล่าว เพื่อกระตุ้นการตัดสินใจซื้อ ด้วยการลงราคาลงมาเหลือ 2.2 แสนบาทต่อตร.ม.จากราคาตลาดอยู่ที่ 2.5-3 แสนบาทต่อตร.ม. ซึ่งเป็นราคาช่วงพรีเซล เชื่อว่าจากการจัดแคมเปญทางการตลาดจะช่วยผลักดันยอดขายให้เพิ่มเป็น 80-90% จากปัจจุบันอยู่ที่ 70%” นายสุริยา กล่าว
従って、メージャーとしては、今後タイ人マーケットを対象に今年後半に特別値引きキャンペーンを展開し、今の7割の販売達成率を8割、9割へと上げていく計画である。すなわち、現在の市場価格である25万バーツ/㎡~30万バーツ/㎡からほぼプリセール価格である22万バーツ/㎡まで値下げして販売展開していく計画である
(注:これについては既に「セレス・アソーク VS ムニーク」で書きました)

次回に続く

にほんブログ村 投資ブログ 不動産投資へ
にほんブログ村

セレス・アソーク VS ムニーク

セレス
昨日、新しくできたセレス・アソークのモデルルームを見てきました。竣工したセレス・アソーク」で紹介しているものと同じ、北東角部屋の70㎡、2ベッドルームのショースイートができたということなので行ってきたのですが、バンコク在住で、もしこの物件に興味がある方は、是非見てくるといいです。

なお、このモデルルームは13階にあるので、左手前にある建物で眺望が一部遮られていましたが、「セレスアソーク、クライアントからの最後の損切オファー」で紹介している私のクライアントが販売中のユニットは28階なのでその建物より高い位置にあり、眺望はもっと開けています。

このモデルルームを見ることで、少なくとも生活していく上で最も重要な使い勝手や内部仕様のクオリティやグレード感がわかります。


ムニーク
一方、その後、セレスのすぐ斜め後ろに竣工したばかりのメージャーデベロップメントのムニーク(正確にはมิวนีคと書くのでミウニーク)も見てきました。

前回「
スクムビットのラグジュアリー需要に回復のサイン?」で書いたように、CBREがポジトークでやたら持ち上げているので、どれほど割安感があるのか興味があり、見比べてきたわけです。

その結果、結論から先にいえば、ムニークはセレスより明らかに格落ちプロジェクト、というのが私の評価でした。部分的には、ロビーがセレスより広々していて開放感があったりするのですが、エレベーターのかごや居住階のホールウエイの仕様がやや安っぽく、しかも、最も重要な専有部分である室内のグレード感も天井は2.7メートルと低く、据付の家具のクオリティも
ラグジュアリークラスにしては満足感を持てませんでした。

また、前回書いたように、30,000バーツ/㎡~80,000バーツ/㎡ものディスカウントという触れ込みで、この値引にはかなりのインパクトがあったのですが、やはり、この話にも裏がありました。

値引が大きいこのホットユニットは全部で10ユニットしかなく、そのほとんどが写真左の建物に面したユニットでした。

私は午後3時前にムニークの現場に行ったわけですが、その時間帯でもこれらの南向きユニットは隣の建物に光が遮られて中は薄暗く、また、距離が近すぎて窓から隣の建物の中までよく見えてしまうという居心地の悪いユニットでした。

これらが値引後で21万バーツ/㎡のホットプライスということだったのですが、いくらCBDの特別値引きユニットとはいっても、これではまず売れないだろうというのが私の印象です。

muniq
そこで、上層階の眺望のいい部屋はないのか聞いたところ、眺望の開けた高層階の55㎡、北東角部屋(赤い線で囲った部屋)が2ユニットだけ残っていて、このうちの一つ、18階の物件が30万バーツ/㎡ということでした。また、そこから直接交渉でいくらかは値引ができるが、棟内で一番人気のあるユニットなので、大した値引はできないということです。

従って、ムニークの場合、高層階のスクムビット23に面している東向きユニットについては、眺望はセレスのそれと全く遜色はないものの、室内のグレード感でやや格落ちというのが私の評価です。

Celes vs Muniq 1

ただし、ムニークがプロジェクトとしてよくないということでは決してなく、この図にあるように、最初のプリセール価格で比べれば、そもそもムニークはセレスよりも58,000バーツ/㎡も安かったことがわかります。それを考慮すると、グレード感でセレスより落ちるのも当然のことだと思うのです。

逆にいえば、これよりグレード感のあるセレスの28階、北東角部屋の損切物件が22万バーツ/㎡台で買えるのであり、ある程度物件のクオリティやグレード、建築工法の違いがわかる人なら、迷わずこのセレスの損切物件の方を選ぶと思います。

ちなみに、アソーク界隈では、最近、次々とラグジュアリークラスの新築プロジェクトが竣工を迎えつつありますが、これらをロケーションを別にして、建物としてのクオリティやグレード、ランドスケーピングに限定して比較した場合、まず横綱級はシンハーのエッセ・アソークだと思います。

そして、大関級がセレス・アソークとロフト・アソーク、それに対し、ムニークはせいぜい関脇級というのが私の評価であり、たとえ眺望の良い高層階であっても、これを25万バーツ/㎡~30万バーツ/㎡も出して買うのなら、正直、私なら食指が動きません。

以上ですが、セレスのモデルルームと竣工間もないムニークのモデルルームを同時に見比べての率直な感想なので、ほとんどバイアスはかかってないし、10年持つことを考えたら、構造的にもやはり、セレスが一押しだと思いました。

にほんブログ村 投資ブログ 不動産投資へ
にほんブログ村

スクムビットのラグジュアリー需要に回復のサイン?

ラグジュアリー
これはCBREのプレスリリースですが、今年はCBDでラグジュアリープロジェクトの新規売出しがほとんどなかったことから、既存の完成在庫物件に対するセカンドホーム需要が回復しつつあるということです。

以下、概要を箇条書きにしてみました。

1.経済不況もあって、デベロッパーは今年、もっとも需要の大きい、300万バーツ以下、150,000バーツ/㎡以下のプロジェクトの開発にシフトしていて、高額なラグジュアリー物件の新規開発はあまりやらなくなった。

2.一方で、スクムビットエリアにある4,000ユニットを超える高級物件の完成在庫の一掃に注力し、5%から最大40%もの値引をしている。その結果、こ
の割安感に7月以降、タイ人の実需層が動き始めている。

3.CBREの調査では、2019年に購入されたコンドミニアム全体の61%が自己居住目的、34%が投資目的、そして5%がセカンドホームとしてであったが、今年上半期では59%が自己居住目的、25%がセカンドホーム、16%が投資目的となり、投資目的が減り、セカンドホームの比率が著しく上昇した。

4.この理由は、現在の経済状況では購入物件の転売が難しいことから投資需要が減り、一方で郊外に家を持っていながら、職住接近の便利さから都心部でもセカンドホームを買おうという需要は減少してないからである。

5.例えば、スクムビット23にあるメージャーデベロップメントのムニークなどは、既に7割が販売済みで、そのうちの4分の1が主に香港の投資家である。しかし、コロナの影響で外国人に売るのが難しくなった今、残りの完成在庫をローカルのタイ人に売るために、30,000/㎡から80,000バーツ/㎡の値引を始めていて、8割から9割へと販売率を高めていこうとしている。

こんな内容の記事なのですが、CBREはセカンドホーム需要が回復してきているとはいうものの、売れているとはいっていません。しかし、需給が好転するサインが出ているというような、なんだかよくわからない内容であり、ムニークの販売エージェントでもあるCBREのポジショントークのにおいもちょっとします。

実際、20万バーツ/㎡を超えるラグジュアリークラスやスーパーラグジュアリークラスの完成在庫は、確かに値下が目立ってきていますが、今も相当苦戦しているというのが、私の印象です。大きく値下されて確かに注目は集まっているのかもしれませんが、まだまだ回復には程遠い状況だろうと思います。

エッセ
例えば、25万バーツ/㎡を超えるシンハーのスーパーラグジュアリー、エッセ・アソーク、そして同じくシンハーコンプレックスのエッセも、7%もの利回り保証をしています。

ルネストンロー5

また、トンローにある20万バーツ/㎡以上のラグジュアリークラスで、日系デベロッパーの信和不動産が開発したルネストンロー5なども、一時は完売したと聞いていたのが、今もキャンセルが続々と出てきているようで、3年間タダで住めるというキャンペーンをしたりと、どちらも完成在庫の一掃にかなりの苦戦をしているのがわかりますが、実際にはそれほど売れ行きはよくないようです。

さらに、この記事で取り上げられているムニークも、実はそんなに安くなってないし、ここでいう値引はプリセール価格からの値引ではなくて、今の値上げした後の価格からの値引なので、実質的には、先日「セレスアソーク、クライアントからの最後の損切オファー」で紹介したライフ・ワンワイヤレスと同じく、プリセール価格を割り込むような値引にはなってないのだろうと思います。

にほんブログ村 投資ブログ 不動産投資へ
にほんブログ村

オンヌットの新築、クライアントからの最終損切オファー

IMG_20200628_151834

6月初めに「サイアミーズスクムビット48、地上50階のビューが圧巻」で紹介したオンヌットのサイアミーズですが、その後も不動産マーケットの悪化が進行し、あの価格であっても残念ながら今も売れていません。

そこで、数日前に書いたセレスアソークの最終オファーの記事を見て、実はこのオーナーからも連絡があり、同じようにもう一段値下げした最終オファーを出したいということで、私の方で以下のように広告の内容を全部差し替えたところです。
https://www.facebook.com/groups/prakard/permalink/2009288402540647/?sale_post_id=2009288402540647

IMG_20200627_132402

ちなみに、この中で13枚の室内写真をつけていますが、専任エージェントの私だけがオーナー発行のPOAを持っているので、私が何回か現地に行って撮影してきたものです。

リビングの天井高が4.4メートルもあるので開放感がありますが、やはりこの物件の1番の魅力は、地上50階相当の高さからのこの眺望だろうと思います。

また、オンヌット駅から300メートルのロケーションはそう悪くはないし、44㎡という広さも賃貸向きです。家賃が少なくとも25,000バーツは取れると思うので、
現地採用者には厳しいかもしれませんが、魅力的にフィッティングアウトすれば、最近オンヌットで急増している単身赴任の日本人駐在員に賃貸できると思います。

今回、この新築物件を最終値引としてプリセール価格から23%も値下した価格、107,300バーツ/㎡で手に入れられることになり、これだけ安く買えるのであれば、今のコロナの影響でしばらく空室期間が出るとしても、あまり気にすることはないとも思います。

しかし、私がもし今のオーナーの立場であったならば、タイ人アッパーミドルクラス人気ナンバー1(2019年の人気ロケーション、ベスト5を参照)
のオンヌットでそこまで値引するよりも、とにかくぎりぎりまで引渡しを先延ばしして時間稼ぎをした後、最終的に引渡しを受けることを考えるのではないかと思います。

そして、「エッセ・アソークのデザイナーズフィットアウト(その2)」で書いた
ほぼ同じサイズの1ベッドルームでやったように、インテリアデザイナーを使い、魅力的な内装を施して十分に差別化した後、入居者募集、賃貸運用に入ります。

今、私の住む同じオンヌットのQハウスがそうですが、40㎡台のユニットは日本人の単身赴任者に特に人気があります。先日も、知人の日本人投資家がこのQハウスで私と同じ44㎡の2ベッドルームを持っているのですが、これまで日本人駐在員に賃貸していたところ、急に5月末で解約退去となり、コロナで駐在員の新規需要がなくなってしまった最悪の時期での入居者入れ替えとなってしまいました。

しかしその後、このオーナーは内装のリフォーム工事をしてから入居者募集を始めたところ、すぐに次の日本人駐在員が決まったそうです。結局、リフォーム期間を入れて3か月の空室ですんだそうですが、オンヌットで最も人気のあるQハウスだったからということもありますが、こういう賃貸需要が強いエリアこそ、フィッティングアウトで差別化すれば、たとえ新規の駐在員が入国できなくて賃貸需要がなくなっていても、既存駐在員の引っ越し需要でも入居者が呼び込めるということだと思います。

ところで、これは著書でも書きましたが、素人にはデザイナーワークの魅力がわかってない人が多いです。しかし、上のエッセのところで添付している施工前と施工後の写真を比べてみたらわかるように、当初何もないただの地味な新築ユニットが、内装工事次第で魅力的な住宅に大化けするのです。

もっとも、オンヌットであればここまでグレードアップしなくてもいいので、30万バーツもかければ十分魅力的な賃貸物件になるとは思いますが...。

しかし、残念ながらオーナーとしては今のマーケットの地合いの悪さを気にしていて、ここまで値引してもできれば手放したいということなので、今回の最終値引となりました。

ところで、価格が安いので、先日、仲介業者のエンジェルが勝手に中に入って写真を撮ろうとしたようですが、POAを持ってない彼らに勝手に見せるなとデベロッパーのサイアミーズにクレームをつけたところです。

従って、
もしこの物件に興味があれば、私まで直接ご連絡ください。また、私は両手商売などしないので買主から仲介料などは取りません。

なお、他にも何人かのオーナー様から購入した物件の売却をしてくれないかとの依頼を受けてもいるのですが、基本的に私は自分自身が投資家であると同時にコンサルタントであり、実務を伴う媒介業務は引き受けないことにしています。

ただ、セレスとサイアミーズだけは依頼主が以前から付き合いのあるクライアントであり、タイにやって来られない彼らに代わって今回は特別にサポートしていますが、今後も一般媒介はやらないことをご理解ください。

にほんブログ村 投資ブログ 不動産投資へ
にほんブログ村

セレスアソーク、クライアントからの最後の損切オファー

IMG_20200704_103921

前回、「竣工したセレス・アソーク」と題してアソーク駅前の高級物件、セレスを4回にわたり紹介しました。

これまでにも書いてきたように、昨年からの不動産市場低迷に加えてコロナの影響と、4月以降、市場ではほとんど売買取引が止まってしまっています。

こんな時期は、プリセール価格から2割ぐらい叩いて底値買いを狙うべき、とこれまでこのブログで何度も書いてきましたが、新築のロケーションのいいプロジェクトでそこまで値引が取れる物件はそうは出てきません。

