ドルバーツ5

ところで、これは投資家のジム・ロジャースが日本人にこれまで何度もアドバイスしていることですが、「日本円資産だけでなく、もっと外貨資産を持つべき」というのには私も賛成です。

しかし、外貨資産とはいえ、今のタイバーツでいいのかといえば、私は基軸通貨である米ドルのような安心感はないと思います。特に今回のコロナによる景気悪化で、タイの2020年のGDPはタイ中央銀行で8%、カシコンリサーチなどは10%のマイナス成長になると予想している中、「タイのGDP収縮は世界でワースト3(その1)」で書いたように、これは世界でも最悪のレベルです。

従って、今のようなバーツ高というのは、そう長くは続かないのではないかと私個人は思っているし、一方で
アメリカ経済は次第に回復が見えてきつつあることもあり、今はタイバーツを売って米ドルへシフトするチャンスではないかと考えています。

また、私の場合、本来はバンコクでの不動産投資が主な収益源なのですが、「不動産投資、少なくとも今は「休むも相場なり」が一番」で書いたように、今回の不動産不況は相当深刻で、ほとんど先が読めない中、市場回復にまだかなりの時間がかかると思っています。

従って、タイで再投資することはしばらくないと考えているので、今はとにかく
将来のバンコク不動産の底値買いに備えて、昨年売却した投資物件の売却資金を米ドルに換えて海外で定期預金にして運用しています。

東南アジアの場合、それでも5%の預金利息が付くので、今のような不動産市場の潮目の変化がなかなか読めない投資家にとっては、バンコクで不動産投資をするよりも安全かもしれません。

ドルバーツ1

ところで、日足ベースでのドルバーツの動きを見ると、ここ半年ほどボックス圏に入っているように見えるのですが、10月10日にバーツが急騰し、米ドルが一気にボックス底値圏まで売られました。

私自身は、先に書いたようにそろそろドル高バーツ安が始まるのではないかと考えるようになっていたので、様子を見てもっとタイバーツから米ドルにシフトするつもりだったこともあり、すぐにオンラインで手持ち資金の一部を米ドルに換え、海外にある米ドル定期預金口座に追加で送金したところです。

ただし、為替相場はどんなトレーダーでもしょっちゅう予想が外れるし、不動産市場の先を読むよりもはるかに難しいので、案外、さらにバーツ高が進む可能性も大いにあります。

もっとも、外国人がタイで不動産を買うには「購入代金の全額を海外から外貨で送ってきた資金で支払わなければならない」というルールがあるため、私の場合は、将来の再投資に備えていずれにせよ一旦資金を海外へ移動しておく必要があるという裏事情もあって、米ドルに換えて運用しているのであり、無理して余計なリスクを取る必要のない年金生活者やリタイアメントビザでセカンドライフを過ごしている人にはお勧めしません。