日本人の減少
2018年の5月に上梓した著書、「バンコク不動産投資(実践編)」の第2章5項で「ミッドタウンに向かう外国人投資家マネー」と題してミッドタウンのプロジェクトに外国人投資家の人気が出てきたことを書きました。そして7項で「5年後に様変わりするロケーション」として、プラカノン、オンヌット、サムローンを挙げました。

さらに、今年の初めに出した「バンコク不動産投資(2020年版)」の第4章1項でも「既存の高級住宅地よりもこれから発展するエリアへ」と題して都心部にはそろそろ見切りをつけた方がいいと書き、2項で「CBDからフリンジ、ミッドタウンへ」と題して、先の3つに加えてウドムスクやプンナウィティも推薦しました。

その理由は、不動産投資で最も重要な投資指標であるIRR(内部収益率)で見た場合、アソークからトンローにかけての従来の人気エリアには、投資対象としての面白みがもうあまりなくなってきていると思っているからです。ただし、これからずっとダメというわけではなく、向こう4、5年はやめておいた方がいいという意味ですが...。

そして、その理由とは別にもう一つ、第5章2項で「勝ち残りたければ脱日本人駐在員」と題して、減少が続く日本人駐在員を入居者ターゲットにする旧態依然とした投資をしていたら、空室リスクばかり高くなるのでやめた方がいいとも書きました。

日本人数

さて、これが直近の労働許可証を持つ日本人エクスパットの推移です。この6年間、
ジリジリと減ってきているのがわかります。しかも日系企業の経費節減策として駐在員を帰国させ、代わりに現地採用の日本人を増やす傾向が続いているので、実際にはこの中での駐在員の比率はさらに小さくなってきています。

つまり、この6年間で23%減少したのではなく、企業から派遣された駐在員に限定すれば、2014年のピーク時から3割、4割と減ってきていると考えられます。

一方、2016年に始まったラグジュアリーコンドブームにより、ちょうどそれらが竣工を迎えつつある昨年あたりから、トンローあたりでは賃貸物件のオーバーサプライが起こっています。すなわち、5万バーツ以上の高額家賃が払える日系企業の駐在員が減りつつある中、入居者需要と高級賃貸物件の供給でミスマッチが起こりつつあるわけです。

その結果、
これまで日本人駐在員に人気のあったトンローのHQやクワトロでも、次第に入居者募集が難しくなり、新築物件にとって代わられていくと思います。

また、欧米人が新しさよりもインテリアの趣味や部屋の広さを重視するのに対し、日本人は新築好きなので最初の2、3年間は新築効果もあって入居者も付くかもしれません。しかし、よほどロケーションがいいとかグレードが高いという人気物件でなければ、これらも数年後にはありきたりの物件に格下げされてしまい、結局は空室リスクに泣くことになります。


それに、CBDで50㎡の新築物件を買うだけで1,500万バーツ(約5,000万円)もの資金を海外不動産投資に振り分けられるのは、日本でも結構なお金持ちであり、我々のような平均的個人投資家にとっては、金額的にリスクが大きすぎます。

そういうことで、これからは日本人駐在員に固執せず、現地採用の日本人や欧米人などのエクスパット、そしてタイ人アッパーミドルクラスの賃貸需要が増加中のミッドタウンに投資先をシフトすべきと思っているわけです。


次回に続く