永住権の付与1
これはもう1か月も前のことになりますが、政府が瀕死状態のコンドミニアム市場の救済策として、現金でコンドを購入し、最低でも5年間保有してくれた外国人に対して永住権を付与することを検討しているという以下のような話題がありました。

Deputy Prime Minister Supattanapong Punmeechaow and the Situation for Economic Administration are pushing to maximise both foreign investment in Thailand and foreign tourism earnings as part of the government’s economic recovery strategy. As well as simplifying the Special Tourist Visa scheme and boosting visitor numbers through it, the government is also reported to be looking at granting permanent residency for foreigners with debt-free condo units held for over 5 years.

 

政府はタイ経済復興のために、外国からの投資と観光客を呼び込むべくSTV(特別観光ビザ)の基準緩和とタイのコンドミニアムをキャッシュで買い、かつ5年以上保有した投資家に永住権を与えるスキームを検討中。


実際、この記事は10月末に出たものですが、その時は私はこんなのは無理だろうと思っていたので、どうせそのうち立ち消えになると取り上げませんでした。ところが昨日の17日、財務省がいよいよ検討を始めるという発表をしたので、もしかしたらとの期待も込めてこのブログで書いてみることにしました。

そもそもの発端は次の記事でわかると思います。大手デベロッパーには増収増益だとか何とか表向きは強気なことをいってるところもありますが、
マーケットの動きを見ていればこんなのはポジショントークだとすぐにわかることであり、実態は不動産市場、特にコンドミニアム市場は大変な窮地に立っています。

฿1 trillion in unsold property in Bangkok right now as debt levels throughout the kingdom soar

Last week, a real estate analyst in Bangkok, Wichai Wirat, told the local popular Thai newspaper, the Daily News that there was upwards of ฿1 trillion of unsold or vacant property in Bangkok as the country’s household debt to GDP ratio is predicted to skyrocket to as high as 90% of GDP by the end of the year from a current projection of 84%.

「国内が借金まみれになる中、1兆バーツもの販売在庫が積み上がったバンコク不動産市場」
タイの対GDP家計債務比率が84%から年末には90%に急増すると予想される中、不動産の販売在庫も1兆バーツに積み上がっている。


さて、今回の提案は、不動産業界の各団体からの提案をまとめて不動産協会が政府に提出したもので、今の窮状
を見かねた財務省が前向きに検討することになります。

現在の具体的な提案内容によると、購入するコンドミニアム価格によって以下の3種類のビザを出すことで検討がされるようです。


1. 300万バーツ(約1,000万円)以上のコンド購入で5年間のビザ

2. 500万バーツ(約1,800万円)以上のコンド購入で10年間のビザ

3. 1,000万バーツ(約3,500万円)以上のコンド購入で永住権

ところで、1,000万バーツ以上のコンドミニアムを買えば10年の投資ビザがもらえるというのは既にある制度だし、私のように50歳以上の人はリタイアメントビザが簡単に取れるので、1.と2.についてはあまり興味がありませんが、3.の永住権には大きな価値があります。

特にまだ40代でリタイアメントビザが取れず、エリートカードを買うしかなかった外国人が無期限の永住権をもらえるわけですから、もし承認されれば、相当数の中国人が我先にとコンドミニアムを買いにくると思います。

それに、既にバンコクのコンドミニアム市場はほぼ底値に近付いていて、更なる下落リスクも小さいと思います。

ただし、まだ検討段階であり、あまり期待するのはよくありませんが、もし承認されたとしても、多分、現在の不動産業界が窮地を脱するための短期間時限立法になるのではないかと思います。

それにしても、確かフィリピンの永住権を買う場合でもキャッシュで350万円ほどかかると聞いたことがありますが、それがタイの場合、1,000万バーツのコンドミニアムを買えばおまけでついてくるとなれば、これは千載一遇のチャンスでもあり、是非承認してもらいたいものです。

以前、「マレーシア不動産から撤退する中国人バイヤー」で書きましたが、最近、日本人にも人気のあったマレーシアMM2Hビザが突然、凍結されてしまいました。タイのロングステイビザも更新が必要である以上、突然の変更や凍結、最悪の場合、廃止ということも起こりえます。

それでなくても、最近は健康保険への加入義務や80万バーツの預金を更新前後の半年間は維持しなければならないとか、最低でも半分は残してしておくこと等、次第に条件が厳しくなってきていて、そのうちこの80万バーツが200万バーツとかに引き上げられることもあり得ると思います。

その点、永住権というのは一旦取ってしまえば、法律は過去に遡って変更したり無効にすることはできないという大原則がある以上、犯罪でも犯して国外追放にでもならない限り、剥奪されることはないので、この機会に取っておくいいチャンスだと思います。

もっとも、いくら救済策といっても、本当にタイ政府がタダ同然で永住権など出すのか大いに疑問ですが...。