シノバックワクチン2
タイ政府によれば、来週の24日、いよいよ中国からシノバックのワクチン、20万接種分が到着します。「タイにも浸潤する中国のワクチン外交」で書いた通り、プラユット首相以下、タイ政府はこれでワクチン接種が開始できると喜んでいますが、前回のブログでも書いたように、今のところ、世界で5か国にしか認可されておらず、あまり人気があるワクチンではありません。

シノバックワクチン1
そこで、シノバックのワクチンで大丈夫なのかという疑問が出てくるわけですが、それについて以下のような興味深い報告があります。

1.シノバックはトルコでの第3フェーズの治験結果、有効性は91.25%であったというものの詳しいデータを出しておらず、また、トルコでの治験は7,000人を対象に行ったにもかかわらず、1,322人分の結果しか出してない。(ただし、それにもかかわらずトルコは5,000万接種分のワクチンをシノバックに発注した)

2.シノバックの発表によると、治験者全体に対して最大5%の人が軽い疲労感や不快感を訴えたとのことで、副作用を認めている

3.ブラジルで行われた第3フェーズ治験では、治験者に死人が出たため一時中断となった。しかし、その後死因はワクチンには無関係ということで再開されたという経緯がある

シノバックワクチン3

現時点でのワクチンの有効性についての比較

1.ファイザー 95%
2.モデルナ 94.5%
3.アストラゼネカ 62~90%
4.スプートニク 92%
5.シノファーム 79%?
6.シノバック 78%?

例によって、中国は都合の悪い情報は公開しないだけでなく嘘をいうので、西側薬品会社の第3フェーズ治験結果と同等には考えない方がいいのかもしれません。例えば、シノバックの有効性は78%となっていますが、ブラジルでは50.4%しかなかったという報告も出されていて、このように謎の多い中国ワクチンはどうも怪しげだという印象をぬぐいきれません。

ファイザー1
一方、現在国民の4割以上が既にワクチン接種を済ませたという世界最速のイスラエルでは、大規模なデータに基づくワクチン有効性の調査が早速行われたのですが、数日前に以下のような結果発表がありました。

Clalit, Israel’s largest health maintenance organization (HMO), has analyzed data from 1.2 million members. There are 600,000 members who have been vaccinated by Pfizer and 600,000 members who have similar profiles who have not been vaccinated. According to the survey, symptomatological infections in vaccinated people decreased by 94%, and the proportion of people seriously ill with Covid-19 decreased by 92%. Efficacy was seen in all age groups, including age 70 and older, which was shown only in a limited group in Pfizer clinical trials.

イスラエル最大の保健機関クラリットは、国民120万人のデータを分析した結果を発表した。ファイザーのワクチンを接種した60万人と、接種しなかった60万人を比較調査した結果、ワクチン接種をした人の感染率は接種しなかった人より94%減少し、感染によって重症化する率も92%減少したというもので、しかもこの効果はすべての年齢層で確認され、70歳以上の老人でも同様の効果があった

現状では「タイ全体にワクチンが行きわたるのは2022年末(その1)」で書いたようにアメリカや日本などの金持ち国家の国民だけがファイザーのワクチンを接種できるのかもしれません。

もっとも、マイナス70度以下で冷凍保存しなければならないという保管や搬送が厄介なワクチンでもあり、タイのような発展途上国ではそんな冷凍設備もなくファイザーのワクチンはそもそも最初から難しかったということですが...。

いずれにせよ、ファイザー製ワクチンの効果においては、今回のイスラエルでの大規模調査で完全に立証されたということだと思います。

一方、「アストラゼネカのワクチンは効かない?生産に遅れ?」でも書いたように、
ドイツの検査機関からアストラゼネカのワクチンは65歳以上の高齢者には効かないという報告が出されていたりするので、万能のワクチンという意味では、やはりファイザーが現時点では一番なのかもしれません。

ところで、我々在タイの日本人も、もし心配なら
中国のシノファームやシノバックは避けて、次回一時帰国した際に日本でファイザーのワクチンを接種する方が安全なのかもしれません。