バーツ暴落の危険性4
さて、以下が今回のコラム記事の主なポイントですが、実際、為替の予想というのは非常に難しいものです。

ちなみに、これはアメリカのサイトだと思うのですがGov Capitalというところによると、上のグラフのように今のドル高バーツ安は短期的なもので、今年1年を通してみるとまたバーツ高に戻ると逆の予想をしているところもあります。


ただ、タイバーツというのは日本円やユーロ、スイスフランのようなバスケット通貨にもなってない世界の片隅のローカル通貨にすぎず、欧米の機関にどこまでタイ経済の実態がわかるかというと大いに疑問であり、それだけにこのタイ人エコノミスト、CHARTCHAI PARASUK氏が語るコラムには価値があると思うのです。

According to my analysis of available data from the Bank of Thailand, the economy in 2021 will not rebound from a negative growth of 6.1% last year and could risk facing a financial crisis like in 1997.

タイ中央銀行から出ているデータを私なりに分析した結果、2021年のタイ経済は昨年のマイナス6.1%成長からリバウンドするということにはならず、むしろ1997年と同じような通貨危機が起こるリスクがある。

This year, history is likely to repeat itself. The condition of inadequate domestic liquidity is almost the same as in 1997 but the actors differ. At that time, the culprit was Thai financial institutions who borrowed beyond their capacity. But this time, the culprit is the Thai government borrowing beyond its capacity.

ただし、
金融機関が返済能力以上に多大な借金をしたことが原因で起こった1997年の通貨危機とは違い、今年の資金流動性の危機はタイ政府の膨大な借金が原因で起こる。

Two pre-conditions of a financial crisis -- foreign financing and borrowing short -- were met. Here comes the third one -- reaching a limit.

そして今、資金流動性の危機が発生する3つの条件の内、外国からの借金、短期資金の借り入れの2つが既に満たされていて、最後の借り入れの限界点到達が残るのみである。

In the fiscal year 2021, the government will need another 1 trillion baht to cover its deficit and finance Covid relief programmes. The problem is this year the government cannot rely on foreign inflows. Money is flowing out of Thailand.

今年、タイ政府は財政赤字とコロナ対策のためにさらに1兆バーツ(3兆5,000億円)もの資金が必要であるが、問題はこれ以上外国からの資金流入に頼れないことにある。それどころか、これまで入ってきていた資金が海外に流出し始めているのである。

Things started to change at the beginning of this year. There were net capital outflows of $1.3 and $2.9 billion in January and February respectively. (Now you know why the Thai baht is falling.) This trend is likely to continue throughout the year as interest rates in the US start rising, investment in other emerging economies looks more promising, and, most importantly, our currency devalues quickly.

この変化は今年の初めに起こった。1月と2月の海外への資金流出はそれぞれ13億ドル(1,400億円)、29億ドル(3,130億円)となり、それに伴ってタイバーツ安が始まったのは周知の通りである。そして、アメリカの金利が上昇する中、このドル高バーツ安のトレンドは年内続くと予想される。さらに、経済が低迷するタイよりも他の経済新興国への投資の方に魅力があることから、ここでも資金流出が起こり今後急速なタイバーツ安が発生する。

Within a few short months, the government will have difficulty financing its humongous debt requirement. 

あと数カ月もすれば、タイ政府はその膨大な借金の資金手当てができない問題に直面するはずである。

以上ですが、このエコノミストも随分過激なことをいっているので、バンコクポストの読者からのコメント欄にも多くの反対意見が寄せられています。

しかし、もし彼のいう通り、あと数カ月後には資金流動性の欠如によりタイ政府が今やっているタイチャナなどの資金を調達できなくなれば、タイにはもうお金がないということであり、それを見た外国からの資金はさらに流出していくことになり、タイバーツ暴落はあり得るような気もします。

いずれにせよ、不動産などの固定資産を持っている人は動けないとしても、預金や株式のような流動資産が多い人は、まだタイバーツが高いうちに一旦別の通貨に避難しておくのもありかもしれません。

例えば、最近私はタイ国内の証券会社で為替ヘッジのない米ドル建ての投資信託を買いましたが、わざわざ海外に送金しなくてもこういうやり方での避難方法もあります。

また、これから本当にタイバーツ暴落が起これば、いよいよ今度こそタイ不動産の買い場到来になります。その時には私も、カンボジアからドル資金を呼び戻すことで、海外から送ってきた外貨でしかタイの不動産は買えない、という必須条件を満たせることになるので、米ドルから見て2割、3割とさらに安くなったバンコクの不動産を底値買いするつもりです。