ワンワイヤレス値引
これは、ちょうど今始まったデベロッパーによるワンワイヤレスの特別値引広告ですが、35㎡の1ベッドルームが5,790,000バーツ、つまり、165,000バーツ/㎡と当初のプリセール価格程度であり、実質的な値引きはほとんどありません。

デベロッパーの場合、郊外物件は別として、こんな人気物件がプリセールを下回ってまで出てくることは今のところほとんどないと考えていいです。従って、底値を狙うとすれば、購入者からの投売りしかないのですが、プリセール価格からさらに2割引きで買うというのがいかに難しいかがわかると思います。

そんな中、まことに皮肉なことですが、私のクライアントが購入したアソーク駅前にある70㎡の2ベッドルームが、竣工引渡しの期限が近づき、これまでに払った340万バーツ(約1,160万円)の手付金を捨てて契約キャンセルすることも考えるしかなくなってしまいました。

もともと、セレスアソークは私のアドバイスで購入してもらったわけではなく、この方が3年前に自己判断で購入されたものですが、以前、別件で仕事をしたことがある縁で、今回、売却のマーケティングを依頼され、引き受けたものです。

しかし、私も多くの売買サイトで広告を出して売却を試みたのですが、さすがに時期が悪すぎて、これまでに5人ほどから問い合わせがあったものの、結局、取引に至っていません。

そうこうしているうちに、デベロッパーから9月24日までにと決済を求められてきたものの、私のクライアントは買い取るつもりはなく、最悪はダウンペイメントを全額捨てて契約キャンセルもやむなしという結論に至ったものです。

そこで、私が新たに以下のような広告を作成し、直接売買サイト等、全部で10近いサイトにアップロードしたところです。なお、このサイトでは、私自身が現地で撮ってきた実際のユニットの写真を載せているので参考にしてください。

躯体部分まではわかりませんが、私がチェックした範囲内では、少なくとも室内の施工はしっかりできているという印象だったので、手抜き工事の心配等はあまりないと思います。
https://www.livinginsider.com/livingdetail/498995/Take-it-or-Leave-it-Offer-by-Japanese-Owner-2-bed-room-unit-703sqm.html

なお、前回書いたように、このプロジェクトはスタイリッシュなグラス・カーテンウォール工法で建設されていて、構造的に建物重量を小さくできて、しかもパノラマビューが実現できる。そして何より、建物劣化が遅く10年経っても古ぼけた感じがしないというところが最大の魅力です。

ロケーション的な魅力では、アソークモントリー通りを挟んで反対側にあるアシュトンアソークに一歩譲るのものの、建物のクオリティではこちらの方が上だと思っています。

今回、オーナー様は3年前のVIPプリセールで購入した価格、18,290,000バーツを15,500,000バーツまで下げて手放すことにしたので、手元に戻ってくるダウンペイメントはわずかであり、実質、1,000万円近い損切となっています。

今後、私の方でもデベロッパーと再度交渉し、もう少し引渡し期限を遅らせられないかトライしてはみるつもりですが、あまり時間もないし、売主様にも最悪契約をキャンセルし、手付流しをすることで腹をくくっていただいたので、これ以上足元を見るような減額交渉はお断りさせていただきます。

実際、本件は2割引きとまではいきませんが、プリセール価格から15%以上の値引きになっています。ワンバンコクやクイーンシリキット等の開発にMRTで直結するアソークはますますCBDとしての重要度が高まります。また、こういう一等地はなかなか値下りしないので、来年以降不動産不況が続いても、ここからさらに1割も2割も値下りするということは考えにくいと思っています。

以下は参考までに同プロジェクトの販売中の全ユニット一覧ですが、いよいよ引渡期限が近づき、焦った購入者から続々と投売が出てきています。しかし、この物件ほど値引しているユニットは今のところないことがわかると思います。
https://www.livinginsider.com/living_project/18/2736/Condo/all/all/1/%E0%B9%80%E0%B8%8B%E0%B8%AD%E0%B9%80%E0%B8%A5%E0%B8%AA-%E0%B8%AD%E0%B9%82%E0%B8%A8%E0%B8%81.html
(注:この中で28階の同じユニットが1,600万バーツで出ていますが、これは現地の業者が仲介料として50万バーツを上乗せしてきているからです。一方、私はそういうのは取らないので1,550万バーツとなっています)

アソーク駅前のスーパーラグジュアリーがほぼ底値で買えることもあり、日本人投資家の方で15,500,000バーツ(約5,300万円)の予算がある方であれば、一考の価値は十分にある投資機会だと思っていますので、興味があれば私までご連絡ください。

なお、売買契約や移転登記等は私が現地で責任をもって行いますので、タイに来られなくても日本にいるまますべての契約が履行できます。

にほんブログ村 投資ブログ 不動産投資へ
にほんブログ村

三井のサービスアパート新規事業には裏事情が?(その2)

市況低迷期間3

そもそも発表の中の「
今後安定的な成長が見込まれる SA 事業に新たに参画します」のくだりは、この業界のことを知っていれば、かなり苦しい理屈だとすぐにわかります。

たとえば、サービスアパートメント市場に関するこのCBREのレポートを見ても、2013年ごろをピークに需要も供給も縮小を続けているのがわかります。

そして、その主たる原因が、デベロッパーがコンドミニアムを大量供給し、それらが
賃貸市場に流れ込んだ結果、サービスアパート業界とバッティングすることになり、廃業したり撤退するところが出てきているからです。

しかも、以前に「10万ユニットの空室がバンコク賃貸市場で猛威を振るう」で書いたように、今も相当な空室があるコンドミニアム賃貸物件のことを考えると、この状況は少なくともあと5年ぐらいは続くと思います。

そんな中、コロナによる外国人入国規制で新規の駐在員需要や観光客需要はほぼないに等しいこの時期に、オペレーターであるアスコット社もなぜ5つもの物件の
運用を引き受けるつもりになったのか、理解に苦しみます。

もしかすると、ターンオーバーレント(固定賃料でなく売上高比例賃料)や、3年目か5年目あたりにブレーククローズ(一方的解約権)といった特殊な契約内容になっているのかもしれませんが...。

しかし、それにしても何でわざわざこんな時期に、外国人観光客がメインのナナをオープンさせたのかと思うと同時に、向こう数年は入居者募集で相当苦戦するのではないかとも思います。

市況低迷期間4
そこでちょっと調べてみたのですが、私の方でわかったのは、この5つのサービスアパートの内、少なくともサトーンとトンローの大型ハイライズについては、アナンダはもともとアイディオのコンドミニアムを開発するつもりで用地取得していたようです。

しかし、2018年後半から崩れ始めたCBDの高額物件市場で、新たにコンドミニアムを開発しても販売が難しいことから、それならサービスアパートにしようという苦肉の策だったのではないかと思います。

もっとも、本来、何百室もある大型コンドミニアムとして開発するはずだったのを、サービスアパートメントに転用するのですから、ちょっと無理があるような気もするのですが...。

従って、「今後安定的な成長が見込まれる SA 事業に新たに参画します」というよりも、むしろ消極的な理由で仕方がなく始めた新規事業、というのが本当のところなのだろう思います。

ちなみに、これからも長期間続くと予想される不動産不況に対し、デベロッパー各社はそれぞれ違った危機回避の対応をしつつありますが、
一旦取得した開発用地を用途変更してでも無理して開発しようとするアナンダ・三井に対し、開発はもう諦めて今のうちに用地を転売処分しようとしているのが、大手のプルクサーです。

プルクサーの場合、短期的には損切りになるのかもしれません。しかし、
来年以降、不動産市場がどこまで落ち込んでいくのか予想もつかない現状では、無理に開発リスクを取らない方が資金繰りも楽になるので、案外正解なのかもしれません。

三井のサービスアパート新規事業には裏事情が?(その1)

市況低迷期間2
先日、三井不動産がアナンダと組んでバンコク都内5か所でサービスアパート事業を始めると発表しました。

これによれば、「今後安定的な成長が見込まれる SA 事業に新たに参画します。当社グループは、これまで国内で培ってきた不動産開発のノウハウを最大限に活かしアナンダ社と共同で本事業を推進しながら、タイにおける更なる事業機会獲得を目指 してまいります」 だそうです。

しかし、今のバンコクの不動産市況に明るい人であれば、どうしてまたこんな最悪の時期に?、と思うはずです。高級なサービスアパートは駐在員、廉価なものは観光客の利用が多いのですが、いずれにせよ、賃貸物件が既にだぶつく中、アジア通貨危機並みの大不況がタイ経済に迫りつつあるのに、敢えてここでサービスアパート事業に乗り出すのは理屈が通っていません。

すなわち、これにはデベロッパー側の裏事情があるのだろうと思うのです。

市況低迷期間1
前回のブログで、「これからの世界的な経済不況は確実で、外国人投資家もすぐには戻ってきそうもないこと、タイ国内で800万人を超える大量の失業者が発生するともいわれるアジア通貨危機と並ぶ大不況により、国内需要も疲弊してしまうことから、少なくとも、今の供給過剰を市場が吸収し、ある程度バランスが取れるまでには、下手をすると3~4年、もしかするとそれ以上かかるかも、と思うようになりました」と私は書きました。

偶然ですが、ちょうど昨日、8月8日付のターンセータギットでも、不動産市場の回復にはあと5年かかるというコラムが載っていて、私の考えと同じような見方をしています。

従って、今のようなアゲインストの時期に、敢えて新規でサービスアパート事業を始めるというのは、アナンダと三井は相当な開発用地を抱え込んでしまっているのではないかと、私は思うのです。

次回に続く

にほんブログ村 投資ブログ 不動産投資へ
にほんブログ村

出口、出口、出口(その7)

新規供給数2
その結果、上のグラフからもわかるように、第2四半期に入って、いよいよ資金繰りが難しくなってきたデベロッパーは新規開発をほとんど止めてしまい、この完成在庫の一掃に必死なのですが、それでも竣工するプロジェクトが次々と出てくるので、減るどころか増え続けているわけです。

従って、今後
数年間はなかなか需給が改善しそうにないことからも、やはり、これからの投資物件選択の第一優先は「出口」リスクのミティゲーション、つまり、軽減最小化だと思っています。

ベストタイミング
以前、このブログで「「待つも相場なり」でもう一段安を待て!(その2)」のところで、こんな素人みたいな安直なことをいうのは間違っているという意味を込めて以下のように書きました。

実は4月20日に、こんな内容の記事が英字紙The Nationに載りました。この執筆者は私と同じく「デベロッパー在庫処分値引きの実例(その3)」で紹介した経済紙ターンセータギットの記事を取り上げていて、デベロッパー各社が在庫一掃の特別値引きを始めた今こそ、コンドミニアムはいよいよ買いのタイミングなのではないか、と考えているようです。
 しかし、前回にも書いたように、私は全く違う考えで、まだまだマーケットは悪くなると見ているので、もう一段安を待った方がいいと考えているわけですが、あと半年もすればどちらが正しいかわかると思います


そして、半年も待たずして、もうその結果は出ています。私のもう一つのブログ「タイランド太平記」で、タイ経済の現状を伝えると同時に、これからの不動産市場動向を逐次考察しているつもりですが、こういうマクロ的な視野で見ると、今が買い時どころか、バンコクのコンドミニアム市場は来年あたり、大波乱がある可能性があると思っています。

これからの世界的な経済不況は確実で、外国人投資家もすぐには戻ってきそうもないこと、タイ国内で800万人を超える大量の失業者が発生するともいわれるアジア通貨危機と並ぶ大不況により、国内需要も疲弊してしまうことから、少なくとも、今の供給過剰を市場が吸収し、ある程度バランスが取れるまでには、下手をすると3~4年、もしかするとそれ以上かかるかも、と思うようになりました。

コンドミニアム市場がうまくこの危機を乗り切れればいいのですが、少なくとも、現時点では投資リスクが大きすぎて、ここで新規投資をするのはただの投機でしかないと私は考えています。

従って、日々の売上しか考えてない仲介業者がよくやる近視眼的な目線で、あの物件はロケーションがよく有望だ、格安だ、今こそ買いだ、というミクロの次元で投資物件を語るのは見当違いです。

こういう時こそ、機関投資家がやるように経済環境を大局的に見るべきです。すると、今の時点ではどんな物件も「出口」がほとんど見えないのです。

従って、今は新たに投資をするタイミングではないし、既に持ってしまっている人は、今売ろうとしてもまず「出口」がありません。また、運よく売れたとしても、相当な安値に叩かれてしまうので、大きな「出口」リスクを抱えているわけです。

それであれば、資金的に余裕があることが条件ですが、あと2~4年、我慢して持ち続けることを、私はお勧めします。そして、将来、「出口」リスクがある程度軽減されてきたところで、これまで書いてきたように、脱日本人駐在員、タイ人アッパーミドルクラスやミドルクラスをターゲットにした投資を再開するべきだと思っています。

にほんブログ村 投資ブログ 不動産投資へ
にほんブログ村

出口、出口、出口(その6)

出口3
最初の著書である「バンコク不動産投資・基礎編」を上梓したのが2016年2月です。不動産市場を混迷に追いやっていた反政府運動を、2014年5月に軍部がクーデターで制圧し、その年の第4四半期あたりから外国人投資家が大挙して市場に戻り始め、当時はその勢いが続いていました。

同時に、それを見たタイ人投資家層も投資を開始した結果、コンドミニアム市場は大きくリバウンドし、これがその後のラグジュアリーコンドブームにつながり、中古を含めて右肩上りの市場拡大が続いていたころです。

従って、この当時は「入口」でアップサイドのある有望物件さえ選んでおけば、その後の「運用」や「出口」でもまず失敗はしないだろうという安心感があったので、「入口」で失敗しないことがもっとも重要であるということを書きました。

