買い手市場2
今のバンコクコンドミニアム市場については、これまでにも何度も書いてきたので今さらでもないですが、昨日、ナイトフランクからの新たなレポートが英字紙Nationに掲載されたので紹介しておきます。

要は昨年12月の第2波でまたも市場からほとんど買い手がいなくなり、完全な買い手市場が続いているというものです。

終わらない価格戦争1
確かに昨年の第4四半期に売り出された新規プロジェクトはわずか4,196ユニットと、「続々と出てくるプリセール価格以下の完成在庫処分」で書いたように、昨年は57,220ユニットもの物件が完成したのに比べると年換算にすると3割以下にまで減ってしまっているわけです。

しかも、昨年売り出されたこの4,196ユニットの内、今でもわずか1,391ユニット、33%しか売れてないことから、新規プロジェクトはやるだけ危険という状況です。つまり、コンドミニアムの場合、一旦着工してしまうと全体が竣工するまで止められないことから、竣工時にまだ売れていない完成在庫が多くなれば、デベロッパーの資金繰りを相当圧迫するのでリスクが大きくなるのです。

AP売上構成
それもあって「スクムビット通り偶数側はさらに一段安か(その1)」で紹介した、こんな時期にあっても過去最高の売上を計上したAPの事業内訳をみればわかりますが、今、大手デベロッパーはどこもコンドミニアム市場にはほとんど興味がないことがわかります。一方で、タイ人の実需があり、しかも小出しで販売が可能で資金繰り負担の小さい戸建てやタウンホームにシフトしているわけです。

現状、外国人は土地付の低層住宅は法律で買えないので、このマーケットは中国人に荒らされていないということもあって、これからしばらくはタイ人だけが買える住宅市場しか動かないと、私は思っています。

買い手市場1
一方、プロジェクトの販売価格もわずか3か月で随分安くなっています。ただ、この中で注意しなければならないのは、CBDの価格が5%しか下がってないからといって、都心部は値下り幅が小さいとは私は思っていません。

このところ、ミッドタウンや郊外ばかりが売り出され、
CBDではほとんど新規プロジェクトはないからだと思っています。実際、CBDの中古市場は家賃が下がり、空室率も大きくなったため、投資価値が下がっているので、値下り率は5%程度ではすまないと思っています。

ところで、以前にも書きましたが、私はバンコクのコンドミニアムで我々外国人投資家にとって購入可能な物件といえば、都心部からミッドタウンまでのエリアであり、郊外はリスクが高くまだ投資には時期尚早すぎると思っています。

そして、この都心部やミッドタウンのマーケットがリバウンドするには、ワクチンの広まりでコロナ禍が遠のき、外国人観光客や投資家がタイに戻ってくること、そして今の反政府デモが収まり政治的な安定が取り戻されることの2つが必要であると考えています。

従って、いつ頃市場が回復し始めるのかは今のところ見当が付きません。早くても来年前半だろうと漠然と思っていますが、今後の様子を見ていくしかなく、今はただ「休むも相場なり」のスタンスです。

買い手市場3

さて、最後に2021年のコンドミニアム市場に関するナイトフランクの予想を載せておきます。

1.デベロッパーは新規プロジェクトの売出しを延期し、既存プロジェクトの販売に注力する
2.今年の新規プロジェクトの発売は20,000からせいぜい30,000ユニットと見込む
3.市場回復は来年半ば頃となる
4.主な購入者はタイ人という状況が続く(外国人は買わない)
5.大手デベロッパーは低層住宅へのシフトが続く