観光収入1まず1つ目の「外国人投資家のさらなる減少」ですが、これは、そもそも外国人観光客の減少が今後も続くことが原因です。

今のコロナウイルス感染拡大があと1、2カ月で終わったとしても、世界経済がV字型回復するというようなことは、まず考えられません。

先のタイ航空を始めとする各国のエアラインや自動車産業等、世界中の実体経済が既に影響を被っていることから、今回のリセッションは、
金融業界だけの問題で起こったリーマンショックよりも強烈なはずです。

しかも、アメリカを始め各国政府がこれからとんでもない額の財政支出をしますが、これが全て税金という形で国民の負担になるわけで、この不況は長引くと思います。

いずれにせよ、バブル崩壊やアジア通貨危機の時、当時テフロン経済と呼ばれていたタイでさえも、不動産市場の回復には最低数年を要したことから、大地震があった後の余震が続くのと同じで、今回も少なくとも1年以上、コンドミニアムの値下りが続くと思っています。

さて、この表は2018年の資料ですが、観光収入世界4位の観光立国タイには、昨年4,000万人(うち、1,100万人が中国人)もの外国人観光客が訪れました。

それが(その1)で書いたように、今年は既に2月の時点から観光客は激減していて、今は非常事態宣言により、原則、入国禁止です。
それに、今後、非常事態宣言が解除され、外国人の入国が緩和されることになったとしても、世界経済は既にリセッションに入っているので、やはり観光客は戻ってきません。

そもそも景気が悪くなる場合、一般家庭は海外旅行などという贅沢なものに余剰資金を使うよりも、できるだけ出費を抑えてもしもの時のために備えようとします。海外旅行は最後の最後にしか回ってきません。

従って、中国ではコロナが克服され、普段の生産活動を取り戻し始めたといっていますが、だからといって、すぐにまた1,000万人もの観光客がタイに戻ってくることはなく、その半分でも難しいと思います。


一方、2017年頃をピークに多くの中国人がバンコクのコンドミニアムに投資した理由が、急増する中国人観光客にホテル代わりに貸せば高い利回りで運用できるから、ということであったことを思い出して下さい。

実際、中国人バイヤーのほとんどは
購入した物件に自分では住んでいません。中国人観光客向けの民泊施設として貸したり、中国の旅行会社に借り上げてもらったりしています。しかし、今後、中国人観光客が激減してしまうと、空室状態が長く続くようになり、もう手放そうと投売りが出てきます。

さらに、当時、プレビルドを買った中国人投資家も多くいて、
彼らが2017年から2018年にかけて大量に買ったプレビルドの多くは、今年と来年に引渡し期限を迎えます。その場合、投資として回らないのであれば、購入予約権を損切りして手放すか、最悪、ダウンペイメントを放棄して解約する方がリスクが低いと考えるようになります。

実際、もし私が彼らの立場なら「今や買ってはいけないバンコクのコンドミニアム(その1)」の中で、「これは見方によっては不幸中の幸いだったのかもしれません。最悪、契約キャンセルの場合、それまで払ったダウンペイメントを捨てることになってしまいますが、それ以上の損は被りません。逆にいえば、デベロッパーが今後のマーケットリスクを引き継ぐことになり、彼らは今、これを一番恐れているわけです」と書いた通り、それまでに払った20%から25%のダウンペイメントを放棄してでも、一旦撤退することを選ぶと思います。

そうなると、今でもデベロッパーは負担の大きい完成在庫をかなり抱えているのに、さらに大量の完成在庫が増加するわけで、その資金負担は「今や買ってはいけないバンコクのコンドミニアム(その3)」で書いたように、特に負債比率の高いデベロッパーの経営を圧迫することになります。

もっとも、エンジェル・リアルエステートなどはかなり力のある仲介業者なので、「中国人投資家の激減でブローカーも四苦八苦」で書いたように、それを見越して、大分前からデベロッパーに引渡し期限を半年から1年、延長するように交渉していて、アナンダなどは既に受け入れているようですが…。

中国人バイヤーところでこれは、コロナ感染拡大が問題になる前の1月に、コリアーズが出していた中国人投資家からの資金流入予測を私がグラフにしたものですが、今はもっとひどいことになっているはずです。

今年は投売りや損切り売却によるマイナス、つまり、ネットの資金流出になるかもしれません。


いずれにせよ、かつて外国人投資家購入額全体で3割以上を占めていた中国人投資家の存在感は、今後小さくなると考えるべきです。

そして、中国人投資家が好んで買っていたラチャダー通りやラーマ9通り沿いのプロジェクトは相当な売り物件が出てくると思います。

一方、日本を含め、シンガポールや香港、台湾の個人投資家も状況はほぼ同じです。実は私もそうですが、長期で景気が悪化しつつある場合、投資は一旦手仕舞いし、当面は手元流動性を高めて様子を見るというのが定石です。従って、彼らもしばらくはバンコクの不動産市場には戻ってきそうにありません。

次回に続く

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