東京新聞1
これはある意味三文記事なので、あまり深刻にとらえる必要はないと思うのですが、テレビでも放送され、タイコミュニティの間で賛否両論、ちょっと話題になっている話です。

実は数日前のことですが、プラユット首相の記者会見の席で首相の前でふてぶてしく足を組んでいた外資系新聞の女性レポーターに対して、イライラした首相がとうとう我慢できず、“Can you not put your leg down?! You’re crossing your legs like that before me. Can you? Your leg, your foot. Eh?”(“あんた、私の前で足を組んでいるが、足をおろせないのか? それ、その足だ!”)と怒ったという話です。(注:英字紙なので英語での表現しかありません)

しかもその記事の説明によると、彼女の足の組み方は普通の組み方でなく、足の先を高く上げて、つま先で記者会見に臨んでいるプラユット首相の方を指すようにして座っていたということで、首相がむっとなったのもわからないでもないです。

東京新聞3
上の写真はその時の
テレビ放送のスナップですが、まさに首相がその女性記者に対してタイ語の強い口調で注意をしているシーンです。

そして、なんとその女性レポーターが実は東京新聞の記者だったということで、欧米系でないところがちょっとびっくりです。もっとも、日本人記者ではなくタイ人記者ということですが...。

でも、日本人女性記者でなくてよかったです。もしこれが日本人記者だったら、今ごろタイの東京新聞は日本の恥だとかいわれてちょっと大変なことになっていたかもしれません。

東京新聞2
なお、これについては、こんなことで怒り出す首相はやはりリーダーとして器量が狭く相応しくないという意見と、タイでは目下のものが目上の人の前で足を組むのは失礼だという文化があり、この女性記者に非があるという意見の両方があるようです。

東京新聞4

ちなみに、私も東京では長い間、外資系投資銀行で働いていましたが、欧米人女性がミーティング等で足を組んで座るのはもともと文化が違うとわかっていたので何とも思わなかったし、アメリカの記者会見などはこんな感じで女性記者が大統領の前で平気で足を組んで座っています。

しかし、外資系だからといってなんでも欧米の真似をすればいいというものではなく、もし
大して親しくもなく年齢もずっと下の日本人が、シニアの立場の私の前で足を組んでいたら、男女を問わず随分偉そうな態度だなと、私も不快に感じたと思います。

そういう意味では、グレンジャイ(遠慮)の精神などタイと日本の文化は近いところがあり、欧米の個人主義に基づく何でも自己主張できる文化とは違うので、以下のタイ人のコメントには、私は同意する方です。

In traditional Thai culture, leg-crossing is yet another part of the power hierarchy, and youth were not supposed to cross their legs in the presence of their seniors. 

タイの伝統文化では、人前で足を組むのは力関係を表すものであり、若者は目上の人の前では足を組むべきではない

一方、この女性記者もよくないのは、そのツイッターの中で悪びれず、さも自慢げにこんなことを書いていたそうです。

The reporter for Japanese newspaper Tokyo Shimbun, identified herself as the one Prayuth upbraided. Prior to that incident, she had tweeted that she was made to wait in front of the administration building like “a dog” for senior officials.

この東京新聞の記者はそのツイッターの中で、プラユット首相が怒ったのは自分に対してであるとわざわざ明かしただけでなく、その直前にはこの政府高官との記者会見を待つ間、会場の建物の前で長い間、“犬”のように待たされたと次のような毒舌を吐いていたのである


“I felt like I’m a dog at 7-Eleven that sits in the door for cool air from the AC waiting for ministers coming out from their offices to interview them”

私は政府高官たちが記者会見のためにオフィスから出てくるのを待ちながら、
まるでエアコンの冷たい空気を求めてセブンイレブンの入口の前でじっと座っている犬のような気分だった

そして、これを読んだ政府スポークスマンの取った行動が以下です。

ดิฉันได้แจ้งไปต้นสังกัดด้วยวาจา ให้แนะนำ อบรม การนำข้อความที่ไม่ตรงข้อเท็จจริงไปเผยแพร่ และขอให้ระงับการเข้ามาทำข่าวในทำเนียบรัฐบาลจนกว่าผู้สื่อข่าวดังกล่าวจะเข้าใจ

東京新聞に対し、間違ったおかしな情報を拡散しないようにもっと従業員のしつけを徹底するように注意した上で、彼女が態度を改めるまで政府の記者会見に参加させないと伝えた

この事件で、プラユット首相が国のリーダーとして相応しくないという意見にまで発展するのは飛躍しすぎだと思うし、東京新聞もこの勘違い記者に対してその言動には記者としての自覚を持つように、もっときちんと教育しておくべきだったのかもしれません。

最後に、タイジャーナリスト協会のコメントを載せておきますが、この記事を読む限りにおいては、私はこの意見に賛成です。

Banyong Suwanpong of Thai Journalists Association’s ethics body criticized the reporter for showing a “lack of respect toward her seniors” by crossing her legs.

タイジャーナリスト協会倫理委員会のバンヤンスワンポン氏もこの記者を、目上の人の前で足を組むのは「敬意の欠如」であると非難した