しかし、あれから4年が経ち、明らかに市場に変化が出てきたので、今年1月に書いた「バンコク不動産投資・2020年版」では、「行きはよいよい、帰りはこわい」という題で、バンコクのコンドミニアム市場は長年の供給過剰で販売在庫が積み上がり、需給バランスがもう限界にきていること、そして今は「出口」が一番難しくなっているので、これからはまず「出口」リスクの少ない物件選びを投資クライテリアの最優先項目とするべきであることを書きました。

出口5
その結果、日本人駐在員が多く住むエリアに固執せず、職住接近と生活の利便性を優先するタイ人アッパーミドルクラスや、ミドルクラスでも可処分所得の多い連中が好んで買う、もしくは住みたがるエリアを選ぶべきだと思うのですが、これには「2019年の人気ロケーション、ベスト5」が参考になります。

もっとも、私は個人的にはこの中ではオンヌット、そしてアーリーとその近くのパヤータイはお勧めだと思いますが、バンナーよりはむしろプンナウィティからウドムスクがいいと思うし、サパンクワーイやラーマ9にはあまり興味がないという若干の違いがありますが...。

出口4
しかし、残念ながら、その後のコロナ不況も加わって新規プロジェクトはほとんど売れなくなり、需給バランスも既に完全に崩れてしまいました。

しかも、コンドミニアムの場合、一旦着工したプロジェクトを途中で止めることができないので、
年間5万ユニット以上が今年、来年と竣工し続けることになり、一方で、ローンが付かなかったり転売ができなかったことで解約される物件も増えてくるので、引き取り手のいなくなった完成在庫が来年以降も続々と出てきます。

次回に続く

にほんブログ村 投資ブログ 不動産投資へ
にほんブログ村

出口、出口、出口(その5)

junior staff
さて、上の月収範囲がいわゆるロワーミドルクラスですが、大学新卒の給料が大きな会社で15,000バーツというのが今の平均であり、このクラスでは新築の場合、郊外の廉価物件でしかも駅から遠い100万~150万バーツの物件が多くなります。

審査不合格
さらに、これより月収の低いロワークラスを含めたこれらのクラスでは、ちょっと前まで4割が銀行からローンの与信を却下されているという状況でした。

しかし、今はコロナ不況も加わった結果、多分、5割以上の購入者がローンを借りられなくなっているはずです。その結果、
郊外の完成在庫が急増中で、いよいよ底値買いのチャンス到来間近か?(その2)」で書いたように、資金繰りが厳しいデベロッパーからは既に半額処分というものも出てきています。

ちなみに、10年ほど前にこういう郊外物件を、単に安いからという理由で買い漁る日本人投資家が結構いました。しかし、廉価物件は劣化が激しく開発用地も周辺にふんだんにあるため、ほとんど価格が上がらず、というよりもむしろ下がるだけで、まともな「出口」もありません。さらに入居者募集も難しく、大抵の投資家は大きな損をしています。

出口3
著書の中でこれまでの3つのクラスの購入可能物件をまとめたのがこの表です。ただし、この中で引用したこのCity Smartのレポート時点から、現在は金利も低下してきているので、月収に対する返済率が同じ40%でも、今の借入可能額は月収の50倍からもう少し上がっています。

借入限度額

参考までに、最近の月収別借入限度額表を添付しておきましたが、
例えば月収が8万バーツあるアッパーミドルクラスなら、今なら最大530万バーツまでのローンが借りられ、これに自己資金を加えれば、600万~700万バーツ(2,000万円~2,500万円)の物件も買えることになります。

もっとも、実際にアッパーミドルクラスの間で今一番よく売れている物件の価格帯は、300万~500万バーツまでということですが...。

なお、単純にこれだけの月収さえあればいいというわけではなく、車のローン等、他の長期ローンがある場合は当然、借りられるローンの額も減ります。

次回に続く

にほんブログ村 投資ブログ 不動産投資へ
にほんブログ村


出口、出口、出口(その4)

出口2
そして、これがアッパーミドルクラスのすぐ下、ミドルクラスの収入とその借入可能額や購入可能金額をCity Smartがまとめたものです。

人数的にはアッパーミドルクラスより圧倒的に多いのですが、やはり3万バーツ程度の月収では150万バーツほどのローンしか借りられず、購入も200万バーツ程度の物件になってしまい、しかもローンの与信審査で落ちるケースも結構出てきます。

従って、このクラスでは月収が5万バーツ以上ある人が購入するエリアが、購買層も厚く「出口」リスクも低いということになります。

ちなみに、著書の中で、私は次のような例を紹介しました。

ミドルクラスは、日本でいえば主任とか係長クラスなのですが、タイ社会には年功序列というのはありません。
 従って、20代でも英語が堪能で外資系企業等で働く人などには、5万バーツ以上の月収を稼ぐ人が結構いて、そのレベルになるとアッパーミドルクラスの入口に入ってきます。

 銀行からの住宅ローン借入も300万バーツ以上借りられるので、ダウンペイメントをある程度貯めていれば、400万バーツから500万バーツの物件にも手が届くようになります。

 そして、彼らが購入するのは主にマストランジット駅周辺のコンドミニアムで平米単価で5万バーツから15万バーツ、新築ならミッドタウン以遠、中古ならダウンタウンの物件も購入可能です。

 ところで、これは余談になりますが、筆者ももうバンコクに8年も住んでいるので、下手くそながらタイ語が話せるし読み書きもできます。だから、タイ人の知人や飲み友達もいます。

 その中の一人で、地下鉄MRTのフアイクワン駅からちょっと離れたコンドミニアムを購入した女性がいます。彼女は月収が35,000バーツとこのクラスでは下限に近いのですが、昨年初め、新築プレビルドでフアイクワンの270万バーツ、28㎡の1ベッドルームを購入しました。

 今は毎月15,000バーツ、つまり月収の43%もの住宅ローンを払いながらそこに住んでいるのですが、イサーンの農家出身の彼女にとっては、奨学金をもらいながら頑張ってバンコクの大学を出て社会人になり、やっと念願の自分の城を持てたと満足しています

実はこれには後日談があります。その後、彼女が転職することになり、上司が頼りないのでと彼女に頼まれて、私が不動産評論家という立場で英文の推薦状を書いてあげたりと手助けもしたのですが、うまく採用されて、今はさらに給料も上がってバンコクにあるシンガポールの会社で働いています。

タイの住宅ローンの一般的な与信基準は、月収総額の50倍まで、そして元利金の月々返済額が月収総額の4割までとされているのですが、彼女の場合、きっと今は15,000バーツのローン返済など大した負担にはなってないのだろうと思います。

大卒で優秀なタイ人は転職を繰り返しながらどんどん昇給していくので、
何年かするうちに返済も楽になります。

次回に続く

にほんブログ村 投資ブログ 不動産投資へ
にほんブログ村

出口、出口、出口(その3)

出口
最新著書の第6章で「行きはよいよい、帰りはこわい」と題して書いたことでもありますが、バンコクの場合、供給過剰もあり、とりあえず買うのは簡単ですが、市場特性として購入者の新築志向が強すぎるため、一旦中古となった物件をリセールするのには相当な時間がかかります。

かつてCBREリサーチ部門のマネジャーであったZmyHomeの社長、ナタポン氏が中古物件が売却されるまでの期間を調査したところ、平均でほぼ1年かかるという結果だったそうです。

もっとも、タイの場合、5年ぐらい前までは急がなくても構わないという余裕の売主がとりあえず希望価格で売り出しているケースも多く、当時はそれでも新築市場が右肩上がりで上昇していたことから、1年もするとじわじわと中古市場も値上りしてきて、やがて買い手が付くというケースが多かったようです。

その後、彼は独立して今の売買情報データベースの会社を立ち上げたのですが、今も新築の購入予約権はそれなりに売買されるのものの、やはり、中古となると買い手がぐっと減ってしまうようです。

また、私自身の経験からも、これまでに合計5物件を売却してきて、そのうち2件が予約権の売却でしたが、あとの3件は中古だったので時間がかかりました。

しかも、バンコクに住む私のように現地対応できる外国人はまだしも、「品確法のないタイ、隠れた瑕疵はこんなに恐い」で6回にわたって書いてきたように、重要事項説明もない中、隠れた瑕疵が怖いので、できれば中古物件は避けて新築を買おうと外国人投資家が考えるのも当然のことです。

従って、これだけ外国人投資家のシェアが増えても、相変わらず中古市場は未成熟なままで、今も「出口」が最難関であることに変わりはなく、本当に希少価値のある駅直結とか徒歩数分の物件を買うことが中古の「出口」リスクを軽減します。

例えば、日本の場合、築3~5年程度の中古であれば内外装ともまだきれいで、厳しい建築基準法や品確法により施工にも一定の信頼感があるので売れ行きもそう悪くないのですが、タイの場合は、やはり、仲介料もかからないこともあってデベロッパーから直接新築を買おうとします。すなわち、建築施工レベルがまだまだ信用されてないということでもあると思うのです。

また、私も身を持って経験したのですが、バンコクの中古市場で急いで売りたければ、かなりの魅力的な値段に下げないと、ほとんど仲介業者の案内も入りません。特に今は、コロナによる不況もあって、それこそ値段の問題以前に、住宅を探す買い手が本当に少なく、ちょっと絶望的な状況になっています。

一方、今の市場構造は昔のようにじっと待っていれば、新築の値上りに伴って中古も値上りしてくるという状況にはなっていません。むしろ、劣化が激しいバンコクのコンドミニアムは、新築の値上りが止まれば都心部であっても、これといってアップサイドのない中古は経年劣化で価値が落ち始めます。

そこで、値下りリスクがもっとも低いのはどこかと考えると、需要に厚みのあるアッパーミドルクラスに人気のあるエリアです。つまり、これが「出口」リスクの小さい投資物件の一つの条件ということになります。

また、彼らの月収はせいぜい10万バーツまでですが、上の表はCity Smartがちょっと前に調査した結果です。これを見てわかるように、今の厳しい銀行の与信基準でも余裕でパスできる彼らは、自己居住目的でも投資目的でも、かなりの住宅ローンを取り込めるので、800万バーツ(2,800万円)の物件まで手が届くわけです。

とはいっても、実際には500~600万バーツ程度の物件の購入層が一番多いと思うので、彼らがどこに住みたがっているかがわかれば「出口」リスクも軽減できることになりますが、トンローやプロンポンなど彼らは欲しがっていません。

次回に続く

にほんブログ村 投資ブログ 不動産投資へ
にほんブログ村

出口、出口、出口(その2)

新規供給数2
しかしながら、既に社内的なゴーサインも出ていて、そのプロジェクトを今更止めるわけにはいかなかったようで、結局、彼の会社は数か月前に
プリセールを開始しました。

残念ながら、タイミングが悪く、既に
新規プロジェクトがほとんど売れなくなり、タイの大手デベロッパー各社が新規の開発を急激に減らしつつある中での売出しとなってしまいました。プロジェクト名はいえませんが、まさにアゲインストの市場環境でのスタートとなってしまったわけです。

そして、その結果については、コロナの問題等も重なり、マーケットの低迷が今までずっと続いていることから、上のグラフの通り、
今はこの10年で最悪の販売率なわけで、苦戦していることは容易に想像がつくと思います。

しかし、これも見方を変えれば、デベロッパーにとっては「入口」がデューディリジェンスに基づく市場動向調査やプランニング、そして用地取得であり、次の「運用」が開発許可や建築承認の取得、それに基づく建設工事、そして最後の「出口」のプロセスがこの販売にあたります。

結局、「入口」でマーケットのトレンドを見誤ったことで、最後の「出口」で完成在庫を抱えてしまうようなことになると、それが長引くほど開発ローンの金利負担や販売費用が嵩むことになり、確実に資金繰りと収益を圧迫することになってしまうのですが、これがデベロッパーの開発リスクです。

そこで、今、デベロッパー各社がやっているような、完成在庫の値下げ合戦が始まるのですが、この状況を投資家側から見ると、今のコンド市場はまさに買い手市場であり、このブログでも何回か書いているように「こんな時に新規プロジェクトなど買ってはいけない。買うならデベロッパーの完成在庫の値下物件であり、ベストは、個人投資家からの投売りを仲介業者など通さず直接買う」ということになります。


ちなみに、先日「今回のウィクリートはアジア通貨危機を超えた?」で書いたように、GDPの42%、全雇用者数の78%をも占める中小企業の資金繰りがますます悪くなっていて、今後800万人を超える失業者が出るとも予想されています。いよいよアジア通貨危機を超える大不況がタイ経済に迫っているのかもしれません。

一方、政府の入国規制により、外国人投資家、特に中国人の不動産への投資再開もだいぶん先のことになりそうで、不動産市場も出口の見えない低迷が続きそうです。

従って、最悪の場合、資金繰りに窮したデベロッパーの破綻等、大荒れになる可能性も出てくるのではないかと思うようになりました。

次回に続く

にほんブログ村 投資ブログ 不動産投資へ
にほんブログ村

出口、出口、出口(その1)

新規供給数
前回、日本人駐在員が減少を続ける中、賃貸物件の
供給過剰を考えると、トンローなどのスクムビットCBDの高額物件を買って、高額家賃が払える日本人駐在員へ賃貸することには、これからはあまりこだわらない方がいいと書きました。

どうしてもある程度まとまった投資金額の、高額な家賃が期待できる物件に投資したいのであれば、セントラルルンピニーやパトゥムワンの高級物件の方がリスクが低いかもしれません。

あのマーケットは、欧米人やタイ人ビジネスマンの賃貸需要が大きく、入居者の対象が広がることで空室リスクを軽減することもできるし、特にタノン・ランスアンやウィタユのフリーホールドであれば、希少価値もあって「出口」リスクも軽減できます。

ところで、もう開示しても構わないと思うのですが、実は2年近く前、某日系デベロッパーがバンコクのコンドミニアム開発に進出するにあたり、そこの海外事業担当役員がバンコクに来た際、私を訪ねてきたことがあります。

