また、バルコニー側サッシ立上りのコーキングがうまく打たれてなくて、ここでもサッシ下から雨水が侵入し、床のフローリングが腐っていた状態でした。エンジニアリングウッドより水に強いとされるラミネート板がこんな状態になっていたのですから、もう何年も前から浸水が起こっていたものと推測できました。
これが日本なら、品確法により10年保証の対象になるのですが、この物件の場合、デベロッパーの対応が悪く、解決できないままとうとうこんな状態になってしまい、オーナーも絶望状態で投売り価格で売り出していたわけです。
だから私は、この物件を相場の半値、わずか6万バーツ/㎡ほどに買い叩けたわけです。そして、それを35万バーツかけてリノベーションした後、もともと賃貸運用するつもりはなかったので、できるだけ速く売るために、当時の相場よりも1割以上安い10万バーツ/㎡強で転売しました。
なお、リノベの内容としては、ファサードのクラックをモルタルで埋めて防水塗料で雨水の侵入を防ぎ、全部のサッシ周りのコーキングを打ち換えました(注:本来、タイでも一区分所有者が外壁やサッシの共用部を修繕することなど許可されないのですが、デベロッパーが直さない以上、自分の資産は自分で守るしかありません)。
また、もし万が一、将来少しぐらい雨水の侵入があっても大丈夫なように、床全体を腐らないセラミックタイルに換え、内側の壁には水を吸収し室内に蒸発させて湿気から壁を守る特殊なペンキ、つまり、アンダーアーマーのスポーツウエアみたいな塗料を壁全面に塗ってカビの発生を止めました。
余談ですが、税金等を差し引くと、手間がかかった割に、結局100数十万円しか儲かりませんでした。タイ人投資家が税金のかからないゲンガムライで手っ取り早く儲けようとするのもわかります。
さて、ここで話を戻すと、最初にこの検査の専門家と一緒に現地で念入りに物件実査を行い、壁や床のダメージから見てコンクリートが爆裂を起こすほど深刻な雨漏りでなく、簡単な防水工事とコーキングの打ち換えで十分修復可能という結論になったので買うことにしたものです。
従って、漏水といっても入ってきた水の量にもよります。水道管が裂けて大量の水が中に入ってくるのと、雨季に大雨が降った時だけ雨漏りするというのでは建物の受けるダメージも違うからです。
では、次回は大量の浸水で修復不能となり、結局、新築で買ったのにレイテント・ディフェクトにより相当な損切りで処分するしかなくなった例を紹介します。
実は、これはある日本人の方が、大手デベロッパーA社からプレビルドで購入した新築コンドです。以前、私のところにどうしたらいいかと相談があったのですが、その方の許可を得ているので、その実例をここで紹介することにします。
次回に続く

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