外国人観光客に開国決議

先日、「「特別観光ビザ」発行で観光産業のメルトダウンを阻止」と題して観光スポーツ省が内閣閣議に対し、「14日間の検疫期間のない」特別観光ビザの審議を申請したと書きましたが、残念ながら、やはり内閣はこの隔離期間を外すことを認めませんでした。

 

この写真記事は現地のオンライン新聞、カーウソットが早速伝えたものです。プラユット首相以下、内閣もタイ観光産業の窮状を考えての決定だとは思いますが、結局、以下のような条件が付いているため、旅行業者の間では落胆が広がっています。

เมื่อวันที่ 15 กันยายน 2563 ที่ทำเนียบรัฐบาล น.ส.ไตรศุลี ไตรสรณกุล รองโฆษกประจำสำนักนายกรัฐมนตรี แถลงว่า ครม. มีมติเห็นชอบแนวทางการเปิดรับนักท่องเที่ยวต่างชาติเข้าประเทศไทย แนวทางดังกล่าว กำหนดเงื่อนไขนักท่องเที่ยวว่าจะต้องเป็นบุคคลต่างด้าวพำนักระยะยาว ต้องกักตัวในห้องพัก 14 วัน และต้องหลักฐานการชำระเงินค่าที่พัก หรือ โรงพยาบาลทั้งก่อนและหลังการพำนัก หลักฐานการชำระเงินดาวน์ที่เป็นคอนโด และลงตราวีซ่าค่าธรรมเนียม 2 พันบาท

915日、首相官邸は、条件付きで外国人観光客の入国を認めることを閣議決定したと発表した。その条件とは、旅行者は長期滞在の外国人観光客であること、14日間の隔離検疫義務、検疫及びその後の旅行期間に関しホテルや病院へ滞在費を前払いしたという証明書の提出、もしくはコンドミニアムのダウンペイメントの支払証明書、そして、特別観光ビザ発行手数料2,000バーツの支払いである)

ところで、1週間や2週間の短期滞在の観光客を受け入れたのでは、感染リスクばかり高くなって観光収入という見返りが少ないことから、今回、政府が(明確な期間設定はないようですが)長期滞在の外国人観光客に限定したことは理解できます。しかし、逆にいえば、短期旅行がほとんどの日本人観光客は入国できないということでもあります。

 

もう一つは、今、不動産業界で大きな話題になっている、外国人投資家が購入したコンドミニアムで、竣工はしたものの、その引渡しを受けるために彼らがタイに入国できないため、多くのデベロッパーの資金繰りが逼迫しつつあるという問題です。

 

政府はこれを助けるという狙いから、購入した物件のダウンペイメント(購入価格の25%程度)を払ったという証明書があれば、残金支払いと引渡し移転登記のために投資家も入国可としたものではないかと推測しますが、もしそうであれば、既にタイに居住用のコンドミニアムを持っているということだけでは、入国は認められないのかもしれません。

 

いずれにせよ、これでタイ政府の目算通り、毎月12億バーツ(40億円)、年間にして500億円程度の観光収入が入ってきたとしても、昨年の約2兆バーツ(7兆円)に比べれば微々たるものでしかなく、前回「TATによれば、検疫期間なしという対策がうまくいけば、2019年の4,000万人の外国人観光客に対し、来年はベストケースで2,050万人の外国人観光客が呼び戻せると考えているようですが、確かにこれが閣議決定されれば、以前書いたような「観光産業メルトダウン」の危機を回避できるのかもしれません」と書きましたが、少なくとも今回の閣議決定では経済的にはほとんど効果がないように思えます。

 

私もこの検疫期間なしというTATの提案がすぐに承認されるのは難しいだろうと書きましたが、それでもプーケットだけに場所を限定した「プーケットモデル」に比べれば、今回は他のところでも観光客に門戸を開いたということで、一歩前進したのだろうとは思います。

 

しかし、旅行業界関係者にしてみれば、下のバンコクポストが載せたコメントにあるように、今回の閣議決定にはがっかりで期待してないというのが本音であり、検疫義務がなくならない限り、大して効果はないという考えです。

Council downplays impact of planned special visas

Although the tourism industry is delighted with the first step of reopening the country to international tourists, operators are prepared to see slow demand in the beginning because a 14-day quarantine is mandatory for those who want a special tourist visa (STV), said Chairat Trirattanajarasporn, president of the Tourism Council of Thailand.

(観光協会長談:特別観光ビザの発行が決まったことは、外国人観光客への開国第一歩の前進ではあるが、旅行業者達は、この特別観光ビザを取得しても、14日間の検疫義務がある限り、実際の外国人観光客の増加はわずかしか見込めないと考えている)

ところで、そろそろ9月も下旬に入ろうとしていますが、タイ政府がさらにもう一度、非常事態宣言の延長に踏み切るという今の流れに相反するようなことをすれば、反政府デモは一層過激になるはずです。

 

そして、もしクーデターが起こった2014年の反政府デモのように激化したりすれば、そもそもタイ社会自体の治安が悪くなるので、外国人観光客の誘致どころではなくなるかもしれません。