ここで掲載した雛形は日本に住むクライアントを想定してドラフトしたものですが、この中で私はOwner's Agentとしてサインし、施主の代理人として施工監理を含め実質的主導権を持つ形式にしています。
これが自分の投資物件であれば、私がOwnerとしてサインするというように、毎回、この雛形を物件ごとにデザイナーとの合意内容に基づきアレンジしながら何度も使い回しています。
ただし、私自身が全てドラフトした契約書であり、どの条項が何を目的として書いたのかわかっているので「よみがえるか、陸の孤島(その5)」で書いたような、他人の使い回しでぐちゃぐちゃになり、意味が取れなくなってしまうということはあり得ません。
それに、ロンドンでデベロッパーとして長年開発をやっていたので、当時からこういう簡単な英文契約書は大抵自分で作っていたし、いつでも必要に応じて変更修正もできるからです。
これ以外には、オーナーと私が交わす日本語の「施工監理の覚書」があるのですが、そこで私が施主代理として責任を持ってこのフィッティングアウト工事全体を完成させるという契約の建て付けにしています。
ところで、こういうフィッティングアウトやその施工監理は、当初、私がリテインドエージェントとして投資物件購入のお手伝いをしたクライアントに対するアフターフォローとしてやっていたのですが、最近は「中古物件を改装して転売(改装編)」を読んだ方々からも依頼が入るようになりました。
その結果、こんな需要があったのかということがわかったのですが、考えてみれば、特に日本在住の方の場合、購入した物件を賃貸に出すためにフィットアウトしたいが、誰に頼んだらいいのかわからないという人も多いと思うのです。
それもあって、最近はそういう方の需要も引き受けるようになってきているので、ますますこのデザイナーたちとのつながりは強くなっています。
従って、このブログを読んでいる方で、新築、中古を問わず購入した物件のフィッティングアウトやリファビッシュメントを考えておられるのであれば、私の方でお手伝いも可能です。
さて、では実際の現場での工事に照らし合わせながら、次回は施工監理のキーポイントを書いていくことにします。
次回に続く