昨日のタイの現地紙、เดลินิวส์(デーリーニュース)によると、タイに少し遅れてベトナムでも第3波らしき感染拡大が始まっています。といっても、まだわずか4~5日間のことなのですが...。
上の写真記事の説明では、ベトナム政府は早速ハノイの学校を閉鎖し、感染する確率が高い人たちの隔離検疫期間をなんと3週間に延長したそうです。
これは、タイ政府が今も連日感染者が1,000人近く出ている中にあっても、逆に規制緩和に動いているのとは対照的です。巷でいわれているのは、昨年3月の超厳格な国全体のロックダウンにより、タイ経済が受けたダメージがあまりに大きすぎたため、その学習効果もあって今回政府は、厳格な規制には慎重になっているということのようです。
上のグラフが、ベトナムとタイの1日のコロナ感染者数のこれまでの推移比較です。今回のベトナムの感染者は確かにこれまでの中で飛び上がっていますが、具体的な人数を比べると1日当たり100人にも達しておらず、さらに昨日はわずか36人でした。
もっとも、そんな迅速な対応が、ベトナムがコロナ封じ込めに成功した国としてニュージーランドに次いで世界で2位にランクされている理由なのかもしれません。
しかし、ではなぜベトナムはコロナが広がりつつあった昨年も、世界でも数少ない経済成長を成し遂げた国として高く評価され、一方でタイは世界でもワースト5に入るほどのマイナス成長になってしまったのかと不思議に思ってしまいます。
1つの理由は、コロナ以前からタイバーツ高という要因があり、いずれにせよ製造業の多くがベトナムやインドネシアなどのASEAN周辺国に工場を移転、もしくはタイプラスワンでタイ以外の国に工場を広げていく動きが出ていたことが、ベトナムの経済成長を支えた一因というのはわかります。
そしてもう1つが、タイGDPの中で2割ものシェアを占める観光産業が、コロナの影響でほぼ壊滅的なダメージを受けてしまったことです。
しかしそれにしても、これほどベトナム経済が成功してこられたというのは、昨年のコロナに対する対応の仕方がタイ政府とはまた違ったやり方ではなかったのかという気もします。私はバンコクに住んでいるので昨年のタイ政府の厳格なロックダウンの実態を見てきたつもりですが、ベトナムについては何も知りません。
そうはいっても、「なぜ、ミャンマー人は隣国タイを目指すのか?」で書いたように、軍部に振り回されて感染対策をほとんど何もしないミャンマー政府などに比べれば、今回の迅速な対策を見てもベトナムはいい意味でしっかり統制が取れた国家なのだろうというのは容易に想像が付きます。
そういう意味では、タイ政府もベトナム政府のコロナ対策を研究してみるのもいいのかもしれません。また、前回「バイデンの眼中にないタイ、これからが至難の時代?」でも書きましたが、ベトナムはコロナの中でも経済成長を遂げ、成功した国としてASEAN内でのポジションを高めつつあり、しかも中国と対立する国としてアメリカから高く評価されるようになっています。
一方で、クーデターによってできた非民主主義な政権と非人道的な国民の抑圧、しかも中国とも友好的ということでアメリカから軽視されるようになっているタイというのも対照的です。
人口が2億人以上もいるインドネシアは別として、今後ASEAN諸国内でのGDP第2位のタイの地位を脅かす一番の強敵はベトナムではないかと私は思っていて、タイ政府もベトナムのことをもっと研究するべきではないかとも思うのです。
上の写真記事の説明では、ベトナム政府は早速ハノイの学校を閉鎖し、感染する確率が高い人たちの隔離検疫期間をなんと3週間に延長したそうです。
これは、タイ政府が今も連日感染者が1,000人近く出ている中にあっても、逆に規制緩和に動いているのとは対照的です。巷でいわれているのは、昨年3月の超厳格な国全体のロックダウンにより、タイ経済が受けたダメージがあまりに大きすぎたため、その学習効果もあって今回政府は、厳格な規制には慎重になっているということのようです。
上のグラフが、ベトナムとタイの1日のコロナ感染者数のこれまでの推移比較です。今回のベトナムの感染者は確かにこれまでの中で飛び上がっていますが、具体的な人数を比べると1日当たり100人にも達しておらず、さらに昨日はわずか36人でした。
もっとも、そんな迅速な対応が、ベトナムがコロナ封じ込めに成功した国としてニュージーランドに次いで世界で2位にランクされている理由なのかもしれません。
しかし、ではなぜベトナムはコロナが広がりつつあった昨年も、世界でも数少ない経済成長を成し遂げた国として高く評価され、一方でタイは世界でもワースト5に入るほどのマイナス成長になってしまったのかと不思議に思ってしまいます。
1つの理由は、コロナ以前からタイバーツ高という要因があり、いずれにせよ製造業の多くがベトナムやインドネシアなどのASEAN周辺国に工場を移転、もしくはタイプラスワンでタイ以外の国に工場を広げていく動きが出ていたことが、ベトナムの経済成長を支えた一因というのはわかります。
そしてもう1つが、タイGDPの中で2割ものシェアを占める観光産業が、コロナの影響でほぼ壊滅的なダメージを受けてしまったことです。
しかしそれにしても、これほどベトナム経済が成功してこられたというのは、昨年のコロナに対する対応の仕方がタイ政府とはまた違ったやり方ではなかったのかという気もします。私はバンコクに住んでいるので昨年のタイ政府の厳格なロックダウンの実態を見てきたつもりですが、ベトナムについては何も知りません。
そうはいっても、「なぜ、ミャンマー人は隣国タイを目指すのか?」で書いたように、軍部に振り回されて感染対策をほとんど何もしないミャンマー政府などに比べれば、今回の迅速な対策を見てもベトナムはいい意味でしっかり統制が取れた国家なのだろうというのは容易に想像が付きます。
そういう意味では、タイ政府もベトナム政府のコロナ対策を研究してみるのもいいのかもしれません。また、前回「バイデンの眼中にないタイ、これからが至難の時代?」でも書きましたが、ベトナムはコロナの中でも経済成長を遂げ、成功した国としてASEAN内でのポジションを高めつつあり、しかも中国と対立する国としてアメリカから高く評価されるようになっています。
一方で、クーデターによってできた非民主主義な政権と非人道的な国民の抑圧、しかも中国とも友好的ということでアメリカから軽視されるようになっているタイというのも対照的です。
人口が2億人以上もいるインドネシアは別として、今後ASEAN諸国内でのGDP第2位のタイの地位を脅かす一番の強敵はベトナムではないかと私は思っていて、タイ政府もベトナムのことをもっと研究するべきではないかとも思うのです。
かつて、1980年代の中曽根総理の頃、日本もジャパンアズナンバーワンと呼ばれてのぼせ上っていた頃があったように、中国はアメリカと肩を並べる大国だの、韓国は日本を超えただのと、今はのぼせ上っています。
従って、ベトナムも将来、経済成長してASEANの中で増長する可能性もありますが、少なくとも今は、タイよりベトナムの方がガッツがありそうでポテンシャルは高いと思います。
逆にタイは中国のように技術を盗むとか、ズルをしてでも相手を出し抜こうとなどせず、そもそも競争にあまり興味のない国民気質が私は好きです。南米、スペインやイタリアのような南ヨーロッパなどの、暖かいところの気質はどこか共通するものがあります。