ドルバーツ3

つい先日も「中国人投資家が投げ捨てたキャンセル物件が続々と…」と題して外国人、特に中国人投資家による、バイジョーングと呼ばれるコンドミニアム購入予約権のキャンセルが積み上がってきていると書いたところですが、その理由は物件価値の値下りだけでなく、為替にもありそうです。

このグラフは昨日時点のものですが、中国人がタイの不動産を爆買いしていた2016年から2017年当時に比べて、今の人民元はタイバーツに対して1割から2割下落しています。

従って、今ここでデベロッパーから竣工引渡しを受けてしまう、つまり75%の残金を今の為替レートで一括支払いすると、物件の値下りだけでなく、
将来人民元高が始まれば大きな為替差損をも被ってしまう可能性があるわけです。つまり、物件価値が2割下がって為替差損も2割なら、単純計算で4割もの損になります。

これではなかなか損を取り戻すのは難しいだけでなく、まだ値下りが続く中、不動産市場の底が見えてない今は、ダウンペイメントを捨ててでも傷口がさらに広がるリスクを避けて、売買契約を解約した方がよいと考える中国人投資家は多いはずです。

特に最近の中国経済は、鉄鋼の国内需要が増えて輸出に回さなくなりつつあるという報告も出ているように、順調に回復が進んできているようで、今後は次第に人民元高になるのではないかと思います。

ドルバーツ4

一方、これは日本人投資家にとっても為替差損という意味では同じなのですが、ただし、日本円が無茶苦茶に高かったのは1万円を4,000バーツ以上で交換できた2012年初めまでです。

しかし、当時プレビルドで不動産を購入した人は、2015年前後に竣工引渡しを受けているので、今回の大量キャンセルには関係がありません。むしろ、クーデター後に始まった急激な価格高騰で、含み益が出ている可能性もあります。


今、引渡しに応じずキャンセルが続出しているのは、大半が2017年前後にプリセールで売り出されたプロジェクトです。従って、その頃にこういった物件を買った日本人投資家にとっては、当時の交換レートである0.31から0.34バーツから見れば、為替変動はほとんどゼロか最大でも1割程度であり、やはり不動産市場の下落が主なキャンセルの理由だろうと思います。

次回に続く