
しかし一部のデベロッパーは、それでも大丈夫だとうそぶいているところもありますが、竣工しても住宅ローンが借りられないのでは、購入した人たちの多くがキャンセルするしかなくなるのは自明の理で、実際、その兆候が住宅ローン貸出額の急減という形で表れているわけです。
以前、「大量のバックログ、無事引渡しできるのか?」で4回にわたり書きましたが、あれからさらに完成在庫が積み上りつつあり、タイ全体でなんと45万ユニットもの住宅完成在庫があるそうです。
一方、我々のような外国人はもともと住宅ローンなど借りられず、最初から現金買いなのでこの中央銀行による締め付けは何も怖くありません。
従って、こんな状況になってくると、今年は買い叩かれるだけなので、保有物件を売る年でなく、むしろ買い叩いて買いに行く年だと思います。(参考:「いつ買うの?、今でしょ!」)
ただ、ここにきて事態を重く見た政府系銀行が中央銀行の締め付けに対抗して救済策を打ち出してくるようです。すなわち、タイ中央銀行の指図に従わなくてもよい財務省直轄の政府系銀行である、政府ハウジングバンク(GHB・タナカーンアーカーンソンクロ)と政府セーヴィングバンク(GSB・タナカーンオームシン)が住宅ローン貸出基準をもっと緩和し、住宅を買いたくても買えない中低所得層に貸し出して住宅取得を助けようという動きです。
ところで、タイではまだ正式には内閣総理大臣も決まっていないし、政府も発足してないのですが、政府系銀行は取締役会の判断でこういうことができるようです。それに、日本でも財務省と日銀が金融政策を巡って喧嘩することがありますが、今回のこれも同じようなものだろうと思います。
もっとも、次期新政府も最近のタイバーツ高騰が原因でマイナス1.9%成長に転じてしまった輸出の減少をカバーする意味でも、住宅産業の内需拡大でなんとか経済成長に寄与させたいと思うはずで、この政府系銀行の動きに反対するとは思えません。
いずれにせよ、タイ経済にとって重要な内需である住宅産業を成長させたい政府系銀行と、家計債務が膨らみ続ける中、不動産バブル崩壊による不良債権急増の芽を今のうちに摘んでおきたい中央銀行との間で、ある意味戦いが始まろうとしているわけです。
次回に続く
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