彼は私の元同僚でもあり、また、今でも飲み友達でもあって気心が知れていることから、私のバンコクの不動産市場に対する率直な考えを聞きたいということでした。

その質問内容は、今度、日本人駐在員が多く住むスクムビットのCBDでラグジュアリーコンドミニアムの開発を手がけることにしたが、私ならどう思うかというものでした。

それに対し、私は、当時トンローなどの高額コンド市場が既におかしくなり始めていること、さらにLTV規制の導入も検討されていることから、これからマーケットはもっと悪化するので、もし間に合うのなら、今回は見送った方がいい、というアドバイスをしたものです。

ちなみに、その後、某邦銀からも同じ内容で同社の彼の部下と面談したと聞きました。これはデューディリジェンスとして当然のことでもありますが、彼の会社は私以外のところでもいくつかヒアリングしたということです。

しかし、
私もロンドンで不動産会社の駐在員をしていたのでわかりますが、邦銀の海外支店程度の規模で、現地の不動産市場動向を細かく把握できるはずもなく、多分、当たり障りのない話しか聞けなかったのだろうと思います。

次回に続く

にほんブログ村 投資ブログ 不動産投資へ
にほんブログ村

日系不動産仲介業者も苦しい展開に(その2)

日系仲介業者2
私の知る限り、バンコクの日系不動産仲介業者の場合、一部を除き、ほとんどが従業員数人から数十人規模の個人企業です。

従って、もしここで今年1年分の新規駐在員の住宅賃借需要がなくなってしまえば、労働集約型だけに、コストの大半を占める人件費負担で経営はかなりきつい状況でははないかと思います。

また、賃貸契約の更新手数料は普通、家賃の0.3か月分と聞いているし、それさえも私のように自分で契約書をドラフトしてテナントと直接更新してしまうタイ人オーナーも結構いることから、更新手数料だけでやっていくのはなかなか厳しいと思います。

もっとも、中には既存の賃貸物件の更新でも、1か月分の家賃を更新手数料として取るようなところもあるようなので、そういうところは平気でしょうが...。

一方、ここ数年、日本人駐在員が減ってきているという根本的な問題があります。上の表が最新の現地雇用を含めた就労ビザを持つエクスパット全体の数ですが、日本人エクスパットはジリジリと減少し、もうすぐ中国人にトップの座を奪われることになりそうです。

しかも、このグラフでは日本人エクスパットの減少は緩やかに見えますが、今回のコロナによる外国人の入国禁止が契機となり、「やがてタイ経済の没落が始まる(その2)」で書いたように、タイバーツ高により、日本企業のタイ撤退が懸念されるだけでなく、コスト軽減のための現地法人運営に関するこれからのニューノーマルは、人件費の安い現地雇用の日本人を増員し、ぎりぎりまで駐在員を減らすことになるそうで、この32,000人の日本人エクスパット全体に占める駐在員の数はもっと激しく減っていきます。

つまり、50,000バーツ以上の高い家賃の払える日本人駐在員が主なクライアントである日系賃貸仲介業者にとって、そのビジネス環境はますます厳しくなりつつあるわけです。

一方、トンロー通り周辺は、住人の25%が日本人駐在員とその家族といわれているほど、日本人が高いシェアを占めてきました。しかし、次々と新築のラグジュアリープロジェクトが竣工する一方で、駐在員が減り始めるとどうなるかというと、当然、賃貸物件の供給過剰が始まります。

その結果、入居者獲得競争の激化により、新築でも家賃が上がらなくなります。そして、新築好きな日本人需要は竣工したばかりの物件に流れてしまい、わずか築3年ぐらいの築浅物件でも空室リスクが高くなります。

従って、著書やこのブログでも書いているように、私はこれからバンコクで不動産投資をするとしても、賃貸運用する場合には、最初から日本人駐在員だけに的を絞るのはもうやめた方がいいと考えています。


にほんブログ村 投資ブログ 不動産投資へ
にほんブログ村

日系不動産仲介業者も苦しい展開に(その1)

日系仲介業者1

最近、現地のフリーペーパーである週刊ワイズが随分薄くなっています。基本的に
フリーペーパーは広告収入だけで成り立っているので、コロナ不況で広告を出す企業やお店がかなり減っているのだと思います。

HG2018_バンコクのコンド購入の教科書-01
以前、私も半年ほどこのワイズで不動産コラムの連載をさせてもらったし、年間誌のバンコクハウジングガイドで巻頭記事を書かせてもらったこともあります。また、エムクオーティエ・ビラットタワーでの同社主催の不動産セミナーで講演をさせていただいたこともあります。

週刊ワイズは確か発行部数が30,000部を超えるバンコク最大のフリーペーパーだったと思います。従って、当時は聞いたこともないような小さな日系不動産仲介会社も広告を出していたのですが、今のワイズを見ると、バンコクには50社以上の日系仲介会社があるといわれる中、昔から付き合いのある10社ほどが広告を出しているだけのようです。

最大手でもこういう状況なので、他の多くの隔週や月間のフリーペーパーは広告収入でもっと苦境に立たされているのかもしれません。

日系仲介業者3

さて、先日、某日系大手製造業の駐在員と飲んでいたのですが、今年4月に交代するはずであったタイの駐在員は、結局取りやめで交代は1年延期になったということでした。そして、多くの企業が同じような対応をしているとのことでもありました。

すなわち、日本企業の人事制度は、国内、国外とも4月と10月が異動期であり、今も外国人の入国規制が続く中、この分では10月の人員交代も難しそうなので、この会社の場合、来年4月までもうタイでの人事異動はしないと決まったそうです。

となると、私が普段付き合いのある所を含め、日系賃貸仲介業者の多くは、当初、このコロナ騒ぎが落ち着けば、やがて日本人駐在員の交代が始まるので要は時間の問題、とどこか高をくくっていたところがあったのですが、今年の新規移動が丸々なくなってしまうとなれば、1事業年度分の新規仲介料収入が吹き飛んでしまう可能性もあるわけです。

次回に続く

にほんブログ村 投資ブログ 不動産投資へ
にほんブログ村

27%もの価値が吹き飛んだバンコク不動産市場

価値減少1
前回、REICの発表では、完成在庫に関して現時点でコロナの影響がもっとも大きいのは、サムットプラガンの郊外市場ということでした。

一方、今回のグルンタイ銀行の調査結果では、バンコク首都圏の住宅不動産価値は5,700億バーツから4,200億バーツへと27%も減少したとのことです。つまり、不動産市場から1,500億バーツ、約5,000億円が消えてなくなったことになります。

これがどれだけ大きい数字なのか私にもピンときませんが、27%というのはかなりの下落です。私が今住んでいるオンヌットの自宅も、ロビーでオフィスを構える館内エージェント、バンコクレジデンスの担当者から、
2~3年ぐらい前には高層階のコーナーユニットなので170,000バーツ/㎡で売れるといわれていたのですが、今は150,000バーツ/㎡も難しいそうです。

しかし、27%も下落するということは124,000バーツ/㎡ということになり、いくら何でもそんなに値下がりはしてないようにも思えるのですが、郊外や駅から遠い物件、築年数のたった古い物件をも含んだ首都圏全体のことであれば、そういうこともあるのかもしれません。

また、新規プロジェクトの販売達成率も昨年の第4四半期が20%あったのが、今年の第1四半期は15%に落ち込み、第2四半期は12%へとますます売れなくなってきているとのことです。

もっとも、第2四半期はロックダウンのさなかなので、落ち込んで当然の事でもあり、第3四半期はいくらかは好転するはずだと私は思っているのですが...。

しかし、これについても、グルンタイ銀行リサーチセンターによれば、コロナの影響でタイ経済GDPは今年8.8%ものマイナス成長になりそうなことや、外国人投資家、特に中国人投資家の入国禁止が続いていることから、不動産需要はまだ減り続けるとのことで、極めて悲観的な見方をしています。

さらに、今年はデベロッパー各社が新規プロジェクトの売出しを抑えた結果、昨年比で40%も新規供給が減少すると予想されるにもかかわらず、それでも販売在庫は増え続け、今年は5%増になるとの予測です。

また、同銀行の不動産関連NPL(不良債権)も増加しつつあり、警戒が必要とのことで、これがさらに進むと、そのうち、建設途中で破綻するデベロッパーも出てくるかもしれません。

にほんブログ村 投資ブログ 不動産投資へ
にほんブログ村

結局、コロナの影響を一番大きく受けたのは郊外市場

値下りしたエリア1
REIC(Real Estate Information Center)の調査結果によれば、第2四半期のコンドミニアム市場はロックダウンの影響をもろに受けたとのことです。

特に、BTSグリーンラインでサムットプラガン県の奥、サムローングよりもっと先の終点に近いエリアの完成在庫の値下りが激しく、最大36%の値下りとなったとのこと。今、郊外の完成在庫にはどのデベロッパーも頭を抱えているようです。

一方、第3四半期は始まったばかりですが、一応、非常事態宣言は残るものの、ロックダウンも解除されて次第に平常に戻りつつあります。

値下りしたエリア2
しかし、先日、「ウィクリート・ムアンタイ(タイの危機)はまだまだ続く」で書いたように、日本とタイでは中小企業の定義は違うものの、日本の中小企業が350万社ほどであるのに対し、人口が半分のタイは300万社もあります。

そして、ここで働く人たちの収入が大きく減ったため、住宅ローンの与信が通らなくなり、今は100万バーツ前後のエントリークラスのコンドミニアムの引渡しがもっとも大きな落ち込みを示しています。

4~5年前はラグジュアリーコンドブームで20万バーツ/㎡を超える物件が飛ぶように売れ、やがてそのブームが去ると、今度は多くのデベロッパーが郊外の新線沿線等でロワーミドルクラスの実需を狙って5万バーツ/㎡程度のアフォーダブル市場に流れ込みました。

それが次々と竣工し、キャンセルによる完成在庫が積み上がった結果が、郊外での各社値引合戦です。プレビルドの場合、プリセールから竣工引渡し期限までのタイムラグは大体3年ですが、この間に市場環境が大きく変わったわけで、これがプレビルドの怖いところでもあります。

ところで、今度はデベロッパーは、収入減の比較的少ない大手企業等で働くアッパーミドルクラスの実需にシフトしつつあるのですが、市場全体の購買意欲が低迷しているので、やがてここもまたサチレートするような気がします。

従って、今は、デベロッパーが売り出す新規プロジェクトなど買うべきではないし、やはり、完成在庫の損切り狙いがベストということになります。これについては、「2020年下半期、どう動くバンコク不動産市場(その1)」で書いたCBREの、第3四半期はバーゲンハンターが動き出すという予想に賛成です。

その中でも特に、個人のダウンの投売りが狙い目ですが、ざっくりいってできれば当初プリセール価格より2割は安く買いたいところです。

しかも、何らかのアップサイドのある物件にターゲットを絞るべきなのですが、時々、生活者としての主婦目線だけで物件を見ている人に会ったりします。

賃貸ビジネスを主とする仲介業者なら主婦目線でもいいのですが、投資家の場合、投資と賃貸を混同せずに、新聞や調査機関の情報から中長期のトレンドを把握し、市場の構造と特性をも理解した上で不動産のアップサイドを見抜く必要があります。

もっとも、そういう私も読み違いはしょっちゅうありますから、やはり
海外不動産投資は難しいです。

にほんブログ村 投資ブログ 不動産投資へ
にほんブログ村

品確法のないタイ、隠れた瑕疵はこんなに恐い(その6)

見えない瑕疵7

私もこの方の相談を受けた後、日本のデベロッパーで働いていたころの元同僚で、施工監理を専門にしている1級建築士に意見を聞いてみたのですが、シロアリが発生したということは、コンクリートが相当な量の水を吸ってしまっているので、ここまでなってしまうと、もう一度、フローリングを全部はがしてフロア全体にわたってシロアリ駆除をした後、スラブを乾かしてから新しく張り直すしかないということでした。

見えない瑕疵8

また、
壁紙も下地に既にカビが生えている可能性がり、その場合、そこもはがしてやり直す必要があるとのことでした。

ところで、コンドミニアムの場合、管理会社がオーナーに代わって
ビルディング保険をかけているはずです。そして、給排水管は共用部であり、そこからの水漏れによる被害に対しては、保険金が出るはずなのです。

その後、サブロゲーションといって保険会社がデベ相手に損害賠償請求を起こすのですが、コンドミニアムのオーナーはそんなことに関わらずとも、保険金で修復できるのがビル保険のメリットです。

しかし、なぜかこの方の話では、管理会社はオーナーが個人で直してくれというばかりで、取り合ってくれなかったということでした。

詳しい状況がわかりませんが、管理会社がデベロッパーのいいなりの子会社であったのか、もしくは、この件については既に解決済ということで、今さら2次被害であるシロアリ被害については聞いてくれなかったのかもしれません。

いずれにせよ、この方への私のアドバイスは、日本に住むオーナーではこの状況にはとても対応できないし、既に保証期間の5年も過ぎているので、今からデベロッパーを引っ張り出すのも難しい。しかし、郊外物件で購入価格がそんなに高くなかったことが不幸中の幸いであり、早目に見切りをつけて、損切りになっても手放した方がいい、という結論になりました。

それと、さらに怖いのは、一つこういう大きな欠陥工事があるということは、著書で書いたパヤータイの欠陥プロジェクト例のように、他のところにも手抜きがある可能性が高いと思うのです。

「隠れた瑕疵」というだけに、いくら検査のプロでもこれを竣工検査で見つけるのは非常に難しいし、この例のように、大元の給排水管の瑕疵など、区分所有者にはチェックできません。

また、最高級グレードであってもデベロッパーによっては同様の問題を起こしていることから、この手のリスクを少しでも軽減するには、タイ人消費者から信頼されているブランドのデベロッパーを選ぶしか他に方法がないのです。

にほんブログ村 投資ブログ 不動産投資へ
にほんブログ村

品確法のないタイ、隠れた瑕疵はこんなに恐い(その5)

