評価レーティング

チャーン島にある高級リゾートホテル、シービューリゾートが、アメリカ人宿泊客による最低評価とネットで書いた度重なる悪評に対し、その名誉を傷つけられたとして訴訟を起こしたという最近の話題があります。

最初、バンコクポストでこの記事をサクッと読んだ時、どうせ小難しいアメリカ人が執拗にホテルに嫌がらせをしていたのだろうと特に関心がなかったのですが、ふとこのホテルの写真を見ると、もう5年も前になりますが、私自身もここに3泊4日で泊まったことがあることに気が付きました。


シービューリゾート
確かにこの写真のロビーなどはタイのリゾートらしく魅力的で、部屋も各部屋が独立して建てられたバンガロー形式でプライバシーもあり、私もアゴダの評価レーティングを見てここを予約したのでした。また、スタッフのサービスもそれほど悪かった印象はなく、それなりに満足して過ごした記憶があります。

1つ星の評価

従って、この評価のレーティングで書かれているような、「スタッフは不親切で誰も愛想笑いもせず、マネージャーは失礼な態度」ということはありませんでした。

それで急に興味がわき、どれどれとこの事件のいきさつを読んでいったのですが、結局のところ、両者の言い分はそれぞれ自分に都合のいいように脚色されているようなところがあり、当事者でない私には判断などできません。

ただ、バンコクポストの記事の中で、この事件に関して著名なイギリス人旅行評論家がFBで書いた記事が紹介されていて、
ちょっと大袈裟な表現のところもありますが、タイの名誉棄損法について問題を指摘しているところには同感だと思いました。


Thailand’s defamation laws are very severe, in particular when it comes to online content. A couple of weeks ago, a friend of a friend was arrested at his school for posting a one star review on Google maps about a resort he visited on Koh Chang. 

In most cases, defamation laws are good as they are there to protect us. But it is sometimes abused. To have someone arrested at their workplace for posting a negative review is surely a step too far. Does this now mean none of us should post one star hotel reviews in Thailand?

This case should have never gone to court. It not only damages the reputation of the resort, but also the reputation of Thailand. This should have been settled out of court. Now the world knows that if a tourist posts a negative hotel review in Thailand they risk going to prison.

 

タイの名誉棄損に関する法律は非常に厳格で、特にインターネット上での中傷については厳しい。数週間前、アメリカ人教師がチャーン島のホテルに1つ星の評価をしたところ、学校に警察がやってきて逮捕されたのである。

本来、名誉棄損法は我々を守ってくれる法律であるが、時に悪用されることがある。ホテルの評価に1つ星をつけたというだけで逮捕するというのは、明らかにやりすぎであり、これがまかり通れば、タイにおいては誰も1つ星の評価ができなくなる。

こんなことで訴訟など起こすべきではないし、これはホテルの評判を落とすだけでなく、タイという国の評価をも損なう。この事件は既に諸外国でも報道されてしまった結果、タイでは観光客がホテルに悪い評価を下すと、監獄行きになるリスクがあると世界に知らせてしまったのである。


タイの名誉棄損に対する厳しい法律は、もともと政府がその方針や施政に対して反対する者や批判をするマスコミ等を取り締まるために厳しく作った法律であり、最高で20万バーツの罰金と2年間の禁固刑だそうです。

ところが最近は、これを企業や権力者が乱用するようになり、一般からの批評や批判に対しても訴訟を起こすと脅して黙らせるために使われるようになっているということです。

そういう点では、政府の批判でも会社の批判でも自由にいえる日本で、名誉棄損で訴えられて禁固刑になってしまったというケースは聞いたことがありません。
もちろん、悪意に満ちた嘘ばかりの誹謗中傷はダメですが...。

タイは王国である以上、よくいわれるように王室の悪口は不敬罪で捕らえられるというのはまだわかるのですが、ホテルの悪口を書いたら警察が職場までやってきてその場で逮捕、というのはちょっと怖いですね。

私が8年間住んでいたイギリスもユナイテドキングダムというくらいですから王国です。しかし、イギリス王室はいつもマスコミや国民からゴシップやジョークの格好のネタに使われていますが、誰も怒らないし捕まったりしません。タイと同じように、イギリス国民も王室を敬愛しているのは同じなのですが、このイギリス人評論家の名誉棄損に対する考え方の違いは国民性の違いなのかもしれません。

その点、日本もまたタイやイギリスとは少し違うのですが、たとえ皇室の批判でも思った通りいえる自由があるという意味では、日本の生活の方が実はサバーイサバーイなのかもしれません。