住宅引渡推移
これは、REICが出しているこれまでの竣工引渡ユニット数の推移と今後の予想で、オレンジ色がコンドミニアム、青がその他の戸建てやタウンハウス等のネーウラープと呼ばれる低層住宅です。

ここで、少なくとも2020年はあと3か月もないことから、今年の数字はほぼ予測が可能で、今後いくら年末のキャンペーンがうまくいっても限られた期間ではそう大きくは変わらないはずです。

2017国別シェア

ところで、今年竣工したコンドミニアムは3~4年前に売り出されたものがほとんどですが、当時は香港経由を含めて中国人投資家が爆買いしていたこともあり、デベロッパーもいけいけで年間6万ユニット近い大量の新規プロジェクトを売出していたのです。

しかし、今年、それらがいざ竣工引渡となって実際に移転登記がされた物件数(オレンジ部分)が2019年に比べてもかなり減っています。つまり、少なくともその差が、キャンセル等で引渡しができずに完成在庫としてさらに積み上がってしまっていると考えられます。

年末値引きセール
しかも、REICは2021年は第4四半期になると、需要が増えて市場は上向くと予想しているわけですが、コンドミニアム市場が特にコロナの第2波や外国人投資家の動向に大きく影響される特性があることから考えて、1年先の予想はあまりあてになりません。

また、以前「2021年、バンコク住宅市場は回復か大波乱か!」で書いたように、このREICの楽観的予測に対して独立系調査会社のAREAが異論を発表しましたが、どちらが正しいかは来年の半ばぐらいになってやっと先が見えてくるのだろうと思います。

ただ、REICもAREAも共通していっているのは、今は不動産市場全体に危険信号が灯りつつあるということです。

従って、今のような超大型の台風が接近しているようなときに、果敢に底値買いをするつもりで新しく購入したり、誰も買おうとしていない市場で、手持ち物件を無理に売りに出したりするのはやめておいた方がいいということだと思います。

在庫一掃キャンペーン

この絵のように、今、大手デベロッパー各社はこれでもかとばかりに年末の追込みキャンペーンを展開していますが、私には全然興味がありません。彼らの在庫一掃戦略に乗せられて買ったら、来年になってもっと大きな値引が出てきたなどということも大いにありうるからです。

同様に、住宅ローンの与信基準の緩和や税金の減免等が行なわれなければ、タイ人も積極的に買おうとはしないはずで、多分、今回のキャンペーンでも大して売れないと思います。

特にプレビルドの購入予約権などは、万が一デベロッパーが破綻したりして開発を中止してしまえば、その予約契約書はただの紙切れになって、それまでに払ったダウンペイメントも失ってしまうリスクがあります。

私は普通の個人投資家なので、不動産業者のように売買仲介料を稼ぐために、無理にそれでも買った方がいいとか、今は売った方がいいとかいう必要もありません。むしろ、嵐が去って市場が底を打ったと確信できたときに動くので十分間に合うはずだと思っています。