見えない瑕疵1

さて、この方の購入された物件のトラブルを、まず以下にまとめてみました。

1.問題となった物件は、A社開発の郊外にあるエコノミークラスのプロジェクト。

2.築4年目で、フロア元の排水管から水漏れが起こり、そのフロアにある複数のユニットに大量の生活排水が侵水。

3.
この写真からもわかるように、床は水浸しで壁も水につかり、フローリングだけでなく壁紙や壁に据付型のテレビボード等の家具、建具もダメージを受け、すべて交換するしかない状態となった。

4.しかし、デベロッパーは排水管の修理と床のフローリング張替えはやったものの、家具や壁紙の被害については責任を取らず、この補修はすべて個人負担となった。

5.コンクリートが相当量の水を含んだまま、デベがフローリングを張り替えたため、フローリングが湿ってしまい、その後、シロアリが発生。下の写真のようにシロアリ被害で広いエリアでフローリングが食われて欠ける事態となった。

6.これについては、デベロッパーはもう何の対応もしてくれない。

シロアリ被害

以上ですが、これが具体的にA社のどのプロジェクトかはいえませんが、こういう郊外のエントリークラスやエコノミークラスは、コスト競争で価格を抑えるので経年劣化が激しいだけでなく、瑕疵の修復に追加費用を出す予算もデベロッパーにはありません。

それもあり、このブログでも外国人の場合はできるだけアッパークラス以上の、それなりにクオリティのいいものを買うことを勧めていますが、それでも運が悪いと、こういうレイテント・ディフェクトに遭遇してしまいます。

次回に続く

にほんブログ村 投資ブログ 不動産投資へ
にほんブログ村

品確法のないタイ、隠れた瑕疵はこんなに恐い(その4)

Refurb8
ちなみに、「バンコク不動産投資(2020年度版)」で詳しく書いていますが、実は私も、トンローにある、まだ築浅なのにレイテント・ディフェクトにより、雨水が室内に入り込んだ結果、中がボロボロになってしまった1ベッドルーム(40㎡)を買ったことがあります。

Refurb7

当時、この物件を買った時は確か築4年だったと思いますが、いい加減な工事により既にファサードに亀裂が発生し、デベロッパーが補修しようともしないので、そこから雨水が室内に入りこんだ結果、壁一面にカビが生えていました。

腐った床

また、バルコニー側サッシ立上りのコーキングがうまく打たれてなくて、ここでもサッシ下から雨水が侵入し、床のフローリングが腐っていた状態でした。エンジニアリングウッドより水に強いとされるラミネート板がこんな状態になっていたのですから、もう何年も前から浸水が起こっていたものと推測できました。

これが日本なら、品確法により10年保証の対象になるのですが、この物件の場合、デベロッパーの対応が悪く、解決できないままとうとうこんな状態になってしまい、オーナーも絶望状態で投売り価格で売り出していたわけです。

だから私は、この物件を相場の半値、わずか6万バーツ/㎡ほどに買い叩けたわけです。そして、それを35万バーツかけてリノベーションした後、もともと賃貸運用するつもりはなかったので、できるだけ速く売るために、当時の相場よりも1割以上安い10万バーツ/㎡強で転売しました。

見えない瑕疵6
なお、リノベの内容としては、ファサードのクラックをモルタルで埋めて防水塗料で雨水の侵入を防ぎ、全部のサッシ周りのコーキングを打ち換えました(注:本来、タイでも一区分所有者が外壁やサッシの共用部を修繕することなど許可されないのですが、デベロッパーが直さない以上、自分の資産は自分で守るしかありません)。

Refurb6

また、もし万が一、将来少しぐらい雨水の侵入があっても大丈夫なように、床全体を腐らないセラミックタイルに換え、内側の壁には水を吸収し室内に蒸発させて湿気から壁を守る特殊なペンキ、つまり、アンダーアーマーのスポーツウエアみたいな塗料を壁全面に塗ってカビの発生を止めました。

余談ですが、税金等を差し引くと、
手間がかかった割に、結局100数十万円しか儲かりませんでした。タイ人投資家が税金のかからないゲンガムライで手っ取り早く儲けようとするのもわかります。

さて、ここで話を戻すと、最初にこの検査の専門家と一緒に現地で念入りに物件実査を行い、壁や床のダメージから見てコンクリートが爆裂を起こすほど深刻な雨漏りでなく、簡単な防水工事とコーキングの打ち換えで十分修復可能という結論になったので買うことにしたものです。

従って、漏水といっても入ってきた水の量にもよります。水道管が裂けて大量の水が中に入ってくるのと、雨季に大雨が降った時だけ雨漏りするというのでは建物の受けるダメージも違うからです。

では、次回は大量の浸水で修復不能となり、結局、新築で買ったのにレイテント・ディフェクトにより相当な損切りで処分するしかなくなった例を紹介します。

実は、これは
ある日本人の方が、大手デベロッパーA社からプレビルドで購入した新築コンドです。以前、私のところにどうしたらいいかと相談があったのですが、その方の許可を得ているので、その実例をここで紹介することにします。

次回に続く

にほんブログ村 投資ブログ 不動産投資へ
にほんブログ村

品確法のないタイ、隠れた瑕疵はこんなに恐い(その3)

クレーム

さて、ここで隠れた瑕疵に話を戻しますが、例えば、長く放置された完成在庫で、上層階や大元の給排水管から漏水があった場合、誰もいないその部屋に大量の水が回ってしまうことがあり、すぐに対応しなければ手遅れになってしまうので要注意です。

特に新築の場合、竣工引渡し後に次第に入居者が移り住んできて、日常的に生活をし始めて初めて漏水が始まり、給排水の欠陥工事が露見することが多いのですが、その時に空室であるユニットに大量の水が入り込んだまま放置されてしまうと、大きな問題になることがあります。

例えば、コンクリート打ちっぱなしの住宅を見て、コンクリートには耐水性があると勘違いしている人が多いですが、あれは透明な防水塗料を塗っているからであり、コンクリート自体は吸水性が高く、一度大量の水を吸ってしまうとなかなか抜けず、カビが生えたり、最悪、爆裂にもつながるので、漏水は実は木造住宅よりもコンドミニアムにとって大敵なのです。

ところで、私の理解では、タイの民法上の躯体に関する瑕疵担保責任は5年ですが、実際には一般的にデベロッパーは3年ぐらいしか面倒を見てくれません。

特に欧米の住宅業界でもよく問題になるレイテント・ディフェクト、つまり隠れた重大な瑕疵が、引渡し後、かなり時間が経過してから見つかった場合、資金力のないタイの中小のデベロッパーは全く無視するか、何だかんだと理屈をこねて逃げ回ることが多いし、大手でも無責任なところは対応が非常に悪くなります。

ちなみに、タイでもこのレイテント・ディフェクトの問題が多いことから、アフターケアをしっかりやってくれるデベロッパーに消費者の人気が集まり、3年ほど前、いくつかの大手デベロッパーは、これからはアフターケアを充実させて顧客満足度を上げると宣言していたのですが、2018年後半から始まった市場低迷で、最近はそんなことをいうデベはいなくなりました。

完成在庫が積み上がる中、「今や買ってはいけないバンコクのコンドミニアム(その3)」で書いたように、大手でさえも資金繰りが厳しくなり、今はとにかく資金回収を最優先にしているわけですから、
彼らとしてみれば、一旦引渡しが済めば、あとは経費がかかるだけの後ろ向きの仕事などやりたくないわけです。

「バンコク不動産投資・実践編」の第1章で「増え続けるクレームと欠陥工事」という項でも、具体例を挙げて解説していますが、タイではこういう話はよくあるのです。

もっとも、そういうことはタイ人消費者もよく知っているので、責任をもってアフターケアをしてくれるデベロッパーのブランドを重視するし、逆にビッグ10に入る大手であっても、多くのユーザーから嫌われているところもいくつかあるわけです。

これは、私の個人的見解ですが、施工監理をしっかりやってタイ人消費者から信頼されているデベロッパーはL社、Q社、L社、S社ですが、逆に最初から敬遠しておいた方がいいのはA社やO社です。ただし、これはコンドミニアムに関してであり、ネーウラープと呼ばれる低層住宅はまた違うようです。

次回に続く

にほんブログ村 投資ブログ 不動産投資へ
にほんブログ村

品確法のないタイ、隠れた瑕疵はこんなに恐い(その2)

竣工検査1
https://www.facebook.com/CondoNewb/videos/779711465872191/

ちなみに、これは建物検査のプーチアオチャーン(専門家、職人)が、買主側に立って竣工受入検査のチェックポイントについて解説しているビデオですが、タイ語はわからなくても見るだけでも十分参考になると思います。

タイは施工がいい加減なだけに、最近は消費者側も自分の買った大切な資産である住宅を守るために、厳しい竣工検査で対抗しようとします。その結果、こういった日本にはあまりいない検査のプロ集団がせっかく育ったのですから、プロの検査はお勧めです。

費用についても、もちろん広さにもよりますが、
コンドミニアムの場合、大体4,000~7,000バーツと大したことはありません。それに、この検査・完工報告書があると、引渡し後、そのまま賃貸せずに転売する場合には、ちゃんと専門業者が検査し、不良個所も修復したという一種の保証にもなります。

従って、ここで重箱の隅をつつくように相見積もりを取って金額が高いの安いのとケチるよりも、何千万円もする物件の大切な竣工検査をしてもらうのですから、どうせなら信頼できてしっかりしたレポートを出してくれるところに頼むべきです。

費用を節約したければ、むしろ、業者からキックバックを取る不動産仲介業者などを通さず、自分で直接発注し、完工検査にも立ち会うべきです。

ちなみに、私の場合、竣工検査の後、続けてフィッティングアウト(内装工事)に入る場合がほとんどなので、いつも使っているインテリアデザイナーと一緒に検査に立ち会います。

既に固まっている内装プランの中で、壁に鏡やラミネート板を使ったり、床をセラミックに交換したりする場合、壁紙が破れていたりフローリングに傷がついていたりしてもどうせ取り換えることになります。

従って、検査業者には不良個所として検査報告書に書かないようにしてもらうのですが、その代わり、水回りと建付け、空調等の機器据付には細心の注意を払って検査してもらっています。

なお、「バンコク不動産投資・実践編」第5章・投資の運用戦略「プレビルド引渡し前の竣工検査」の項でも、プロの検査を紹介しているので読んでみてください。

次回に続く

にほんブログ村 投資ブログ 不動産投資へ
にほんブログ村

品確法のないタイ、隠れた瑕疵はこんなに恐い(その1)

見えない瑕疵5
去年から新築コンドミニアムが売れなくなり、一方で続々と新しいプロジェクトが竣工してきた結果、売れ残った完成在庫が増え続けています。

各デベロッパーは新規のプロジェクト売出しをほとんどストップして、この完成在庫を一掃しようと懸命ですが、ロックダウンの影響が重なって景気がますます悪くなる中、完成在庫の増加に販売が追い付かない状態です。

同時に、売れてない新築物件は誰も竣工検査をしないので、半年、1年とほったらかしになってしまいます。そうこうしているうちに竣工当初は手直し工事のために現地に待機していた施工業者もいなくなり、いざ、新しい買主が引渡し検査をして瑕疵や問題点を指摘しても、なかなか対応してくれなくなります。

こうなってしまう原因の一つは、タイのデベロッパーは決済をして移転登記を済ませないと、ダメ工事の修復をやってくれないどころか、竣工検査もさせてくれないところがあるからです。

建物一棟単位で買う機関投資家などのプロであれば、リテンションといって購入価格の5%とか10%を最終支払いとして取っておいて、デベがダメ工事を全部修復したところで残金をリリースするという方法があるのですが、タイの場合、これだけいい加減な施工をしておきながら、まず先に全額払えというのですから、個人買主には非常に不利なわけです。

ただし、今の状況下では買主の立場も強くなってきています。先日、サイアミーズやセレスの
デベロッパーと面談した時も、非常事態宣言による外国人入国禁止で日本の買主がタイに来て引渡しに応じられない状況もわかるので、引渡し時期などは柔軟に対応するといっていたことから、デベロッパー各社も外国人への引渡しを優先していることがわかります。

要するに、ここで買主のダウンを没収したところで、また次の購入者を見つけるにはかなりの時間と費用がかかることを彼らも知っているわけであり、それであれば辛抱強く待とうとしているわけです。

もっとも、下手なタイ語でそういう交渉をするのは私であり、
買主には買い取る気持ちが実はもうない、などとわかってしまえば彼らの態度も変わるので、面談にも注意が必要ですが...。

以前、「竣工引渡しがきても焦らず引き延ばせ」でも書いたように、3年前であれば、デベはもっと強気だったので、なかなか引渡しに応じなければ、ダウンペイメントの没収をほのめかしてきたのですが、今はそんなことはありません。

従って、
もし、かなり時間のたってしまった完成在庫を引き取る場合は、今ならエスクローアカウントでのリテンションを条件に決済という交渉もできると思うので、最終決済の前にプロの竣工検査を入れて、とことん隠れた瑕疵がないかチェックし、特に水回りや建付けの悪いところは徹底的に直させるのも可能かもしれません。

もっとも、仲介業者経由で買っている場合であっても、彼らはデベロッパーからコミッションをもらっているので、結局、自分で交渉してみるしかないと思いますが...。

次回に続く

にほんブログ村 投資ブログ 不動産投資へ
にほんブログ村

竣工したセレス・アソーク(その4)

セレス5

人口800万の大都会バンコク。このユニットは、その中心部ともいえるアソークから周辺の
林立する超高層ビル群の夜景を見渡せる高層階角部屋です。

ただし、デベロッパーが無名で過去の実績もローライズしかないことから、ブランド価値がほとんどないというリスクもあります。従って、竣工検査にはプロを使った細かなチェックが必要だと思います。

しかし、施工さえしっかりできていれば、ロケーション的にも、構造的にも、バンコクではなかなか見つからない10年超の長期投資に耐えられる物件でもあります。

また、先日「今年も値上りが続くバンコクの地価(その3)」で書いたように、AREAの予測によると、今年の年末にはプルンチット駅前のワイヤレスロードの地価がいよいよ330万バーツ/タランワーと史上最高値を更新するとのことで、しかもそれでも駅周辺の一等地なら新規プロジェクトが400,000/㎡で開発出来るし、その価格なら売れるというレポートが出たところです。

