見えない瑕疵5
去年から新築コンドミニアムが売れなくなり、一方で続々と新しいプロジェクトが竣工してきた結果、売れ残った完成在庫が増え続けています。

各デベロッパーは新規のプロジェクト売出しをほとんどストップして、この完成在庫を一掃しようと懸命ですが、ロックダウンの影響が重なって景気がますます悪くなる中、完成在庫の増加に販売が追い付かない状態です。

同時に、売れてない新築物件は誰も竣工検査をしないので、半年、1年とほったらかしになってしまいます。そうこうしているうちに竣工当初は手直し工事のために現地に待機していた施工業者もいなくなり、いざ、新しい買主が引渡し検査をして瑕疵や問題点を指摘しても、なかなか対応してくれなくなります。

こうなってしまう原因の一つは、タイのデベロッパーは決済をして移転登記を済ませないと、ダメ工事の修復をやってくれないどころか、竣工検査もさせてくれないところがあるからです。

建物一棟単位で買う機関投資家などのプロであれば、リテンションといって購入価格の5%とか10%を最終支払いとして取っておいて、デベがダメ工事を全部修復したところで残金をリリースするという方法があるのですが、タイの場合、これだけいい加減な施工をしておきながら、まず先に全額払えというのですから、個人買主には非常に不利なわけです。

ただし、今の状況下では買主の立場も強くなってきています。先日、サイアミーズやセレスの
デベロッパーと面談した時も、非常事態宣言による外国人入国禁止で日本の買主がタイに来て引渡しに応じられない状況もわかるので、引渡し時期などは柔軟に対応するといっていたことから、デベロッパー各社も外国人への引渡しを優先していることがわかります。

要するに、ここで買主のダウンを没収したところで、また次の購入者を見つけるにはかなりの時間と費用がかかることを彼らも知っているわけであり、それであれば辛抱強く待とうとしているわけです。

もっとも、下手なタイ語でそういう交渉をするのは私であり、
買主には買い取る気持ちが実はもうない、などとわかってしまえば彼らの態度も変わるので、面談にも注意が必要ですが...。

以前、「竣工引渡しがきても焦らず引き延ばせ」でも書いたように、3年前であれば、デベはもっと強気だったので、なかなか引渡しに応じなければ、ダウンペイメントの没収をほのめかしてきたのですが、今はそんなことはありません。

従って、
もし、かなり時間のたってしまった完成在庫を引き取る場合は、今ならエスクローアカウントでのリテンションを条件に決済という交渉もできると思うので、最終決済の前にプロの竣工検査を入れて、とことん隠れた瑕疵がないかチェックし、特に水回りや建付けの悪いところは徹底的に直させるのも可能かもしれません。

もっとも、仲介業者経由で買っている場合であっても、彼らはデベロッパーからコミッションをもらっているので、結局、自分で交渉してみるしかないと思いますが...。

次回に続く

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