ワンワイヤレス2
私が2018年に上梓した著書、「続・バンコク不動産投資」を持っておられる方は、改めて第1章4項の「完売したはずなのに、続々と出てくる損切り物件」のところを読み返してもらえればと思います。

そこで私は、このプロジェクトのプリセールについて書いたのですが、「Life Asoke-Rama9の投売り(その1)」でも例を挙げた、APと三菱地所の購入者の買う気を煽ろうとするちょっといやらしいオンラインセールの走りとなったのが、このワンワイヤレスです。

ワンワイヤレス3
当時、私自身はこのプロジェクトのロケーションの良さと、この周辺はフリーホールド(土地所有権付き)プロジェクトが少なく、希少価値があることから、このライフには非常に興味を持っていて、自分も買いたいと思っていたので、プリセールの1週間ほど前に現地を見に行っています。

さらに、プリセールの数日前にもまた、現地を見に行ったのですが、その時はこの写真のように、既に順番待ちをする人たちがいました。

ちなみに、ロワースクムビットに勝るとも劣らない最高級住宅地でもあるセントラルルンピニーといえば、ラーチャダムリ、ランスアン(公園裏通り)、ウィタユ(ラジオ通り)の3つのタノン(大通り)に代表されるのですが、この辺りは7割以上の建物がリースホールド(借地権)であり、フリーホールドというだけでプレミアムが付きます。

余談ですが、タノン・ウィタユのウィタユは“
ラジオ”の意味で、昔、ラジオが中心だった時代に、この通りにはラジオ局が集まっていたことから、ラジオ通りと呼ばれたそうです。そして、ラジオは無線なので、英語で無線の意味であるワイヤレス通りと呼ばれるようになったと聞いていますが、本当のところはわかりません。

いずれにせよ、この3つの通りのアドレスは、タイ人にとっても憧れのアドレスであり、このプロジェクトのあるワイヤレス通りには、あまり日本人は住んでいませんが、欧米人の賃貸需要があり、空室率も低いことから投資先としては決して悪くないロケーションなのです。

ワンワイヤレス
それもあって、私も45㎡か63㎡の2ベッドルームなら買いたいと思っていたのですが、この後のオンラインセールで開始後わずか5秒もしないうちに販売予定の100ユニットが全て完売となったのを見て、嫌気がさして買うのをやめました。

つまり、一般の公開入札といいながら、私のような一般の購入者がわずか5秒で名前や連絡先を記入できるはずもなく、すべてのユニットが事前に購入者が決まっていたということです。

そして、この翌日には著書の32ページで載せたリストにあるように、40件近い物件が転売目的の再販で出てきたのです。明らかにこれには何らかの裏があります。

前回、ノーブル・リコールに関して「ノーブルのセールスプロモーションには裏がある?(その2)」の中で、「
実はその後、業界関係者の間では、ノーブルの役員や従業員が転売目的で予め買い占めていたのではないかという噂が出ていました。ことの真偽は分かりませんが、こちらのデベロッパーはノーブル以外でもこういうことをするところがほかにもあります」と書きました。

従って、このプロジェクトもデベロッパー側の関係者が小遣い稼ぎで買ってすぐに転売しようとしていたのかもしれず、この国ではこういう顧客なえがしろのおかしなやり方をするところがあるので、嫌気がして買うのをやめたわけです。

もっとも、JVを組む三菱地所も、日本の宅建業法の観点から、予め購入者が決まっている物件を一般販売の競争入札のように見せかけるなど許されないので、止めようとしなかったのかとも思うのですが...。やはり、金は出しても口は出せなかったのでしょうかね。

正直、このプロジェクトは所詮、中級ブランドであるライフです。モデルルームを見ても、デベロッパーがオーバーデコラティブに内装したところを無視して、本来の基本スペックだけを見ればわかりますが、ハイサッシでもない、天井高も2.7メートル、ワッサドゥも中級とセグメントでいえばアッパーからハイクラスのグレードです。

ただ、このロケーションで平均価格が17万バーツ/㎡台というのが当時の市場からすればリーズナブルでお買い得感があったのも事実です。そして今、高層階ユニットの竣工引き渡し期限が近づいてきており、焦った購入者から予約権の投売りが始まっています。

これについては、同著書の第4章3項「プレビルドはプリセールか竣工直前直後の投売りを狙え」で書いてもいます。しかし、現在、投売りで出てきているのはほとんどが30㎡前後のスタジオと1ベッドルームばかりです。

この一等地でこういう狭小物件は中途半端で借り手もおらず、空室リスクが高いので買っても仕方がありません。やはり狙いは45㎡か63㎡の2ベッドルームなのです。

本来ならこういう希少価値のある2ベッドルームの物件は投売りでは出てこないのですが、それが今回はコロナの影響もあり、普通なら出てこないはずの物件まで出てきているので、要注目なのです。

では、次回は具体的にどんな物件が出てきているのか見ていくことにします。

次回に続く

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