ちなみに、バンコクを代表するCBDのマストランジット駅といえば、シーロム、プルンチット、チットロムなどですが、アソーク駅もそうです。その駅前にある新築スーパーラグジュアリーが230,000/㎡で買えるわけですから、土地勘のあるタイ人投資家であれば、この割安感はすぐにわかると思います。


いずれにせよ、最近のブログでも書いていますが、3年前まではまず誰も想像できなかった、今回の最悪の市場低迷も、そろそろ底値が近づいてきているように思います。

だからといって、焦って人気のない物件の安物買いをしても仕方がないので、「待つも相場」で物件選びは時間をかけてじっくりと吟味すべきです。しかし一方で、新築物件には竣工引渡し期限というタイミングもあります。

これまで、既に最後の投売りが始まっているということで推薦したトンロー駅近のLaviq、プルンチットのライフ・ワンワイヤレス、そしてこのアソーク駅前のセレスのような中長期投資に向いている新築プロジェクトは、タイミング的に今が底値買いのチャンスであり、これを逃すとダウンの没収でデベロッパーに戻るか、もしくは転売を諦めたオーナーの買い取りという形でリセール市場からなくなるからです。

にほんブログ村 投資ブログ 不動産投資へ
にほんブログ村

竣工したセレス・アソーク(その3)

セレス2

さて、次は同プロジェクトの構造についてですが、「損切りが始まったLaviqは要注目!」でも書いたように、ファサードには
最先端の強化Low-Eグラスを使っていて、これは経年劣化が少なく、しかも黒光りするハイテクイメージの精悍な外観が魅力です。

このセレスも同じで、前回の写真がその外観ですが、Laviq同様に存在感があり、格好いいと私は思います。

Low-Eグラスは以前は主にオフィスビル等の商業ビル外壁に使われていました。しかし最近は、その遮熱、UV遮断性能が向上しただけでなく、量産効果でコストも下がってきたのだろうと思いますが、そのデザイン性が受けて、次第に高級コンドミニアムにも使われるようになってきています。

また、道路を隔てて正面にあるアシュトン・アソークは、セレスよりロケーションは優れるものの、普通のRC構造です。

これも以前、このブログで書いたことですが、特別な耐風強度が必要な50階建ての超高層でありながら、鉄骨を使わないRCでしかもマッチ箱を立てたように極端に悪い
アスペクト比であることから、建物が受ける負担は相当大きい、と日本の1級建築士が指摘したこともあり、私は強度的な不安があるのではないかと思っています。

その点、セレスのグラスカーテンウォール工法は建物重量を大幅に軽くできるし、しかも四角い建物形状であることからアスペクト比も問題なく、構造は頑丈だと思います。

もっとも、こういう四角い形状は本来オフィスビル向きであり、表面積が大きく取れて開口部が広くなる長方形がコンドミニアムには理想なので、効率はあまり良くありませんが...。ただし、少なくともこのユニットは角部屋なので開口部は十分取れています。

そして何より、この工法の利点は天井から床まで全面ガラスにできるので、上の写真のような圧倒的に解放感があるパノラマビューが実現できることです。

今後賃貸運用する上で、70㎡となると家賃は80,000バーツ(28万円)近くになってしまい、このユニットを借りられる欧米企業駐在員や日本企業駐在員の数は限定されますが、このビューが他のコンドミニアムとの差別化につながるので、空室リスクを低く抑えられるのではないかとも思うのです。

次回に続く

にほんブログ村 投資ブログ 不動産投資へ
にほんブログ村

竣工したセレス・アソーク(その2)

IMG_20200704_105308

ところで、今回のコロナによるロックダウン等の影響で工事の方も大幅に遅れが出た結果、セレスもやっと今月竣工となったわけですが、運よくコンドミニアム市場での取引も次第に動きが出てきたところです。

セレス6

ちなみに、著書(基礎編)でも書きましたが、アソークではBTSスクムビットラインとMRTブルーラインの2つのメインラインが唯一都心部で交差することから、南北に位置する将来のCBD、ワンバンコクとラーマ9、東西にある既存CBDのセントラルルンピニーとEEC(東部経済回廊)への出発口であるバンナー交差点と、4方向の中心に位置するという絶好の職住接近型ロケーションであり、オンヌットと並び注目すべき駅です。

従って、この物件は約5,500万円と平均的な日本人投資家にとっては予算的に難しくても、資金に余裕がある香港やシンガポールの投資家が興味を持つポテンシャルを持っていると思います。


実際の引き渡しは9月か10月になりそうです。その頃にはコロナの影響も弱まり、外国人投資家、特に香港チャイニーズが戻ってくるのではないかと私は思っているので、昨年、私が自分の物件を売却した際に使った香港のエージェントのような、海外のブローカーを使ってみてもいいのではないかと考えています。

次回に続く

にほんブログ村 投資ブログ 不動産投資へ
にほんブログ村

竣工したセレス・アソーク(その1)

IMG_20200704_102222

BTSアソーク、MRTスクムビットの両駅から徒歩数分のセレス・アソークが今月竣工しましたが、来週末、高層階
2ベッドルームの予約権を売却したいという人がいるので、見に行ってきます。

上の写真は、デベロッパーがオーナーに送ってきた室内写真ですが、実は、1月にもオーナーから損切りでも売却したいとの相談があったものです。

当時はまだ工事の進捗度合が7割弱で、竣工予定も4月末ということもあって、ほとんどリセール取引の動きがなかったのですが、その後、コロナの影響でマーケットがさらに冷え込んでしまいました。

それもあって、オーナーも随分弱気になり、私は同プロジェクト内の他の売物件と比べても、価格については既に十分競争力があると思ったので、今はまだこれ以上の値下げはしない方がよいのではないかとアドバイスしたのですが、結局、売却を優先しさらなる値下げに踏み切りました。

セレス4

その結果、最初の1,670万バーツからさらに1,615万バーツまでもう一段売値を落とし、3年前のプリセール価格から213万バーツ(約750万円)もの値下げとなったわけです。

ところで、「2020年下半期、どうなるバンコク不動産市場(その2)」でも書きましたが、今の状況下では
下手にデベロッパーの投売りを狙うより、こういった個人の投売りの方がよほど投資妙味があると思っています。

実際、CBDのアソーク駅前一等地で、高層階2ベッドルームの角部屋がプリセール価格からさらにここまで安く買えるチャンスなどなかなかありません。

次回に続く

にほんブログ村 投資ブログ 不動産投資へ
にほんブログ村

今年も値上りが続くバンコクの地価(その3)

2020年地価上昇3
ところで、実際に300万バーツ/タランワーで用地取得して30階建てのコンドミニアムを開発した場合のフィージビリティスタディをAREAがしてみたのがこの計算です。

それでも400,000バーツ/㎡で販売が可能になったとのことで、市場が低迷するついこの前まで、このあたりで販売していたコンドミニアムは600,000/㎡の値段がついていたものもあったが、それは市場度外視の価格であった、ともいっています。

その結果、400,000/㎡であれば、このエリアであればそうおかしな価格ではないので、たとえ用地が300万バーツ/タランワーであってもコンドミニアムの開発は可能だという結論です。

AREAのコメントは以上ですが、ここでいっている600,000バーツ/㎡というのはサンシリの98ワイヤレスのことだと思いますが、確かにあれはグレードはすごく高い様ですが、市場を無視したような値付けだったので、お金に糸目をつけないタイの富裕層やシンガポールや香港のお金持ちが買っていたようです。

今となっては相当な含み損を抱えているのではないかと思いますが、ああいう連中は気にしてないでしょうから構いませんが、これからワイヤレスロードの一等地でスーパーラグジュアリーが400,000バーツ/㎡で出てくるのであれば、市場さえ回復すれば買い手は出てくると思います。
もっとも、外国人不在の今はまず売れないと思いますが...。

そういう意味では、以前「ライフ・ワンワイヤレス、最後の投売りは買い!」で書いたように、駅からは確かに少し離れていますが、ワイヤレスのフリーホールドが17万バーツ/㎡台で買えるというのは、我々のような予算が数千万円の個人投資家にとってはチャンスでもあり、今のような低迷期だからこそだろうと思います。

ところで、この計算書からもわかりますが、これまでに私が何度も書いてきたように、タイのデベロッパーは粗利で30%を平気で取ります。

私が日本のデベロッパーで働いていた時には、マンション開発の場合、15%が設定利益であったし、今はもっと厳しくなったと聞いています。そういう意味で、タイのコンドミニアム開発の事業は日系デベロッパーにとってもおいしいビジネスだと思うし、数年前に続々とタイに進出してきたのもわかります。

もっとも、今はどこも完成在庫を抱えて大変なので、先日も某デベロッパーと話したときに、先行して進出してきた地所、三井不以外は結局、どこも儲かってなどいないのではないかということでしたが、私も多分そうだろう思います。

しかし、このことは逆にいえば、我々は竣工後すぐに売らなければならないデベロッパーではないので、投資家として絶好の買いのチャンスが近づいてきているとも思うのです。

にほんブログ村 投資ブログ 不動産投資へ
にほんブログ村

今年も値上りが続くバンコクの地価(その2)

2020年地価上昇4
ここで彼らのレポートを検証するために、私の方でもタイ中央銀行が継続して調査発表しているバンコクのコンドミニアムと地価の推移をグラフにして比較してみました。

すると、確かにAREAのいう通り、昨年4月に始まった住宅ローン規制やタイバーツ高による外国人投資家の激減、米中貿易戦争の煽りを受けた景気低迷という中で、昨年前半はコンドミニアム価格も地価も、他の3回のマーケット低迷期(リーマンショック、大洪水、反政府運動)よりも大きな失速低迷が起こっています。

しかし、なぜか10月あたりからまた上昇に転じていて、結局年度末にはコンドと地価のどちらとも上昇しているのがわかります。

このグラフは調査開始の2008年から12年間で作成したので、過去3回の低迷時の影響がほとんどなかったように見えますが、これを月次ベースにして5年間のグラフにすると、実際には当時も市場が低迷していたことがわかります。

逆にいえば、この長期スパンのグラフでも今回の低迷が明らかに見て取れるということは、過去の3回に比べてかなり大きな市場悪化であったということです。
残念ながら、中央銀行が統計を取り始めたのが2008年3月からなので、1997年のアジア通貨危機の時の動きと比較することはできませんが。

ただし、コンドミニアムの場合、これは新規プロジェクトの販売価格であり、過去に用地取得していた土地代の影響が大きいと思います。

従って、価格が上がったからといって売れ行き好調とは限らず、実際のコンドミニアム市場は今、大量の完成在庫を抱え、新規プロジェクトはほとんど売れてないという大変な状況です。

一方、土地については、AREAのようにアスキングプライスをも反映するのではなく、中央銀行なので、多分、土地局で移転登記された売買事例をもとにインデックスを作成していると思われ、こちらの方がより市場の実態を表しているように思います。

それによると、昨年末には地価が値上りに転じていることはわかりますが、AREAのグラフのように14%もの値上りはしていません。

また、コロナの悪影響が本格的に出てきたのは4月以降なので、これについてもまだ中央銀行の数字が出ておらず、AREAのいう通り、2020年は本当にCBDの地価か過去最高値を更新するかもまだわかりません。

次回に続く

にほんブログ村 投資ブログ 不動産投資へ
にほんブログ村

今年も値上りが続くバンコクの地価(その1)

2020年地価上昇
AREAの最近の調査によると、バンコク首都圏の地価上昇は止まっておらず、上の写真の説明にあるように、CBDのひとつ、セントラルルンピニーの最高地価が今年は330万バーツ/タランワーとなりそうだということです。

2020年地価上昇2

これは大体290万円/㎡ということになりますが、日本人の感覚からすれば、赤坂や六本木で超高層建築物が建てられる容積率の一等地が、わずか1,000万円/坪で買えるはずがないので、全然高いとは思いません。しかし、バンコクではこれまでの最高価格の更新です。

こんなにタイの経済が悪い中、なぜ地価が上がるのかと不思議に思う人も多いはずですが、正直、私も今年の地価は横ばいか、ひょっとすると下がるのではないかと思っていました。

これに対するAREAの説明が以下です。

1.バンコク各地で工事中が進んでいるマストランジットシステム新線により、その沿線が将来良くなるという期待から首都圏の多くの地点で地価が値上りしている。しかし、パープルラインの例にあるように、新線沿線だからといってコンドミニアムをつくりすぎると、供給過剰に陥る可能性もある。今のところ、デベロッパーは新規開発の用地取得を見送っているので、期待先行で売出し価格が値上りしている。

2.コロナの影響による市場悪化で不動産が売れなくなっているにも関わらず、土地の売り手は強気であり、AREAの鑑定価格より1割から2割高い投機的な価格で出ている。

3.CBDでは新線が開通するわけでもないのに地価が上がっている理由は、郊外の新線が都心部に来る路線と連結されるので、そこから乗り換えて都心部にますます人が集まってくることを見越して、CBDの地価も上昇している。

次回に続く

にほんブログ村 投資ブログ 不動産投資へ
にほんブログ村

2020年下半期、どうなるバンコク不動産市場(その2)

GDP
これは、最近IMFが公表したタイの実質GDP成長率予測です。コロナによるロックダウンや外国人観光客の入国禁止で経済が相当犠牲になった結果、マイナス6.7%と、この分布地図にあるようにベトナムやカンボジア、マレーシアといった周辺ASEAN諸国に比べても大きな落ち込みになりそうです。

ただ、アジア通貨危機の例を見てみると、当時もマイナス7.6%と落ち込んだものの、短期間でリバウンドしたこともあって、コロナ制圧に成功したタイ経済は来年にはリバウンドすると、IMFも考えているようです。

