ワクチン接種時期1
昨日、BBCタイがこんなレポートを掲載しました。これはイギリスの研究機関EIU(Economicst Intelligence Unit)の調査結果ですが、いよいよワクチンの量産体制が始まる中、どこの国が優先してワクチンを入手でき、いつ国民全体に行きわたるのかを予想したものです。

まず、一目瞭然なのは米国と英国、そしてEUが何とか年内にはワクチン接種が行きわたり、コロナのパンデミックも一段落しそうです。

米国の場合、これはトランプ政権の置き土産でもある“ワープスピード作戦”の成果ですが、ワクチン開発に成功するという保証もない段階で、
政府はなんと数十億ドルもの国費を大手薬品会社に研究開発費として投資した結果、パンデミック発生からわずか1年でファイザーやモデルナがワクチン開発に成功したわけです。

当然、その見返りとしてアメリカファースト、つまりアメリカ国民は最優先でワクチンを供給してもらえることから、この図にある通りワクチンの普及も年内には完了しそうです。

ちなみに、タイは何の保証もないことに国費を使うことは法律上認められておらず、資金を出せなかったというような政府の説明を読んだことがありますが、いずれにせよ、財政的に脆弱な発展途上国の政府にそれを期待するのは難しいのだろうと思います。むしろ、そんな中でよくアストラゼネカの現地生産に合意できたものであり、やはり幸運だったのだろうと思います。

また、EUについては思わぬ生産の遅延によりワクチン接種が当初計画よりかなり遅れてきた結果、域内で生産されたワクチンの輸出を規制してしまいました。その結果、ファイザーやアストラゼネカのEUにある工場で生産されたワクチンが域外に輸出できなくなり、タイの場合もアストラゼネカからの
最初の購入分はイタリア工場から出荷されるはずだったのですが、これも出荷ができなくなりました。

もっと深刻なのはカナダで、以前からのトランプ政権との軋轢で米国がワクチンの輸出を止める可能性があるからと、昨年わざわざ米国を避けてEUで投資を行い、そこで生産されたワクチンを大量に購入する計画を立てていたところ、今回の思わぬEUファーストの輸出規制でほとんど入手できなくなったという大きな問題が出ています。

どこの国の政府もいざとなれば自国民を優先するのは当然であり、WHOのテドロスさんがワクチンは世界で公平に分けるべきとまたごちゃごちゃいっていますが、そもそも無駄になるかもしれない多額の研究開発資金を先進国は国民の血税から出したのに、できたらあとは世界で公平に分配しろというのは逆に不公平のようにも思えます。

次回に続く