日系仲介業者2
私の知る限り、バンコクの日系不動産仲介業者の場合、一部を除き、ほとんどが従業員数人から数十人規模の個人企業です。

従って、もしここで今年1年分の新規駐在員の住宅賃借需要がなくなってしまえば、労働集約型だけに、コストの大半を占める人件費負担で経営はかなりきつい状況でははないかと思います。

また、賃貸契約の更新手数料は普通、家賃の0.3か月分と聞いているし、それさえも私のように自分で契約書をドラフトしてテナントと直接更新してしまうタイ人オーナーも結構いることから、更新手数料だけでやっていくのはなかなか厳しいと思います。

もっとも、中には既存の賃貸物件の更新でも、1か月分の家賃を更新手数料として取るようなところもあるようなので、そういうところは平気でしょうが...。

一方、ここ数年、日本人駐在員が減ってきているという根本的な問題があります。上の表が最新の現地雇用を含めた就労ビザを持つエクスパット全体の数ですが、日本人エクスパットはジリジリと減少し、もうすぐ中国人にトップの座を奪われることになりそうです。

しかも、このグラフでは日本人エクスパットの減少は緩やかに見えますが、今回のコロナによる外国人の入国禁止が契機となり、「やがてタイ経済の没落が始まる(その2)」で書いたように、タイバーツ高により、日本企業のタイ撤退が懸念されるだけでなく、コスト軽減のための現地法人運営に関するこれからのニューノーマルは、人件費の安い現地雇用の日本人を増員し、ぎりぎりまで駐在員を減らすことになるそうで、この32,000人の日本人エクスパット全体に占める駐在員の数はもっと激しく減っていきます。

つまり、50,000バーツ以上の高い家賃の払える日本人駐在員が主なクライアントである日系賃貸仲介業者にとって、そのビジネス環境はますます厳しくなりつつあるわけです。

一方、トンロー通り周辺は、住人の25%が日本人駐在員とその家族といわれているほど、日本人が高いシェアを占めてきました。しかし、次々と新築のラグジュアリープロジェクトが竣工する一方で、駐在員が減り始めるとどうなるかというと、当然、賃貸物件の供給過剰が始まります。

その結果、入居者獲得競争の激化により、新築でも家賃が上がらなくなります。そして、新築好きな日本人需要は竣工したばかりの物件に流れてしまい、わずか築3年ぐらいの築浅物件でも空室リスクが高くなります。

従って、著書やこのブログでも書いているように、私はこれからバンコクで不動産投資をするとしても、賃貸運用する場合には、最初から日本人駐在員だけに的を絞るのはもうやめた方がいいと考えています。


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