従って、不動産市場も同様に、来年あたりから回復が始まると考えてもいいように思うのですが、外国人が買えない低層住宅と違って、コンドミニアムの場合、外国人投資家が戻ってこないとリバウンドは難しいという市場特性があります。

中国人の人気
そうなると、やはり、今、世界で一番タイの不動産を欲しがっている中国人投資家の動向が、コンドミニアム市場復活の鍵を握っていることになります。

以前、「ノーブルのセールスプロモーションには裏がある?(その1)」の中で、デベロッパー業界の内輪話として、「コロナの影響で、今は中国人バイヤーの動きがほぼ完全に止まっているが、これはバンコクのコンドミニアムに対する需要がなくなったわけではなく、むしろ、中国人バイヤーの間では、タイは世界で一番投資したい国へと人気がさらに上昇している。
 従って、コロナが落ち着けば、以前にも増して中国人投資家が戻ってくる、というのがタイの多くのデベロッパーが描く将来予測であり、ロケーションや間取り等、条件のよい物件は無理に値引きせず、中国人バイヤーが戻ってくるまで温存しておこうと考えるデベロッパーが増えている。
 しかし一方、資金繰りが苦しいデベロッパーは、同時に完成在庫の処分も速やかに進めなければならず、そういう彼らが始めた戦略が、中国人投資家がまず買わないような郊外の不便な物件、そして、都心部でも低層階、間取りが悪い、眺望が遮られているといった、タイ人しか買わないような物件をまず先に格安で処分する」という話を聞いたと書きましたが、デベロッパー各社も中国人投資家が市場低迷の突破口だと考えているわけです。

実際、最近のノーブルのセールの場合、プリセール価格へのリセットはいいのですが、ノーブル・プルンチットは「うなぎの寝床」みたいな間口の狭いユニットが中心、リコールもバルコニーに目障りな柱があるユニット、APのワンワイアレスにしても、1,300ユニットを超す大型プロジェクトでありながら、今回のセールはわずか13ユニットのみで、しかも2ベッドルームは1つもなく、小さい1ベッドルームやスタジオのみであることなどを考えると、
やはり、中国人投資家の再来を手ぐすねを引いて待っているのかもしれません。

それもあって、最近私は、デベロッパーから買うよりも、むしろ、タイ経済悪化の影響をもろに受けて、竣工引渡しが近づいても減収でローンがつかず引渡しに応じられないタイ人や、
急激なバーツ高による予算オーバーやロックダウンで入国できない外国人投資家が、切羽詰まってダウンの投売りをしてくるのを狙う方が、プリセール価格以下での底値買いのチャンスがあると考えるようになりました。

一方、築浅中古を格安で買うというのもありなのですが、既に中古になっているということは、住宅ローンがついて引渡しを受けているので、売主もダウンの投売りのように損切りしてでも処分しなければならないというケースは少なくなります。

にほんブログ村 投資ブログ 不動産投資へ
にほんブログ村

2020年下半期、どう動くバンコク不動産市場(その1)

CBRE予測1
以下は、最近CBREが年初からの市場動向と今後の予測について、デベロッパーや不動産投資家、実需層に対し聞き取り調査を行った結果、出てきたコメントです。

タイバーツ高やLTVのローン規制により、昨年後半から始まった住宅市場の低迷は、今年に入ってやや回復の兆しが見えたが、その後のコロナの影響でまた失速することとなった。

ただし、コンドミニアム以外の戸建てやタウンホーム等の低層住宅市場は、
少なくとも3月までは取引も活発で特にコロナによる大きな影響を受けていなかった。

それが、ロックダウンが始まった4月以降、物件を見にくる客が激減し、低層住宅市場までもが、取引が止まってしまった。

ただ、5月以降、ロックダウンの緩和に伴い、低層住宅市場は回復途上にある。しかし
、コンドミニアム市場については、外国人の入国禁止が続く間、自己居住目的の実需層、及び賃貸運営目的の投資で買うタイ人投資家だけが市場の主役である状況が続く。

ところで、昨年からの市場低迷でデベロッパーが多くの新規供給を延期したため、供給過剰が改善され、需給もバランスしつつある。

従って、今後はまず最初に
第3四半期に入ると、この市場の主役であるタイ人の実需層や投資家層が、今の買い手市場の中、割安な物件を底値買いで購入し始める。

そして、その後、第4四半期には、外国人投資家もタイに入国できるようになると予想され、それに合わせて、竣工物件の引き渡しに応じるために、既に購入していた外国人投資家がタイに戻ってくる。その結果、これまで引渡しが遅れていた物件の移転登記が行われ、売買が完了する。

ただし、コロナ以前の頃のように、新規プロジェクトのマーケットも回復するかというと、それはコロナのワクチンができるまで難しい。

概略はこんなところですが、要するに、年内に外国人投資家が戻ってきて、リバウンド的な力強いコンドミニアム市場の回復が起こるかといえば、それはまず望めないということだと私は思います。

次回に続く

にほんブログ村 投資ブログ 不動産投資へ
にほんブログ村

サイアミーズスクムビット48、地上50階のビューが圧巻

insider1

つい昨日、日本のクライアントから依頼されて、オンヌットのサイアミーズの購入予約権の損切り売却を引き受けたので、このブログでも紹介させてもらいます。

本来、私は仲介はあまり積極的には引き受けないのですが、この方は以前、「関西住宅産業協会」様が主催した、私のバンコク不動産セミナーにも参加されており、その後もコンサルティングのクライアントとして有料で相談に乗っていた縁から、今回、どうしてもと頼まれたので引き受けることにしたものです。

そこで早速、今朝、上のような広告をタイ語と英語で作成し、
リビングインサイダーを始め5つの直接売買サイトに掲載したところです。
https://www.livinginsider.com/livingdetail/499141/Japanese-Owner-sells-his-Down-at-a-loss-of-112M-baht.html

リビングインサイダーでは、わずか2時間ほど前にアップしたのですが、現時点で39人がこの物件を閲覧中になっています。

そして、既に2つのエージェントからコーエージェントの申し込みが入りました。彼らも商売なので、これはというある程度インパクトがある価格でなければ時間の無駄になってしまい、コンタクトしてきません。

insider6
さて、このクライアントの方は、私が2015年に上梓した最初の著書である「バンコク不動産投資・基礎編」で、これからはオンヌットがもっとも有望と勧めてきたこともあって、このプロジェクトを購入したのだろうと思います。

私としても、2016年の時点でオンヌットを選んだことは正しい選択であったと思うし、実際、この直近60日間のランク表を見ても、タイ人の間では今もラーマ9をおさえてオンヌットが人気1位です。

それに、このブログや最新著書「2020年度版 バンコク不動産投資」でも書いているように、脱日本人駐在員で投資するのであれば、これからはフリンジからミッドタウン、つまり、BTSでいえばオンヌットからウドムスクにかけてのエリア(シティフリンジのプラカノーンも入れていいと思います)が狙い目です。

ただし、残念ながら今回のコロナで市場は総崩れとなっていて、いくらオンヌットといえどもその影響をもろに受けてしまっています。

従って、今の完全な買い手市場の中、タイミング悪くこのプロジェクトは今月末が引渡し期限を迎えるため、他からも同様の投売りが出てきています。

そこで、この方には以前、「竣工引渡しがきても焦らず引き延ばせ」で書いたように、できるだけ引渡しを引き延ばして時間稼ぎをするようにアドバイスしてきたのですが、どうもサイアミーズというデベロッパーは、アナンダのようには簡単に先送りに応じないようにも思えます。

特にこのプロジェクトは、TQ(タイ人枠)の場合はダウンが15%に対し、FQ(外国人枠)のダウンは30%とかなり高いこともあり、デベロッパーが戦略的に
外国人枠の物件のみ手付金没収で契約を解消してくる可能性もあります。
注:その後、なんだかんだと理由をつけて引き延ばしてきているので、今もこの予約権は生きています

従って、デベロッパーに3割ものダウンペイメントを丸取りされてしまうのであれば、最悪は引渡しを受けて買い取るしかないと思いますが、この際、あまり欲は出さないで、最初からベストプライスとした方がいいと考え、今回、プリセール価格から2割近い値引きである112万バーツ、つまり400万円近い損切りに出たわけです。

その結果、44.27㎡の新築1ベッドルームが505万バーツ、114,000バーツ/㎡というインパクトのある価格になりました。

insider4
しかも、このプロジェクトは全ユニットが天井高4.4メートルのメゾネットタイプであり、この売却物件は31階ですが、実質は通常のコンドミニアムの50階相当の高層階にあります。

また、北西向きのシティビューなので、西日が入るのも夕方ぐらいで午後も特別暑くはならず、しかも夜景がきれいです。

insider2
この写真は33階からデベロッパーが撮った夜景ですが、こんな夜景が広がっているわけです。私もこれまでに数回、トンローのマリオットホテルにあるルーフトップバーでお酒を飲んだことがありますが、毎晩、自分だけの空間からそのルーフトップバーと同じような夜景を見ながら過ごせるというのが魅力です。

insider3

ちなみに、ミッドタウンフリンジであるオンヌットに突然、高さ200メートルもあるコンドミニアムが出現したわけですが、
私などはこれを見ると、ニューヨーク・マンハッタンの432パークアベニューを思い出します。有名映画スター等の芸能人が多く住む超高層コンドミニアムで、非常に興味深いプロジェクトでもあります。

insider5

にほんブログ村 投資ブログ 不動産投資へ
にほんブログ村

ライフ・ワンワイヤレス、最後の投売りは買い!(その2)

ワンワイヤレス9

さて、ちょっと間が空きましたが、ライフ・ワンワイヤレスの続きを書きます。

このところ、コロナの影響で思わぬコンドミニアムの買い場がやってきつつあるので、これまでいくつかの興味深いプロジェクトを紹介してきました。

トンローのLaviq、プリセール価格で買えるアソークのノーブル・リコール、間口の広いユニットであれば検討の価値があるノーブル・プルンチット、昨日のサイアミーズ・スクムビット48、そして、このライフ・ワンワイヤレス。

今回、デベロッパーであるAPがこのワンワイヤレスの特別値引きセールで売り出しているのは、小さい1ベッドルームばかり13ユニットで、これまでに既に8ユニットが売れ、この写真にある5ユニットが残っています。

この中では、28㎡や35㎡の1ベッドルームではちょっと狭いので、今回のセールで敢えて外国人投資家が選ぶとすれば、2つある38㎡タイプだろうと思うのですが、セールが始まってから1週間が経った今、この2つともまだ売れ残っています。ということは、ここで買っているのは実需のタイ人がほとんどなのだろうと思います。


ワンワイヤレス11
ノーブルのセールの場合、タイ人かワークパミット保有の外国人限定ということだったので、日本在住の投資家には買えませんが、実はこのワンワイヤレスもลดเพื่อชาติ(タイのための値下げ)とあるので、タイ人限定のセールなのかもしれません。

もしそうであれば、先日、「ノーブルのセールスプロモーションには裏がある?(その1)」で「
コロナが落ち着けば、以前にも増して中国人投資家が戻ってくる、というのがタイの多くのデベロッパーが描く将来予測であり、ロケーションや間取り等、条件のよい物件は無理に値引きせず、中国人バイヤーが戻ってくるまで温存しておこうと考えるデベロッパーが増えている」と書いたように、外国人投資家不在の中、今のセールは、外国人が買わないような28㎡や35㎡の狭小ユニットばかりを、タイ人をターゲットに販売しているように見えます。

それであれば、無理にデベロッパーの特別セールのサイトで探す必要はなく、私がいつも書いているように、直接売買市場で自分で探すのがベストです。

しかも、この場合、売主側に仲介業者がいなければ余計なコミッションがかからないし、エージェントが絡んでいても、基本的にタイは売主が仲介料を負担するので、買主は別途仲介料を取られる両手商売をされることはありません。


ワンワイヤレス10
そこで、私が先ほど簡単に検索して拾ってきた、45㎡の購入予約権のリセールだけでもこれだけありました。外国人投資家不在のため、本来、こんな時期に出てこない希少物件が転売できずに出てきているのです。しかも、買値で処分というものも結構出てきているので、ここから交渉してさらなる値引きが取れるはずです。

ライフ・ワンワイヤレスは前回書いたように、そのロケーションとフリーホールドであることにアップサイドがあるので、希少価値のある45㎡タイプの物件を2017年のプリセール価格よりかなり安く買えるのであれば、それは買いだろうと思うのです。

もちろん、今後さらにマーケットが悪くなりもっと価格も下がるかもしれません。しかし、その頃には、15
~17万バーツ/㎡で広めのワンワイヤレスが買えるというチャンスはもうなくなっているかもしれません。築浅中古を買うのと違い、竣工直後の購入予約権の投売りを買う場合は、どうしても引渡期限というタイミングがあるわけです。

昨日、紹介したサイアミーズ・スクムビット48も同じで、デベロッパーが引渡期限の延期に同意しない場合、もし期限までに引渡しに応じてなければ、多分、7月末頃には手付金を没収され、契約解消になっていると思います。そして、それ以降はプリセール価格を2割も割り込むような投売りはもう出てきません。

ドルバーツレート
ところで、つい先日、「コロナを制して再び独歩高を始めたタイバーツ」でタイバーツがドルに対して31.66バーツまで高くなってきたと書いたところですが、この1週間でさらにバーツ高が進み、今日は31.34まで進んでいます。

残念ながら、マーケットはタイバーツのヘイブンカレンシー(避難通貨)としての価値に再度注目し始めているようで、やはりバーツの独歩高がこれからも続きそうに見えます。

その場合、日本人だけでなく外国人投資家全体にとって、物件価格は安く買えても為替で割高になるというジレンマもあるので、今後ますます難しい決断が必要になりつつあります。


にほんブログ村 投資ブログ 不動産投資へ
にほんブログ村

ライフ・ワンワイヤレス、最後の投売りは買い!(その1)

ワンワイヤレス2
私が2018年に上梓した著書、「続・バンコク不動産投資」を持っておられる方は、改めて第1章4項の「完売したはずなのに、続々と出てくる損切り物件」のところを読み返してもらえればと思います。

