外国人のキャンセル2
最近、不動産仲介会社のREMAXが外国人投資家向けと題して、Foreign Quota(略称FQ)物件の特別セールを始めました。外国人が購入していたキャンセル物件の特別セールなのかもしれません。

ノーブル、サイアミーズ、スパライの3社のデベロッパーから特別委託されて売っているようですが、ノーブルとサイアミーズは今、外国人だけでなく、タイ人からもかなりのキャンセルが出ているようなので、これまでにこのブログでも書いてきたように、結構資金繰りが厳しいのではないかと思います。

スパライだけは大手の総合デベロッパーであり、そういう問題はないと思いますが、このオリエンタルというプロジェクトは25階建が2棟、35階建が2棟と規模が非常に大きいだけでなく、スクムビット39の日本人が特に多く住むエリアということで、2017年のプリセール時には中国人投資家が多く買っていましたが、そのFQのキャンセルが多いのだろうと思います。

外国人のキャンセル1

さて、ここで売り出されているプロジェクトを見ると、これらの多くが2018年後半から始まったコンド市場のダウントレンドにより、最初のプリセール価格より今の市場価格の方が下回っているように思えます。

今のようなマーケット下落時は、タイ人の実需がメインである郊外プロジェクトの方が底堅く、むしろ外国人の投資対象であったプロジェクトの方が値下りも大きくなる傾向にあります。

例えば、ノーブルプルンチットは第一期のものはまだいいですが、最終期のものは20万バーツ/㎡を超えていました。しかし、今の市場価格はそれを割り込んでいるので、そういうのがデベロッパーの販売在庫として売れ残っているのではないかと思います。

また、今も覚えていますが、販売開始と同時に即日完売したノーブルリコールは、平均18万バーツ/㎡がプリセール価格でした。しかし、これも新築未入居とはいえ、今の市場価格はこれ以下に落ちているように思います。従って、そのすぐ隣に開発されたノーブルBE19にいたっては、プリセール価格が22万バーツ/㎡前後だったので、これを買った人にはかなりの含み損が出ているはずです。

今回の特別セールが本当に安いのかどうか調べてないのでわかりませんが、デベロッパーが自分で売らずに外国人に限定してエージェントに販売委託するということは、値引が大きいので既存の買主からのクレームを恐れてのことかもしれません。

本来なら、このようにプリセールを下回るぐらいまで価格が落ちてきたら、そろそろ底値買いで入っていくべきなのです。しかし、GDPのマイナス幅でいえば、タイの不動産市場崩壊で始まった1997年のアジア通貨危機をも超えた今回のコロナ不況は、全く先が読めません。

10月から政府が始めた特別観光ビザも、これでもし感染が広がればまたロックダウンや感染2次波が始まる可能性もあるので、コンドミニアム市場も大きな影響を受けます。

それもあって、今は完全な買い手市場であり、いくら安くしても売れなければ市場価格はもっと低いことになり、特に中古物件の相場は闇の中というのが実情です。

2017国別シェア

いずれにせよ、これらのプロジェクトには、2016年から始まり2017年にピークを迎えた中国人投資家の爆買いで買われた物件が多く、その分キャンセル物件も多いはずです。

タイ人の場合は最初は投資で買っていても、うまく転売ができなければ自己居住に切り替えることができるので、ダウンペイメントを捨てて損切りするのを避けようとする人も多いのですが、中国人バイヤーは基本的に投資目的だけなので、今も続くダウントレンドの中、どこまで価格が落ちるかわからない空室物件を抱えたまま長期間塩漬けにするよりも、さっさとダウンペイメントを切り捨てて撤退し、次のチャンスを待つという人が多く、この時期に中国人に買われた物件は、特にキャンセル比率も高くなります。

ちなみに、私が年初に上梓した著書「バンコク不動産投資 2020年度版」では、今年は底値買いのチャンスが来ると書きましたが、その後、想定外のコロナ不況が不動産市場を直撃し、その予想ははずれてしまいました。

そこで、先日「不動産投資、少なくとも今は「休むも相場なり」が一番」でも書いたように、今の私は、買うのも売るのも無理して動かないのが一番、つまり「休むも相場なり」で少なくとも今年いっぱいは様子見を決め込むのがベストだと考えています。

では、次回は独立系のAREAが、前回ここで書いた「来年末には市場が回復するが販売在庫は増え続ける」という政府系の調査機関であるREICのデータや予測について、恣意的だと真っ向から反論している最近のレポートについて書いてみます。

AREAはこれからのコンドミニアム市場でプロジェクト破綻の危険性や市場回復の予想について書いているのですが、私もどちらかというとこっちの話の方が真実味があると思っています。