住宅販売在庫推移1
住宅大手のプルクサーによると、バンコクのコンドミニアムの販売在庫は第2四半期末で9万ユニットとのことです。

販売在庫については、6万ユニットから10万ユニットまでといろんなところが違う数字を出しているのでなかなか掴みにくいのですが、私は基本的に独立系のAREA(Agency for Real Estate Affairs)が一番バイアスがかかっていないと思っているので、彼らの数字を好んで使います。

完成在庫予測
それによれば、販売在庫は6月末時点で90,408ユニットとプルクサーの数字とほぼ同じですが、さらに細かく見ていくと、販売在庫の中で今年と来年に竣工するユニットがまだ5万ユニット以上もあることから、完成在庫は来年末には3万ユニットを超える可能性があると思っています。

After heavy discounts to clear inventory and a sharp decrease in new supply, the Bangkok condo market will likely be in a correction until next year and take a few years to return to normal.
バンコクのコンドミニアム市場は供給過剰状態の調整が来年も続くが、デベロッパーによる在庫一掃の大幅値引と新規供給抑制の努力により、2~3年後には通常の状態に戻る

そしてこれが、昨日のバンコクポストのコメントですが、私もこれが妥当な予想だろうと思います。クーデター後の2014年後半に始まったように、外国人投資家がタイ市場に一斉に戻ってきて買い始めるとか、タイ経済が急回復してミドルクラスの収入が大きく増え、需要が急回復するのでもなければ、少なくとも2021年に需給が大きく改善することはないだろうと思っています。

住宅販売在庫推移2
ただし、これからどこまでも価格が落ちていくこともないだろうと思うので、今のように販売率が極端に落ち込む中、大手デベロッパーが大幅値引きで出してくる物件でこれはというものを見つけたら、来年以降は底値でぼつぼつ拾っていくいいチャンスでもあると思っています。

"Many developers offered discounts and campaigns to attract buyers because they needed cash flow. When their financial status improves, discounts may be unnecessary.
The second half of 2020 should be a recovery period for many sectors in the market, but the key challenge will be the ongoing financial pressure that both consumers and companies have to face"
資金繰りに苦しむデベロッパー各社は、大幅値引や販売キャンペーンで販売在庫処分に注力しているが、今後資金的に余裕が出てくれば、値引幅も縮小していく。
2020年の下半期も調整期が続くが、デベロッパーと消費者双方にとってのこれからの最大の課題は資金手当である。

以前、「危険信号が灯り始めたコンドミニアム市場」でも書いたように、来年は、資金繰りがつかず破綻する、もしくは途中で工事が止まってしまうプロジェクトが出てくる危険もあるので、デベロッパーにとっても正念場だろうと思っています。

一方、収入減で金融機関の与信基準を満たせず住宅ローンが借りられない消費者にとっても資金手当てができないため、解約キャンセルが続いているわけですが、こういう時こそ、もともと現金買いしかできない我々外国人投資家が優位に立てる、Cash is King! の状態が来年も続くことになります。

ところで、著書でも書きましたが、タイの不動産投資は「入口」よりも「出口」のタイミングの見極めと売却方法が難しいので、こういうチャンスにこそ「入口」で安く買っていく必要があります。そういう意味では、来年はじっくり時間をかけて掘り出し物件を探すいいチャンスではないかとも思います。

コロナの影響はあっても、遅くとも
数年後には中国人投資家がまた戻ってくるのはほぼ間違いないと思うし、ミドルクラス向けの住宅も需要自体は大きいので、次第に景気が良くなり、住宅ローンさえつくようになれば需給が締まり動き始めるのは目に見えているので、そういった意味でもバンコクのコンドミニアムは来年、再来年あたりが、底値買いのチャンスだろうと思っています。

ただし、カシコン銀行経済研究所もいっているように、今回の不況はV字回復というよりも、U字回復で時間をかけながら回復するということです。
コロナの経済全体へのダメージがかなり大きいだけに、長い時間をかけて戻ることになりそうです。

従って、不動産市場についても、かつての大洪水やクーデターの時のような一時的な不況による短期リバウンドは、今回は期待しない方がよさそうです。