そこで私は、このプロジェクトのプリセールについて書いたのですが、「Life Asoke-Rama9の投売り(その1)」でも例を挙げた、APと三菱地所の購入者の買う気を煽ろうとするちょっといやらしいオンラインセールの走りとなったのが、このワンワイヤレスです。

ワンワイヤレス3
当時、私自身はこのプロジェクトのロケーションの良さと、この周辺はフリーホールド(土地所有権付き)プロジェクトが少なく、希少価値があることから、このライフには非常に興味を持っていて、自分も買いたいと思っていたので、プリセールの1週間ほど前に現地を見に行っています。

さらに、プリセールの数日前にもまた、現地を見に行ったのですが、その時はこの写真のように、既に順番待ちをする人たちがいました。

ちなみに、ロワースクムビットに勝るとも劣らない最高級住宅地でもあるセントラルルンピニーといえば、ラーチャダムリ、ランスアン(公園裏通り)、ウィタユ(ラジオ通り)の3つのタノン(大通り)に代表されるのですが、この辺りは7割以上の建物がリースホールド(借地権)であり、フリーホールドというだけでプレミアムが付きます。

余談ですが、タノン・ウィタユのウィタユは“
ラジオ”の意味で、昔、ラジオが中心だった時代に、この通りにはラジオ局が集まっていたことから、ラジオ通りと呼ばれたそうです。そして、ラジオは無線なので、英語で無線の意味であるワイヤレス通りと呼ばれるようになったと聞いていますが、本当のところはわかりません。

いずれにせよ、この3つの通りのアドレスは、タイ人にとっても憧れのアドレスであり、このプロジェクトのあるワイヤレス通りには、あまり日本人は住んでいませんが、欧米人の賃貸需要があり、空室率も低いことから投資先としては決して悪くないロケーションなのです。

ワンワイヤレス
それもあって、私も45㎡か63㎡の2ベッドルームなら買いたいと思っていたのですが、この後のオンラインセールで開始後わずか5秒もしないうちに販売予定の100ユニットが全て完売となったのを見て、嫌気がさして買うのをやめました。

つまり、一般の公開入札といいながら、私のような一般の購入者がわずか5秒で名前や連絡先を記入できるはずもなく、すべてのユニットが事前に購入者が決まっていたということです。

そして、この翌日には著書の32ページで載せたリストにあるように、40件近い物件が転売目的の再販で出てきたのです。明らかにこれには何らかの裏があります。

前回、ノーブル・リコールに関して「ノーブルのセールスプロモーションには裏がある?(その2)」の中で、「
実はその後、業界関係者の間では、ノーブルの役員や従業員が転売目的で予め買い占めていたのではないかという噂が出ていました。ことの真偽は分かりませんが、こちらのデベロッパーはノーブル以外でもこういうことをするところがほかにもあります」と書きました。

従って、このプロジェクトもデベロッパー側の関係者が小遣い稼ぎで買ってすぐに転売しようとしていたのかもしれず、この国ではこういう顧客なえがしろのおかしなやり方をするところがあるので、嫌気がして買うのをやめたわけです。

もっとも、JVを組む三菱地所も、日本の宅建業法の観点から、予め購入者が決まっている物件を一般販売の競争入札のように見せかけるなど許されないので、止めようとしなかったのかとも思うのですが...。やはり、金は出しても口は出せなかったのでしょうかね。

正直、このプロジェクトは所詮、中級ブランドであるライフです。モデルルームを見ても、デベロッパーがオーバーデコラティブに内装したところを無視して、本来の基本スペックだけを見ればわかりますが、ハイサッシでもない、天井高も2.7メートル、ワッサドゥも中級とセグメントでいえばアッパーからハイクラスのグレードです。

ただ、このロケーションで平均価格が17万バーツ/㎡台というのが当時の市場からすればリーズナブルでお買い得感があったのも事実です。そして今、高層階ユニットの竣工引き渡し期限が近づいてきており、焦った購入者から予約権の投売りが始まっています。

これについては、同著書の第4章3項「プレビルドはプリセールか竣工直前直後の投売りを狙え」で書いてもいます。しかし、現在、投売りで出てきているのはほとんどが30㎡前後のスタジオと1ベッドルームばかりです。

この一等地でこういう狭小物件は中途半端で借り手もおらず、空室リスクが高いので買っても仕方がありません。やはり狙いは45㎡か63㎡の2ベッドルームなのです。

本来ならこういう希少価値のある2ベッドルームの物件は投売りでは出てこないのですが、それが今回はコロナの影響もあり、普通なら出てこないはずの物件まで出てきているので、要注目なのです。

では、次回は具体的にどんな物件が出てきているのか見ていくことにします。

次回に続く

にほんブログ村 投資ブログ 不動産投資へ
にほんブログ村

ノーブルのセールスプロモーションには裏がある?(その2)

ノーブル4
昨日のブログに関し、ノーブルのサイトにログインする方法を読者の方が教えてくれたので、今朝、このReset Priceのサイトに入ることができました。

結局、今回の特別セールのサイトには、タイ人は誰でも入れるのですが、外国人の場合、ワークパミットを持ってないと入れないようです。

私が現地の会社にワークパミットを取ってもらってタイの不動産ブログを書いていたのは、実際には4年前までなのですが、一応、今もワークパミットあり、ということで再度登録し直すと、無事、このサイトに入ることができました。

このことは、逆にいえば、昨日私が書いたように、基本はタイ人顧客がメインターゲットで、大半の外国人投資家は今回の特別価格が見られないようになっています。

従って、最初に私がやったようにワークパミットがないということで登録してしまうと、自分は日本人だと書いているのに、なぜか中国語のページに飛ばされてしまい、メールアドレスや電話番号を記入するようになっています。従って、ノーブルはここで中国人バイヤーの顧客情報を収集しようとしているように思います。

ノーブル6

いずれにせよ、これでノーブル・リコールの販売物件は26ユニットあることがわかりました。この中で眺望の良い10階以上で、しかも北向きのユニットは上の6ユニットだけです。

価格については、2014年当時のプリセールの時に私も現地のモデルルームを見に行ったこともあって、今も覚えていますが、平均プリセール価格は180,000/㎡でした。ただし、最初の2日間に購入した人は、さらに5%の特別値引きがもらえるというものでした。

従って、確かにこの価格は6年前に売り出した当初の価格であり、もし、バンコクで現在、駐在員としてワークパミットを持って働いている人で、不動産投資を検討している人であれば、この6つのユニットの購入は決して悪くないチャンスだと思います。

ノーブル5

なお、参考までに当時のThink of Livingのプロジェクトレビューのグーグル翻訳を添付しておきます。日本語的にちょっとおかしいですが、何となくわかると思います。

ノーブル共通の弱点は、ワッサドゥ(建築資材)である洗面台やクローゼット、キッチン周辺の物入等が安っぽいことですが、このリコールもノーブル・プルンチット同様、貧弱です。(注:この訳では資料となってしまっていますが、この部分です)

また、このプロジェクトは即日完売したわけですが、当時、私はブログの中で、翌日には100ユニットを超す転売が早速出てきたことから、いくら何でも何かおかしいと書いたのを覚えています。

実はその後、業界関係者の間では、ノーブルの役員や従業員が転売目的で予め買い占めていたのではないかという噂が出ていました。ことの真偽は分かりませんが、こちらのデベロッパーはノーブル以外でもこういうことをするところがほかにもあります。

いずれにせよ、同プロジェクトは、この2014年のプリセール価格であれば、さすがに損はしないと思うので、私も個人的には10B6か15B1なら買ってもいいのではないかと思います。

しかし、残念ながら、ワークパミットを持っていないので私は買えませんが、
もし、駐在員で投資物件を探している人がいれば、この6つのユニットはお勧めです。

にほんブログ村 投資ブログ 不動産投資へ
にほんブログ村


ノーブルのセールスプロモーションには裏がある?(その1)

ノーブル1
前回、「いよいよ底値買いのチャンス到来間近か?」でノーブルが当初のプリセール価格に値下げするというセールスプロモーションを紹介し、これには私も興味があると書きました。

それで、この中でもっとも興味のあるノーブル・リコールの販売物件の内容を見ようと、
早速その日のうちに、この1週間限定オンラインセールに登録したのです。

しかし、この通り、中国語のページが出てくるだけで販売物件の詳細ページに入っていけず、その時は何かおかしいと思ったのですが...。

そして偶然ですが、昨日の土曜、会社名は出せませんが、大手デベロッパー業界の知人と朝からゴルフに行った際、この件を話したところ、実は今、いくつかのタイのデベロッパーが実行しつつある戦略がある、ということを聞かせてもらいました。

それが以下のような内容です。

中国人の人気
「コロナの影響で、今は中国人バイヤーの動きがほぼ完全に止まっているが、これはバンコクのコンドミニアムに対する需要がなくなったわけではなく、むしろ、中国人バイヤーの間では、タイは世界で一番投資したい国へと人気がさらに上昇している。
 従って、コロナが落ち着けば、以前にも増して中国人投資家が戻ってくる、
というのがタイの多くのデベロッパーが描く将来予測であり、ロケーションや間取り等、条件のよい物件は無理に値引きせず、中国人バイヤーが戻ってくるまで温存しておこうと考えるデベロッパーが増えている。
 しかし一方、資金繰りが苦しいデベロッパーは、同時に完成在庫の処分も速やかに進めなければならず、そういう彼らが始めた戦略が、中国人投資家がまず買わないような郊外の不便な物件、そして、都心部でも低層階、間取りが悪い、眺望が遮られているといった、タイ人しか買わないような物件をまず先に格安で処分してしまおうというもの。
 従って、ノーブルの今回のセールも、実はタイ人顧客がメインターゲットであり、高層階や角部屋等の魅力的な物件は中国人投資家向けに取ってあるので、今回はほとんど出てこないと思う」。

以上ですが、そういう裏があるのであれば、外国人が今回のセールに登録しようとすると中国語しか出てこない理由がわかります。彼らは今、日本人や欧米人ではなく、中国人投資家の潜在顧客情報を集めようとしているわけです。

また、メージャーデベロップメントがドンムアン近くの郊外に開発した、中国人を含め外国人はまず買わないプロジェクト、メイナーを半額処分するのもわかります。

ノーブル2
ところで前回、ノーブル・プルンチットはスペックが悪いので興味がないと書きましたが、この間取り図を見れば一目瞭然です。要するに「うなぎの寝床」なのです。2ベッドルームはまだ開口部がある程度広いのでいいですが、天井も低く、確か2.7メートルだったと記憶しています。さらに使ってあるワッサドゥ(建築資材)のグレードも今一つで、ラグジュアリーの名に相応しいプロジェクトではありません。

ノーブル3
それもあって、私は今回のセールではノーブル・リコールだけに興味があります。これも以前、ブログで書いたのですが、このプロジェクトは、昔はタイの貴族の子供たちが通っていた名門私立女子学校、ワタナースクールの広大な庭園が借景として見下ろせる北向きのユニットが買いです。

高層階である必要はありませんが、10階以上の中層階フロアであれば開放感のある眺望が約束されるので魅力的です。しかし、今回の販売ユニットを見ると、2階から4階ですが、これではちょっと低すぎます。

一つだけ15階の1ベッドルーム(34.5㎡)がありますが、この物件は173,500バーツ/㎡と他の低層階の物件に比べれば割高です。ただし、確かにプリセール価格です。しかし、ノーブルはいつもそうですが、プリセール最初の2日間限定で5%の特別値引きがあるので、厳密にいえば、最初に買った人はもう少し安く買っていると思います。

いずれにせよ、できればもう少し広い、45~55㎡のユニットが欲しいところですが、それは中国人投資家に200,000バーツ/㎡以上で売ろうと取ってあるのだろうと思います。

また、この写真では全ユニットから庭園が見えているものの、15階以外、Unblocked Viewとは書いていません。もしこれが南向きであったりしたら、もう私は買う気が失せてしまいます。

そこで他にも別のユニットは売りに出てないのかと探そうとしたのですが、先に書いたように、中国語のページが出るだけで、今回の売却物件の詳細が全く出てきません。

結局のところ、今回のプロモーションはプリセール価格へのReset Priceとか書いているものの、実態は外国人が買わないような不良在庫をタイ人に処分価格で売ってしまうのと、中国人バイヤーの顧客情報収集が本当の目的のように思えるのです。

もしそうであれば、こんな裏事情のあるセールには飛びつかない方がいいし、こんなことをやっていると、そのうちノーブルは、今の資金繰り状況から見て倒産するかもしれません。

ところで、
中国政府の海外不動産購入規制もあるので、タイの大手デベロッパーが期待するように、コロナが収束したらすぐに中国人投資家が大挙して戻ってくるかどうかは、私は疑問だと思っています。

しかし、著書の中で一部始終を書きましたが、昨年末、私は香港のエージェントを使ってスクムビット36に建設中であった55平米の1ベッドルームの購入予約権の転売に成功しました。当時は
市場が増々失速低迷しつつあったにもかかわらず、400万円近く儲けることができたのですが、これから再び香港バイヤーの買いが入ってくる可能性は高いと思っています。

今後、中国共産党政府が香港支配をしようと圧力をかけてくるほど、昨年同様、香港の中金持ち以上のアッパーミドルクラスや富裕層が、最悪の場合に備えてタイやマレーシアで再びコンドミニアムを買い始めると思うからです。

にほんブログ村 投資ブログ 不動産投資へ
にほんブログ村





  投資に関する質問等
お問い合わせ先:bkk.condostory@gmail.com

このブログが参考になったらシェアお願いします。
 
タイ情報ブログランキング
  最新記事(画像付)
   プロフィール

藤澤愼二 ฟุจิซาวะ ชินจิ

近況は以下のAmazon著者紹介で
https://www.amazon.co.jp/-/e/B082ZCRHZ4#nav-top

バンコク不動産投資2020年版
バンコク不動産投資 実践編
バンコク不動産投資 基礎編
英語に自信のある人にお勧め
    カテゴリー