コンドミニアム市場からの撤退一昨年後半から様子がおかしくなり、昨年初めから明らかに失速が始まって以来、今も低迷が続くバンコクのコンドミニアム市場。

私は2011年にバンコクに移り住んで以来、市場の動きを見てきたわけですが、アジア通貨危機が終わり、マストランジットシステムの開通とともに20年近く続いてきたバンコクのコンドミニアム市場の成長が、とうとうここで一段落したように思います。

特に、2010年代は毎年供給過剰が指摘されながらも、クーデター後の香港やシンガポールを中心とする外国人投資家需要の急増、ラグジュアリーコンドに対する富裕層の投資需要、そして中国人投資家の特需等、次々と新たな需要が発生した結果、2018年前半まで市場の成長が続いたわけです。

しかし、著書の「2020年の混乱市場を勝ち残るヒント」でも根拠を挙げて詳しく書きましたが、バンコクのコンドミニアム市場にとっては幸運が重なった結果、
その実力以上にここまで長く成長を続けられたのではないかと、最近、私は考えるようになりました。

また、タイ人だけでなく外国人も含めて短期転売、中長期投資、自己居住の3つの需要が重なり合い、その相乗効果でコンドミニアム市場を支えてきたわけですが、これが2019年に入ると、米中貿易戦争の影響を受けたタイ経済の低迷、タイバーツ高、中央銀行の住宅ローン融資規制、そして今年に入ってからのコロナによる観光客の激減と投資家のキャンセル等、たて続きに悪材料が出てきた結果、まさに市場全体が逆回転し始めたわけです。

そして今、需要全体の4割を占めるという投資需要が激減し、コンドミニアム市場はミドルクラスを中心とする自己居住目的の実需にしか頼れないというのが実情です。

しかしこの実需でさえ、世界で4番目に高いといわれるタイのGDPに対する家計債務比率により、銀行が住宅ローンの与信基準を厳しくしているので、住宅需要はあってもローン申請者の4割が却下されるという問題があり、販売在庫は一向に減らず、今まさにバンコクのコンドミニアム市場は八方塞がりの状態になっているわけです。

一方、既にCBDでは相当数のコンドミニアムが開発され、少なくとも中古を含めれば量的にはエクスパットの賃貸需要を十分満たせるだけのものがあることから、都心部の賃貸市場でも空室リスクが相当高くなってきています。

従って、今の低迷期が終わっても、CBREが予測するような、また以前のように投資需要が復活し、市場が急回復するということはちょっと無理だと思うし、デベロッパーが以前のように年間6万ユニットもの新規プロジェクトをまた供給し始めることはもうないだろうと、個人的には考えています。

次回に続く

このブログが参考になったらシェアお願いします。

 

にほんブログ村 海外生活ブログ バンコク情報へ

にほんブログ村